上位の批判的レビュー
5つ星のうち1.0石黒正数という期待
2019年3月22日に日本でレビュー済み
一人のファンとして言っておきたい。
賛辞だけがファンレターではない、と信じて言いたい。
2巻まで読んでの正直な感想は、
「ぜんぜん面白くない」であると。
◯
キャラクターに魅力があるわけでもなく
感情的に応援したくなるわけでもなく
視点があちこち飛んでいき、
「一体どういう世界なんだろう」
以前に「何をみせられてるんだ」
という気持ちが勝っても
「きっと面白くしてくれるはず…!」
という期待を担保に読み進めてきた。
16Pの1話完結を描かせれば天下一品の先生、
「外天楼」「天国大魔境」ときて、確信した。
「「ストーリーマンガ向いてない!!!」」
◯
かなり大きな要因なのですが、
氏の持ち味のコマ割りやテンポが、
全くストーリーに向いてない。
1動作1動作ていねいにロングショットで割っていくコマは
ただ淡々と小芝居で展開を処理してるようで
(キャラの心情や緊迫感によりそえずに)
「展開や人物が気にならない」印象につながっているように思います。
また、崩壊世界の生活観がリアルというよりダサく、
性愛に絡んだ描写が絶妙に気持ち悪い。
先生の描く「妙に生活感のあるダサさ」は愛嬌があり好きな要素だったのに、
それが題材を違えるとこんなに気持ち悪くなるのかと驚きました。
ときおり混ざるギャグテイストの掛け合いが、いつもなら楽しめるのに
今作の世界と拒絶反応起こしているのが悲しい。
◯
まだまだ言いたいことはあるけれど
「先生の描きたい世界観と適性が噛み合ってない」
が総評です。
「このマンガ知ってるやつは通なんだぜ」というランドマークになっている現状、
称賛以外の口コミは憚られること請け合いな昨今ですが、
それ町ネムルバカの大ファンとして
言おうと思いました。
作家は好きに描いたほうがいいですし、
読者である私は読みたいものを選べばよいのです。
だから私はここで脱落することにします。
次回作を楽しみに待ちながら…。
先生の切り取った少し不思議な日常の漫画は、やっぱり面白いですから…