カスタマーレビュー

2016年9月6日に日本でレビュー済み
この作品の売りは「刺激」です。
良い人、清純そうな人、信頼のおけそうな気高い人……
だと思っていたら、誰も彼もが裏の顔を持っていた。クズだった。
その裏の顔が暴かれたらクライマックス。最後は血みどろのスプラッタ皆殺し。
これがパターン。

表向きの仮面が剥がれ落ち、裏の顔が出てきた瞬間に壮絶な顔芸が始まるのも見所。
とにかく過激さを追い求めた作品ですね。
ですが、その「過激」な「刺激」があまりに薄っぺらで安っぽいです。低俗。

発想が小学生並の幼稚さなので、結局はジェットコースターに延々と乗り続けるようなものなんですよね。
落差で衝撃性をもたせようとするから、とりあえず持ち上げて落してくる。
すると今度はさらなる刺激を求めて、もっと高く持ち上げて、もっと低く落そうとしてくる。
次はもっともっと高く、もっともっと低く……この繰り返し。刺激を求めつつ、刺激から最もほど遠い単調の罠に嵌る。
とにかく落差でしか演出を作れないセンスとシナリオが、薄っぺらで安っぽい最大の原因です。
基本的な世界設定にリアリティが全くないのもアウト。司法をどうやって操作してるのかとか説得力がなさ過ぎる。まさに小学生。

この手の作品では「どうせコイツも裏があるんでしょ」と読者に開き直ってみられたら終わりではないでしょうか。
「この人だけは信じたい」「ここだけは裏切られない」というどこかで踏みとどまってる部分があってこそ、演出に幅が出てくるんですが……それを理解してないから、緊張感を維持できないんですよね。
「この作者の描写は一切信用できない」という読者・作者間の信頼関係が崩壊すると、作品も壊れちゃう典型ですね。

あと、この手の作品では傍観する側に視点を置いちゃいけないと思います。
追い詰められる側、エサ側に感情移入できる作りにしないと。
どんどん読者が遠ざかり、引いて見るようになって、最後は感情移入をしなくなる。
人の死がショッキングなのは、その人が自分にとってかけがえのない、大切な存在だからこそ。
読者にそう思わせるにはキャラクターを大事にして、感情移入させて、全幅の信頼を置かせること。信頼を勝ち取ること。
このプロセスを序盤の時点から大事にできていないので、この作品は作者が目指す方向性での名作にはなり得ないでしょう。
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商品の詳細

5つ星のうち3.8
星5つ中の3.8
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