上位の肯定的レビュー
5つ星のうち5.0砂漠の掟!! 唸れビッグガン
2019年10月1日に日本でレビュー済み
『ガンダムサンダーボルト』のサイドストーリー、3巻。今回は全編ショーンが主人公。
本編5巻で描かれた「砂鼠ショーン」の続編に当たります。砂漠でMSなどの残骸を回収する“砂鼠”
たち、彼らが集まる龍骨街。落下したコロニーの残骸を中心にできたマーケット街である。今回は
あまりめぼしい稼ぎのなかったショーンたち「ブッチ・ブラザーズ」はジオン補給物資の日用品
などを売りさばいていたが、そこへ登場した闇オークションの目玉はあの狙撃用ビッグガン。
かつて自分も使っていた武器であり、何としても欲しいと思ったショーンだが……!!
荒くれ者たちの生命力であふれるジャンク街の雰囲気が楽しい中、繰り広げられるビッグガンの
争奪戦。おなじみショーンの改造グフの他、やはり魔改造された陸ガンやギャンやアッザムたちの
バトルが面白い。割とコメディ色が強く『ワンピース』や『紅の豚』みたいなノリに片足突っ込んで
います(笑)。驚いたのが「砂鼠ショーン」のラストで姿を見せた連邦の女性パイロット、モニカ
・エル・ビアンキがショーンたちと一緒にいるのかと思ったら、一匹狼の用心棒になっていました、
しかもすっかり荒事に慣れてガラの悪いこと(笑)。ショーンとはまるでルパンIII世と峰不二子の
ような関係に。本編のビアンカみたいなキャラになってますな。
フルカラーの恩恵で例のラフっぽい絵はそれほど気にならなくなっていますが、やはり以前の絵
で見たかったなあとは…。冒頭の第15話だけ絵が綺麗なので余計にそう感じます。ここだけ腱鞘炎
が限界に達する前に描いていたのでしょう。なお、それ以降の彩色はウメグラさん。
作画がやや惜しいものの独立した気軽に楽しめるスピンオフ。お薦め。
今回はプラモデル写真を取り込むような手法は使っていませんが、巻末には実際に製作された
地上用ビッグガン(三脚の車輪がマゼラアタック)とモニカのガンダム・バウンサーが。
市販されないかなあ…。ショーングフにビッグガン持たせてあげたい。