カスタマーレビュー

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2020年10月10日に日本でレビュー済み
前巻では藤原基経、伴善男が絡んできて、道真は治世することの意味を考える。今巻の表紙では道真が梅の木に登っていてどこかの貴族の館へ出向いたのか。さてさて、貴族の政略の世界へまっしぐらかと思いきや、ゴロツキの因縁をかわしたり、赤子の貰い手を探したり、山中で難を逃れたりと、謎解きちょっぴり策略沢山の「クライムサスペンス」の本道に戻りました。切羽詰まったところを切り抜ける策には小粒なものもありますが、二番煎じのようなものはなく、実に面白い。道真の性格にぴったり合った道真らしい発想で納得させられます。彼が文章生の間、もうしばらくはこの軽妙な世界を楽しませていただきたい。
絵を楽しませてもらえるのもこの作品の良いところです。俯瞰、仰視と、視線を上下させることでリズムがある。むさい男、おっとりした子ども、企む女、赤子、それぞれの個性が滲む表情が豊かです。屋敷の描写など大変でしょうね。
番外編は業平中心でコミカルな重陽のお話でした。
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