カスタマーレビュー

2014年5月13日に日本でレビュー済み
言いたいことはひとつ。一体どこに向かっているのか?

巻を重ねる事に「理想のヒモ生活」というタイトルから離れつつあり、その疑問が大きくなる。

1巻、2巻あたりまでは比較的夫婦生活をクローズアップした話となっており、タイトルに沿った展開だったと言えよう。
しかし巻が進むにつれてアウラの存在が薄くなっていき、話の大半が、善治郎の心情と、それに対する心情の説明、異世界の文化風習などの描写に割かれるようになってきている。

タイトルと多少ズレた展開は別に構わない。嫁以上に魅力的な人物が登場し、その人物との掛け合いを愉しめるのならば。
ただ、読んでて違和感を感じたのが、上記の通り説明と心情が増えすぎている事だ。
勿論、現在の善治郎の立ち位置が最初と異なっており、他国や臣下との折衝を担う展開になってきているから、その苦脳を描くために必要な要素だとは承知している。

だが、登場人物とのやりとりも親密なものではなく、威厳の維持と自国の利益を最大化するための、リアルさを追求した駆け引きが大半となっている事が相まって、殺伐とした話ではないにしても、決して軽いノリの話ではないため、面白味があるかどうかと問われれば答えはノーとなってしまっている。

かといって、「ラノべ」にありがちなチャラい会話で行数を稼ぐ書き方を期待しているわけでもなく、なんとも難しい展開になっていないだろうかというのが私の感想だ。

嫁とのスキンシップ以上に気になるのが善治郎の立ち回りである。
異世界で右手が疼くわけではない、単なる一般人が大量に現代の物を買い込んで異世界に赴く。
そこで連想するのがドラエモン的な展開であろう。
最初は色々な秘密道具を出して技術伝播を行なっていたが、最近はそれが全くない。
当然本文でも書かれているように、一朝一夕で技術が出来上がるものではなく、技術の上に技術が重ねられて行くものだから難しいことはわかるが打ち止めが早すぎる気がした。
徐々に中世色に染まって行く善治郎に異世界さを感じることもなく、読んでいて爽快さのない会話、どこに向かっているんだろうか。

思うに初期の展開である、後宮引きこもりだが知識力で嫁を支援して尊敬され対等な関係という話にするつもりが、技術にこだわりすぎたが故に展開が難しくなり、善治郎を表に出す展開にしたと推測する。
まずは工芸品でも音楽でもいろいろあると思うし、インターネットが繋がると本文中にフラグを立てたんだから、早々にネット開通させて違う展開にもって行って欲しい。

ちなみに5巻は4巻とほぼ同じ展開で、盛り場がわからず楽しくないです。
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