上位の批判的レビュー
5つ星のうち3.0ガルパンのTV版を神話/伝説と捉えると
2020年6月25日に日本でレビュー済み
作品内の大洗の優勝はほんの数か月前の出来事ですが、作品から透けて見えるのは「ガルパンTV版」で描かれた物語をある種の伝説や神話としている点だ。
大洗の活躍を伝説としてその関係者を「軍神」「魔弾の射手」「司令塔」etcetc、まさに伝説・神話の登場人物あつかいだ。
大洗の生徒会長の「戦車道による大洗の復活」の策略もまるで戦国時代の大名の鬼謀神算の類のように匂わせる。
同時代、同世代、それなのに片方の物語の人物たちは神話級の存在で、本作の主人公たちは現実的な人物。
読み手を本作の主人公側に視点移入させ「あの伝説の!」といった感じでTVのキャラクターが登場する。
そういった視点移入させての演出をむず痒いと感じる人は評価の☆も厳しめで
「やった!TVのキャラたちが凄い人物として登場だ!やっほー!」と喜べる人は評価の☆が増えるだろう。
奇妙な言い方だがTV放送アニメの商業的成功の巨大さを、本作品内におけるTVキャラたちの「英雄度」に置き換えている様にも思える。
この一冊は大洗女子の「神話的人物」を現実のキャラクターとして降ろす巻と捉えられるかも。