上位の肯定的レビュー
5つ星のうち4.0ゆっくり、ゆっくり
2019年7月18日に日本でレビュー済み
前作が面白かったので続編を待望してました(ウェブ版は未読です)。
前作で人に想われる喜びを知ったヒロイン美世が愛する旦那さま清霞の為に己を磨こうと意気込む姿が健気で可愛らしいです。
しかし心に刻まれた過去のトラウマが完全に消え去ってはおらず、忙しい旦那様を慮る余り自身の不調さえも飲み込んで我慢してしまい、想い合うのにすれ違う二人…というじれったい展開に身悶えます。
帝都を揺るがす騒動、ある人物の謀、美世の一族の掟などに振り回されつつ、ゆっくりと絆を深めていく二人にキュンとします。
溌剌とした清霞の姉や美世を巡る旦那様のライバル出現など新たな風も入り込み、今回も面白かったです。
相変わらず作中のご飯が美味しそうだな〜と思いました。
余談ですが、冒頭の辺りで美世が「全然、平気です。」と口にするのですが、現代的な話し言葉で少し違和感を感じました。
これが現代を舞台にしたストーリーだったらサラッと流せたのですが。
本作に限らず、最近の小説は世界観や時代設定を無視した現代語を混ぜた記述が増え、少し残念に思います。
せっかく架空世界に浸っていたのに現代的な言葉が目に入ると一気に興醒めするので、出来れば乱れた言葉は使って欲しくないです。