上位の肯定的レビュー
5つ星のうち5.0ジオングの恐怖
2021年2月26日に日本でレビュー済み
サンダーボルト宙域に残ったコロニーに隠れ住み、サイコザクの操縦訓練に励むレヴァン・フウの
一味。連邦のデブリ掃海部隊がすぐ近くを通過しそうなので、ビビのサイコ・ザク7号機が警戒に
向かったのだが……。
前巻はルナツーで好き勝手された連邦が反撃の強烈な狼煙を上げる17巻、表紙のジオングの腕が
飛び出すババンバン的戦闘が爽快です。ザク対ジオングというすごい絵面ながらどちらもサイコミュ
なので結構互角だったりしますが。連邦がジオンの最終兵器を使ってくるという悪夢と皮肉、最後の
アレもえげつない。戦闘後のイオたちの様子といい、爽快ながらも戦争の狂気をしっかりにじませて
いるのが何とも……。
結果的に親友二人を手にかけてしまったイオはそれでも現在の仲間たちに支えられて吹っ切れたと
見ていいんでしょうか。あまりに高いテンションが何か怖い。
それにしてもガンダムタイプを随伴させる連邦マーク入りのジオングという光景、アムロやシャアに
見せたかった(笑)。
限定版にはキャラクターブックが付属、主要26名は作者の解説付きでより深く知ることができます。
スパルタン内のスパイを誰にするかなど、最初から全てをきっちり決めているわけではなく、流れで
描いているうちにそれでも設定と展開がカチッとはまるのがやはり力量というものなのでしょう。
作者にとってはやはりダリルの方が主人公でイオは敵役ということか。ビアンカはお気に入りらしい
ので死なずに済みそう?(笑) モニカ参謀の外見がミス・マープル+ヨーダというのは笑った。
その他外伝に至るまでネームドの登場キャラは一通り登場、一部モブまで収録。さらに食事シーン
特集や巻末にはダリルとイオがよく聞いているあの歌の歌詞まで。
値段が倍でも十分買う価値はある本。紙で買うなら通常版よりこちらがお薦め。