上位の肯定的レビュー
5つ星のうち5.0血まみれなのに優しい不思議な群像劇
2018年1月28日に日本でレビュー済み
魔女、殺し屋、幽霊、悪魔、麻薬の売人、ヤクザ、漫画家、メンヘラ、ゾンビ、殺人鬼、元プロレスラー(?)、少年探偵団、ロボット刑事……「なんでもアリ」がこれでもかと詰まった小さな島で繰り広げられる群像劇。散りばめられた伏線と人間模様が絡みあって見事に形を成していくのはキモチ良く、作者のストーリーテラーとしての確かな力量を感じさせてくれます。
軽薄で酷薄で殺伐としていて乾いてるのにどこか人情味のある不思議な味わいもまた、道満先生ならでは。恐ろしい出来事と隣り合わせにありながら、ささやかで愛らしいロマンスが紡ぎ出されていくのだからなんともスゴい。
万人向けとは言えないかも知れませんが、素晴らしい完成度の「作品」だと思います。全3巻で比較的手軽に読めますし、おススメです。