カスタマーレビュー

2021年7月12日に日本でレビュー済み
妊婦健診を受けないで出産を経験した人たちへの調査を通じて、その実情と背景について論じた本。トイレで出産した人や、路上で出産し、排出された胎盤をもって呆然と立ち尽くしているような事例も出てくる。社会的には避難されて当然だと思うかも知れないが、その生を周囲の人達との関わりや人生の尊重という視点から、丁寧に解きほぐしていく。

「未受診妊産婦にかかわるとは、かかわる人が自らの生を彼女たちの生に出会わせること」
「未受診妊産婦が紡ぎ出す自らの生きられた経験は、唯一無二のものであり、その限りにおいて、他者がその真偽や正否を唱えられるものではない」
「未受診妊産婦にかかわるとは、未受診妊産婦に対して何かをすることではなく、彼女たちと一緒に何かをすることである」

私自身も支援を長年しているが、そのとおりだとしみじみ思いながら読んでいた。多くの人たちは、たまたま一般社会の中で「ふつう」に生きられただけなのだ。その生を是とし、彼らを異質なものとして「してあげる」というスタンスでは、向き合うことはできない。彼らの経験を尊重して、私自身の生の問題としてかかわっていくしかない。

大変丁寧で誠実な本であり、支援に関わる人の多くに読んでいただきたいと思う。
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