上位の批判的レビュー
5つ星のうち3.030巻は多いが,間を置かずに読まなければ忘れてしまう.
2017年4月13日に日本でレビュー済み
ほかの書評で忙しいため,三国志への書評は期間が空いてしまう.
劉備一行は,武功をたてたが,義勇軍のため,何の勲章もないまま数ヶ月間を野宿で過ごした.
何もせずに過ごした劉備たちもアホだが,その野宿に何も疑問を抱かなかった城内の人たちもアホなのだろう・・・.今の日本とさほど変わらない状況だが・・・(現場であくせく働いているのに,何もしない重役が優遇される).
そして,手落ちのため,劉備の武功をたたえなかったのも仕方ないため,今から与えるとのこと.
第三者が劉備を発見しなければ功績を認められないのは今の日本と変わらない.
数年前のLED開発に貢献した人と同じじゃないか(私はしつこいので,同じ人を取り上げてしまった).
しかも,その功労に見合う(かどうかはさておき)恩賞を受け取った劉備は,今まで付き従ってきた人たちに恩賞を分配せずに,義勇軍を解散した.
その恩賞は,警察署長の地位とのことだが,現代で言えば市長のようなものか!?
その新任市長に,帝の使者が訪問したとき,その劉備を侮辱した.
その侮辱された様を張飛が怒りをあらわにして使者にぶつけた.その理由は,「自分が心からほれこんだ人物が侮辱されるということは・・・自分が侮辱されるより頭にくるもんだぜ」とのこと.
滑稽な感情というか,軽率な言動だろう.
肩書きがなく,平社員にもなれない雑兵が自分の感情で動くと言うことは,周りに迷惑を掛け,権力者をさらにのさばらせるだけでおわる.要は,デメリットしかない.
そのため,劉備は冤罪を被ることになり,逃げ出すことになった.
第三者から判断すれば冤罪だが,社会の流儀を乱した劉備に落ち度があると言える.その流儀とは,使者に賄賂を贈らなかったこと.ほんの少しだけ,その国のやり方に従えば,肩書きを失わずに済んだのに・・・.
折角手に入れた市長の座を明け渡し,指名手配犯にされることになった.
それらは,今から数千年前の話だが,あまり今と変わっていないように思う.
例えば,築地案件として働いていたときリーダから「契約金を必要以上に出しているのだからもっと頑張ってくれ」と言われたことがある.
しかし,そんな話し始めて聞いたため,いつも通りの給料しかもらっていないことを告げたら,担当の営業者や上位会社から怒られてしまった.
営業ではない人間が金の話をするなと・・・私は聞かれたから応えただけなのに・・・.
頑張ろうが頑張るまいが,金を持っている人間が正義で有り,権力を持っている人間が正義になる.
それに従わない人間は反逆者としてクビになるだけのこと.
そして,今はニートだ.
劉備も同じようにニートになった.
張飛が仕えていた劉大人のもとに今回逃げ出したからだ(前巻で出てきた).その屋敷に,数十人の放浪者が滞在していたため,そこに紛れ込む形になった.
その劉備は,逃げ出した先で前巻に出会った女性と今回恋に落ちた.それからずるずる月日が流れた.
帝の使者(?)がその屋敷を視察するとのことで,劉備一行はまたまた逃げ出すことにした.
その一方で,宮殿にいる帝は,十常侍に人形扱いされて過ごしている.
その十常侍は,帝のために,女を用意した.その女は豚殺しの妹だった.
そして,その豚殺しは,妹を帝に差し出したことで,大将軍に昇進した.
その妹は,帝との間に子供をもうけ,弁と名付けた.
また,(帝は)本来の妻との間に子供をもうけ,協と名付けた.
協の母親は,豚殺しの妹に殺されてしまった.いわば,嫉妬だ.妬みでもある.なぜか,その子供は殺す対象にはならなかったようだ.(そんな都合の良いことがあろうか?)
当の帝は,十常侍に操られ,そして老衰後に,死んだ.
また,豚殺しの大将軍は,十常侍を殺すべく,方々から各将・各大臣を集めた.
いざ,十常侍殺しを始めたところ,急に怖じ気づき,撤退した.
それから幾日かして,外部から英雄を呼び寄せる手段に,宮廷内の混乱を伝えた.
十常侍の発端である混乱を外部に知らせず,始末すれば収まるのに,外部に知らせて,さらに混乱を招こうとする.
実に滑稽に見える.
アレア品川2階から入館する場合手続きが必要だが,1階からであれば,手続きせずに共連れ入館できる.しかし,それをしないことを求人情報の一部に同意したため,働けると思った.
しかし,クビになった.
頑張って働くはずが,なぜかクビになる.
劉備より待遇は良いと思っているが・・・.
TOC有明ビルの19階で,無断入退室のために,共連れ入館をしていた頃に比べてましかもしれない・・・.
頑張っても頑張っても勤務表から勝手に勤務時間を減らされるのだからたまったものではなかった.
そんなことをしたら百姓一揆をしたくなる気持ちが分かってしまい,黄巾賊に肩入れしたくなる.
しかし,そうは問屋が卸さない.
「仕事だから」と言われて無理矢理納得させられるからだ.
すべては作業指示に従っているだけなのに・・・.
さらなる混乱に乗じた一人が董卓だ.
この漫画では,なぜか痩せている.三国志の漫画では珍しい体型だと思う.
その豚殺しは,十常侍を殺すために参内したはずなのに,なぜか殺される.
その配下は,無断入室どころか,扉を壊し,入城した.
色々あって,帝の子供たちは逃げ出した.
当然のように連れ戻されるのだが,如何せん.
董卓に連れ戻されたため,今までの帝のように人形として操られる存在にされてしまう(少しだけ時間軸がずれているか).
正確に言えば,帝の位に就く子供を殺し,本来の子供を帝に仕立てることになった.
そのときに,董卓は呂布を丁原から引き離し,引き込んだ.
最後は,曹操が陳宮を従えている場面で終わった.
しかし,陳宮は,曹操が匿ってくれた家人を皆殺しにしたことで,見限って別れたように思ったのだが・・・そうではなかった.
曹操の子供時代を説明している.
癲癇が仮病の別名だというのも分かった.
漫画の最後に「永遠のベストセラー『三国志』」立間祥介(中国文学翻訳家)が「三国志」とは何かを説明してくれている.
三国志の成り立ちから説明してくれているため,これだけでも読む価値はある.
今回は三国志についての書評だが,ゆくゆくは四大奇書に手を出そうと思う.
・三国志演義
・水滸伝
・西遊記
・金瓶梅
前回の三国志1巻のレビューからだいぶ経過した.
いま平成29年だが,前回は28年だった.どれほどの期間を空ければ良いのやら・・・.何より2巻の第1刷は,1997年に発行されている.今から20年前・・・それに比べれば,ちょっとした間でしかない.
1巻は,黄巾賊の登場から話が始まっていた.
2巻以降に劉備の母親が出てこないようなレビューを1巻でしたが,実際は今巻でも出ている.
しかも,母親の元に返ってきたのに,追い返される形になっているため,滑稽な芝居に見えてしまう.明らかに著者は劉備をお膳立てしているように・・・.
逆に言えば,母親が劉備に帰ってくるなと叱咤激励をしたのだから,次巻以降出てこないのは当たり前だろう(出たら笑って許して.今回のように).
※最初は子供向けに書かれた漫画であるためわかりやすさ(日本人向けにアレンジを加えた表現)を基本にしている.そして書き始め当初は資料も入手しづらかったため防備や服装などが時代に合っていないところもある.それを差し置いても内容をざっくり把握するのは十分だと思う.
具体的には,前巻と今巻に出てきたフヨウヒメ姫の存在がある.
次は,3巻をお楽しみください.
以上です.