上位の肯定的レビュー
5つ星のうち5.0構成の素晴らしさに、あっぱれ。
2018年8月31日に日本でレビュー済み
とにかく感動しました。リアル世代ではありませんが、小学生の時に観たアニメがきっかけで大好きになり20年が過ぎました。原作、宝塚、実写版、色々と観てきた生粋のファンです。
エピソード集は3巻までの評価は悪いようですが、私としてはさすが池田先生!です。
今回の4巻を読んで、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
以下、ネタバレです。
これまでのエピソードを締めくくる最後に、ロザリー編を登場させてくれたのは本当に「最初から最後まで革命のフランスを生きてきた」
人物として素晴らしいと思いました。
ロザリーが「私はいつも春風なんかではいられない」というシーンや、ベルナールへの愛情、オスカルやアンドレ、ソフィア、フェルゼン、アントワネット、アラン、ジャルジェ将軍への気持ちなどが随所に描かれていて、「歴史を見てきた女性」としての重みを感じます。
また、オスカルという名前の由来がまさかこんなところから!という点は驚きました。
これまでのエピソードで、ミドルネームの由来も描かれていたので尚更感動します。
ロザリーの息子のフランソワ、本当に良い青年になっていてこちらも良かったです。
フェルゼンの描かれ方も秀逸でした。
ヴァレンヌ逃亡で生き延びたあとのことが詳細に描かれていて、ブレゲの時計を持って死に向かったところ、最後のシーンはフェルゼンの怒りを感じました。
個人的な感想ですが、原作は全てが美しく珠玉の名作だと思うのですが、作者も読者も年齢を重ねた今、美しくない部分が沢山見られて堪能できました。
そして、エピソードの一つ一つがきちんとロザリー編のなかで生きていること、さらにそれらが原作に繋がっていること、史実を踏まえた構成の巧みさに脱帽です。
1番良かったのは最後の作者の言葉でした。
自分の力量の衰えを認め、悔しいと言い、このロザリー編で最も近づけたのではと言う。
もっと描きたいけれど、筆力に限界があると言う。
原作者が描きたかったベルばら、ここまで楽しめて本当に嬉しかったです。