上位の批判的レビュー
5つ星のうち1.0神話を知らない人に誤認識させる漫画です
2020年1月21日に日本でレビュー済み
神話を知らない人や少ししか知らない人が読むと面白いかもしれませんが、面白半分で読むにしても本来のエジプト神話が語ろうとしている事を全て無視して、都合良く神様同士の関係を人間同等に下げて嗤ってるような漫画です。
決してギリシャ神話感覚でエジプト神話は楽しむものではありません。そして古代であっても神への信者がいる事を忘れないでください。
作者はエジプト神話を勉強したつもりでギリシャ神話の解釈と混合しており、一切エジプト神話を神話としても歴史的史実としても理解していません。漫画を通して古代エジプトの史実と歴史と宗教そのものを侮辱しています。
同人誌レベルの創作物を表現の自由を掲げて公式発売するには、あまりにエジプト神話を宗教として理解されておらず、例えファンタジーやたかが漫画だからというには度を超えた表現がされています。
特に主人公のセトは漫画では時間を遡り罪を犯さないよう改心するかのような純粋さをみせますが、本来のセトという神様は自ら選んだ選択として罪を背負うことは厭わず突き進むという性格を覆しています。
古代エジプトの神話は歴史上実際行われた信者同士の争いや地域性の宗教のやり取り等を表現しており、決してギリシャ神話のような物語の中で描かれる神々の情緒を楽しむ為にあるものではありません。性格を変えた上に神話の流れも変えて表現するというのは、古代からの信者達の行動全てを否定し神性を歪ませる行為です。
趣味程度の漫画であれば良かったものを、このような大衆に広める公式的な発売は巫山戯るにもあまり酷いものだと思います。
正直、この漫画を二度と描かないで欲しいです。☆1もつけたくありません。
どうか1人にでもこの漫画が古代エジプトの宗教と信者達を侮辱し無礼なものであるという認知が広める事を願います。
