上位の肯定的レビュー
5つ星のうち5.0期待を裏切らない6巻 単品ではなくコースだからこその愉しさ
2019年3月22日に日本でレビュー済み
本作品では、一見リアルだが実は荒唐無稽なほどに際立った個性を持つ魅力的な登場人物を配して、警察組織の職務からアフターファイブから養成課程のあらゆる場面までもが、詳細かつリアルに描かれている。毎週連載を読むのも楽しみで仕方がない。現在連載中のマンガの中で最も楽しみにしている作品である。
ところで単行本で読むとまた違った意味で楽しめる。6巻の真ん中へん49話のエピソードは連載で読んだ時も珠玉の一本と感動したのだけれども、単行本になってみると、その前の48話の(気の毒な青春時代を送ったおっさんには)切ない脱力エピソードととその後の50話の緊張しつつも激しく脱力に至るエピソードに挟まれて、連載購読時よりもさらに興趣が際立ってしまう。ちなみに50話のカラーページがそのままカラーなのもうれしい。
筆者は本作品のエピソード配列の巧みさについて5巻を読んだ時にも同じような感想を抱いたが、6巻ではそれがますます進化しているように感じた。このような「構成の巧みさ」は単独エピソードにもみられるが、47話などは一幕物的なストーリーで展開の巧妙さに感心した。
現在、連載で取り上げられている中にも今後の更なる発展が楽しみな素材があるが、筆者としては署長がらみのエピソードが今後いろんな方向に広がっていきそうで楽しみで仕方がない。50話で署長の今年度限りの定年退官に言及されているのは、今後に向けておそらく8巻、9巻あたりへの重要な伏線と思われたのだけれど、皆さんはいかがでしょうか?
2019/11/22追記 11/21発売モーニング誌掲載の本作品において6巻49話の伏線が回収されている。ある意味予想通りなのだが、昨日は忙しくて買えず、今朝購読していたところ電車の中で涙目になってしまった。高校生がたくさんいたけれど思ったより平気だった。49話はますます「珠玉の一本」となった。署長がらみの伏線は連載でも未回収なので12巻以降に持ち越しか。