上位の肯定的レビュー
5つ星のうち5.0既婚者が読んでも意外なところにリアリティを感じる。
2019年11月23日に日本でレビュー済み
男性18歳と女性16歳、民法で婚姻可能な年齢の規定です。もちろん2022年の民法改正で18歳成人が規定されたら変更になりますから、この作品の時代背景の一つとして将来、それも10年、20年先にはトリビアになるかもしれません。
主人公は勉強ができて妄想と行動がどちらもまっすぐでこのままいくと勉強のできる馬鹿になりかねないタイプ。おかげで高校受験を控えたある日、交通事故にあい助けてくれたヒロインに初対面で告白する。ヒロインは情報が無さすぎて背景はさっぱりわからないがどうも両親は無く、祖母と都内で暮らしていたが、告白してくれた主人公と結婚すると一途に思い定めていたらしい。
という、いろいろと現実離れした世界でありながら着地したのがひどくやさしい世界なのが心穏やかにしてくれる。実際、作者の畑健二郎先生も声優浅野真澄さんと結婚した時期に重なるので影響があるのかなと思ってします。
ただ、主人公の妄想とヒロインのクールに見えてやさしい反応は見ていても微笑ましい。おままごとのような非現実感があるがそれでもこういう新婚生活があっても良いじゃないかと思える。婚姻届とか一緒に住む段になって布団はどうするとか、歯ブラシがないとか現実感があって昔のことを思い出して既婚者でも意外と楽しめます。
最後に主人公とヒロインが影の声の質問に答えるコーナーがあるが、これがまたなかなか味わいがある。