カスタマーレビュー

2021年2月18日に日本でレビュー済み
プロローグでは、神官長の境遇が少し解って苦労性な感じが・・・
カルステッドは「the 男」という感じで頼りになりそうだ。マインの養父にはピッタリだと思った。

着々と金策と孤児達の為に新商品を考えて実現していく所はワクワクして面白い。
養女の件では、マインの優先順位が「家族」になった時点での現実に複雑感がよく表れていると思う。
けれど、早く決意をしなければ、大事な「家族」が巻き込まれる可能性があるんだよ~って、言いたくもなった。
そして、親達の反応もマインと一緒で、ああ親子だなぁ。と納得した。こういった心理描写は本当に上手。

今回の巻で、一巻の頃のマインの言動は、自暴自棄もあったのだと益々理解を深める事ができた。
死にそうになった時に、人間は「火事場の馬鹿力」を出す事があるが、マインの場合は「火事場の馬鹿知識後の知恵」だったんだな、と。
一旦経路が出来ると、発現しやすくなるが、後の「火事場の馬鹿知恵」を期待したい(笑)

ジル様初登場。マインとよく似ていると思ったのは私だけだろうか?ここでも苦労性な感じの神官長、ご愁傷様です。リバーシで負けた時の神官長とマインのやり取りは特に面白かった!こういう掛け合いをもっと見てみたい。

一巻のレビューには、マインの傲慢さや我儘が駄目だとの意見が多くあったけれど、「混乱」と「自暴自棄」「虚弱」を考えればすんなりと許容できる範囲のもの。今回の巻で、無意識ではあるけれど、以前の「マインの意識」と、「火事場の知恵」を得た後のマインが同化していく感じがよく表れていたと思う。
前世ものは近年では物凄く多くなったけれど、「パターン」が似ているものが多い中で、この作品は、どちらかというと、昔読んだ前世ものに近い。色々な種類があるので、「中身アラサー女」という表現は些か読解力に欠ける。

この親達は子供の為なら身分制度もなんのその命をかける、それでマインも家族の為なら命をかける。になった。
環境は人を形作る一つの要因である。魔術具で記憶を除いて、前母の愛を思い出し自分の生き方を反省した所も「現代社会」にありがちな現象だと思った。「亡くなってから知る親の愛」的なもの。逆パターンだけれど。
こういう、随所に道徳的な説話が出てくる所は、子育て最中と言っておられた作者の、願いというか、こうありたい、こうなってほしい、との気持ちが込められている。ような気がした。
子供は我儘なものである。もし、子供時分に我儘を全然出せない環境で育ったなら、それはなんと不幸なことか。
ストレスを溜めまくってバランスを上手く取れない大人になる可能性が高くなる。
勿論、我儘をし放題にさせておく事は良くない。きちんと叱らなければならない時は叱る。言い聞かせたり、言って解らなければ罰を与える。子育てはこの繰り返しであり、愛情を根底とした忍耐と時間が物凄くかかる一大事業なのである。こういう所も良く書かれていると思った。「言うは易く行うは難し」だが。

マインが異質だからか、次々と現れる登場人物も少し「変人というかオタク」な所がある。そこがまた、一個性を際立たせていてとても面白い。短編二つもとても面白かった!

神殿長とイェニーの暗躍と陰湿さが出てきて、次巻が楽しみであり、心配でもある。
「プライド」が高く、「コンプレックス」が強い人は、自分を高める為の努力よりも他者を陥れる為の努力をする傾向にあるという。悲しい現実です。

本当に面白かったです。ありがとうございました。
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