上位の肯定的レビュー
5つ星のうち5.0小生意気な霜月監視官の活躍が良い感じ
2019年1月25日に日本でレビュー済み
最初、霜月監視官の凛々しさに驚きましたが、宜野座執行官に至っては、
誰だか分かりませんでした。
男っぷりが上がったこの姿、とっつぁんに見せてあげたかったですが、
同じ立場に入ってしまった我が子の姿を悲しんだかも知れません。
さて、主役たる霜月監視官。
特に『2』の行動から、どちらかと言えば、好感度があまり高くない側の
キャラクターです。
しかし、今回の活躍っぷりからは、なるほど、シビュラに適正を見出された
異例の未成年監視官という経歴を肯定するに値します。
もちろん、彼女自身、それなりに偏った面もありますが、クセが強いのと
職務は別の話でしょう。
「今回は、私の事件ってことでいいですよね、センパイ」なんてセリフを
意地悪く解釈する人もあるでしょうが、周りの人々の助けも借りつつも、
全体的には、小気味よい成長譚が楽しめます。
そして、当然ながら常守朱監視官も登場します。
2人監視官、共にシビュラを知る者です。
各々が、シビュラ・システムに『抗う人』と『飲まれた人』とという、
まるで正反対の立場にありますが、この2人が禾生局長の前に並ぶ姿は、
色々な意味で緊張感があります。
執行官は、主に宜野座さんが活躍します。
その行動は、父親譲りの優しさと同時に、狡噛テイストも垣間見えますが、
『ギノ』好きの人には、少し物足りないかも知れません。
また、六合塚さんの、結構、マジな活躍っぷりも見どころです。
常から沈着冷静な彼女ですが、その性格ゆえ、あまりアクロバティックな
活躍の場がありませんでした。そのため、活躍する姿が新鮮に見えます。
全体的に『公安局刑事課一係はこうでなくっちゃ感』があります。
ストーリーは、なるほどPSYCHO-PASSの世界観だと思いつつも、潜在犯に
対する差別意識がストレートに描かれていて興味深いです。
シビュラのお蔭で、『悪い人』が居なくなった世の中。
しかし、そこでも、人の思惑や集団心理は、そんなに変わるものじゃない。
やはり、人間は人間なんだな、ということを考えさせられます。
劇場用の描き下ろし作品ですが、このシリーズ、どの時代を切り取っても
楽しめる作品です。オススメ。