上位の批判的レビュー
5つ星のうち3.0正直に言うと
2020年8月12日に日本でレビュー済み
このシリーズを続けすぎたかな、と思う。
元々この二人がくっつくのに興味がないーと言うより、そんな登場人物全員同性愛者にせんでも…と感じていたので、読む前から期待値はさほど高くなかったし、濡れ場もほとんど飛ばし読みだ。
もちろん、お仕事物としてはシリーズを通してかなり面白い。
理想と現実の間で葛藤し、迷いながらもいい番組を作ろうとする仕事人の姿は、萌えや恋愛物を求めていたはずが仕事をしている部分の方に気持ちがシフトしていってしまう。
これはドラマ化しても面白いのでは? などと感じるほどだ。
相馬と設楽はそれぞれ優秀な人物ではあるが、互いの仕事に劣等感のような感情を抱くこともあるし、
相手に失望されたくないと萎縮してしまうこともある。
今巻の相馬は設楽により「ザ・ニュース」のチーフプロデューサーになる。
今度こそ波風立てずに、口出しはほとんどしない、ニュースが滞りなく終わればそれでいい、という
よく言えば丸くなった、悪く言えば腑抜けだ。
そんな中、局は違うが設楽と同期の敏腕プロデューサーがやらせを行なっていることを知る。
設楽の友人である人間のやらせに対して相馬が何を考え、動くのか。
そして「ザ・ニュース」の面々や設楽は同じ職業者としてこの一件をどう報じるのかも見どころだ。
繰り返すが、仕事の部分は文句なしに面白かった。
それだけに、彼らの恋愛関係を挟んでくる必要、もっと言えばこの二人でなければならない理由がわからなかった。
まあこれは国江田−都築の部分で設楽があまりにも万能キャラであったためかもしれない。
脇役の有能さはいくら盛っても脇役のままであれば格好いいが、メインになるとやや鼻につく。
相馬もまた然りだし、これはこの巻の話ではないが、過去に行ったパワハラを正当化するような流れにしてほしくはなかった。
この作品の表紙には番外編と書いてある。
番外と言うのであれば、そろそろ本編が読みたいものだ。
これで番外編5として麻生やら錦戸やらを出してきたら流石に買うのをやめようと思う。
ついでにイラストはもっとキャラクターを描き分けられないのだろうか。文章からのイメージとも合わない。
※登場人物の名前が間違っていたので修正しました。