上位の肯定的レビュー
5つ星のうち5.0キャラクターの味がよく出ていて楽しめます。小説としてもツボを押さえていて感心します。
2020年2月16日に日本でレビュー済み
アクアとめぐみんとダクネスがぼけてカズマがつっこむ。その繰り返しがだんだんパーティーを追い込んでいき最後にサゲがくる。まるでコントか落語か漫才のようなリズム感がすばらしい。これはこのすば全体で一貫しているが作者の構成力と文章のうまさは感心する。会話の流れがよどみない。キャラごとのセリフ回しがきれいに区別されているので戸惑うことがない。アクアは間の抜けた高慢さ、ダクネスは変態のにじみ出た高貴さ、めぐみんのどエスをまぶした子供っぽい賢さがそれぞれにじみ出ています。分かりやすい。ウィズもバニルも他のキャラとセリフ回しがきれいに区別されている。小説は言葉で個性を描くのでこの切り分けは最も重要な要素だが、結構、ゆるがせにしている作品が多い。それがきっちりしているのは小説を書く上で良いお手本だとおもう。
さて、短編集なので個々のエピソードに繋がりはありません。ありませんが統一感があります。特に気に入ったのは「アクセルの爆裂探偵」です。めぐみんのえげつないところが山盛りで最高です。最初は謎だなあと思いながらまあ「このすば」だからひどいオチが待っているに違いないと思って読んでいるとやはり期待を裏切らない。もちろん推理物として読んだらアウトですがめぐみんというキャラを楽しむのが目的なので問題ない。
他もそれぞれのキャラクターの特徴が浮き彫りになっていて楽しめます。