上位の批判的レビュー
5つ星のうち3.0初老小肥りのブッダ(ToT)
2006年3月17日に日本でレビュー済み
この漫画、何年も前に文庫版の第1巻から読み始め、3巻か4巻くらいでストーリー展開の緩慢さに嫌気がさして、中断したままであった。 最近、ある仏教トークの会で話題になったのをきっかけに、図書館でこのハードカバー版を借りて続きを読み始め、ようやく第7巻まで読み終わった。
前の巻までの、若くて精悍なブッダとはうって変わって、この巻でのブッダは小太りで初老の教団教祖。代わりに弟子のアナンダが悩める求道者として前面にフィーチャーされている。
ブッダは説法で次々に弟子を増やして行くが、肝心の説法の内容がどうも表層的であまり感動しない。「神」や「前世」などという言葉を彼がしばしば使用することも、釈迦仏教の常識からして違和感を感じた。
あまり忠実な釈迦の伝記漫画ではなく、歴史上の人物をモデルにした手塚流ヒーロー漫画として楽しむべきでしょう。