上位の批判的レビュー
5つ星のうち3.0この辺からイベントを持ってくる新キャラの民度が低くなってくる
2022年4月24日に日本でレビュー済み
この作品の魅力的な点は、主人公の基本的スタンスが誰でも彼でも手を貸すでなく、「善人や子供が困ってるなら助ける」という、日本人的に手を貸すに足る、まっとうな理由付けがなされてる所でした。ですが、その良い点がこの和の国編から怪しくなってきます。胡散臭い風体と言葉で馴れ馴れしく接近し、人を試すような言動を隠さず続け、目的の為に嘘を並べ実力を測ろうとし、あまつ他人の善性を逆手に取り、実力を測る為なら相手の大切なものにまで攻撃を仕掛ける。そこまでの事をしておいて、最後謝り正直に国の危機を救って欲しいという目的を語れば許されると思っている。ずうずうしい輩にも程というものがあるでしょう。こんな酷い事しといてこのキャラ何事も無かったかのようにずっと主人公について回りますからね。正直はよくたばれと言いたい。相手からすれば要求を通す為にハッタリや虚実も交えて交渉するのが外交てなものなんでしょうが、この作品においてはそんなもんクソ喰らえでしょう少なくともこれまでは。そういう不誠実な輩は救わないのが爽快な作品だったというのに。
これまでの主人公なら絶対途中で帰っただろう者達の願いを、しぶしぶ聞くという流れ。はっきり言って、従来の流れが好きだった読者的には、強烈な違和感とストレスが溜まります。毎回毎回手を貸すのに似たような動機付けの導入を避けるために捻り出したストーリーだろうとはいえ、人を欺きコケにするような流れでの依頼手法とそれ受け入れる主人公を描くのは、他作品ならいざしらず、この原作では作品そのものへの興味を失わせ兼ねない、危険なストーリー展開だと思います。なんでこんな失礼千万な奴等の頼みを聞いてやらなければならないのか。元はそんなスタンスの子じゃなかったよね?という思いがずっと残り、この巻の読後感を悪くしています。要は、これまでなされていた勧善懲悪が和の国編では徹底されてない、やらかした分の罰を受けず恩恵だけ得ている輩が多い、という事です。
んで仕方なく出向いた先の狐女も狐女で、国の安全保障の要である封印に勝手に手を加えて女しか近寄らせなくしたそして解除もできないて馬鹿でしょ?自分に寄ってくる男がうざいからが理由て。そんなくだらない理由で肝心要の封印いじって結果として危急の今戦力になる男達が近づけない困ったて笑えないどころではない。お前のくだらない所業で国が存亡の危機なんですが?どいつもこいつもこの国の奴等は身勝手な奴しかおらんのかい。誰かその辺突っ込んでよ。自分の想い人呼んでくれたら認めてやるとかやかましいわ。お前がまず責任取って自害でもしろや。普通、封印解ける迄男戦力配置できなくなった原因が完全に自分の我侭が原因ですてなってあんな態度取れる?私なら死にたくなる位恥ずかしい所業なんだけど。惚気てる場合か。自国が情けない真似して迄主人公に頼らざるを得なかったの殆どお前のせいじゃねーか。国を救った英雄ヅラしとるが頑張った主体はムムルートとその愉快な仲間達だろ。封印いじって取り返しつかない状態になった時点で国に御免なさいして即座にムムルート探索チーム派遣を要請しなきゃ駄目だろ。この偉人ヅラして国防の危機を招いた癖に放置してた狐女が一番愚かしいし糾弾されるべきだ。つか終わったら責任とって自害しろ。ていうか異国人騙す茶番まで設け国王まで頭下げて引き込んどいて頼まれた先の現場で帰れて言われるてどういうことやねん。意思統一も現場に話通す事すら出来てねーのかYO。ほんとどうしようもないなこの国の奴等は。
ちなみに和の国だけでなく、これ以降の話でも、この手の礼儀を弁えない、反省をいつまでもしない輩が、時々導入のメインキャラで出てくるようになります。この辺から魅力がスポイルされてくるんですよねこの作品。とても残念です。世界の仕組みには一切口を出さないし変えようともしない代わりに、誠実な者しか救わない、徹底される勧善懲悪ストーリー。それこそがこの主人公と作品の魅力だと思いますし、この巻前迄はそうでした。今後もそうであって欲しいものです。