カスタマーレビュー

2015年11月9日に日本でレビュー済み
 届いた本の帯を見て「ええーっ」と声を上げてしまった。この巻で完結って・・・
主役が完全に一人とは言い切れない登場人物それぞれの物語のボリュームからすると、10巻あたりで大団円と勝手に思ってたものだから、この一冊でどう収拾して完結させるのか不安になって読み始めた。
 読み終わって若干物足りない。一コマ一コマの完成度や台詞、行間などは素晴らしい。ところが物語のエンディングとしてどうなのかー。
 とにかくもっと続きが読みたかった。
 それでもう一度読み直す。
 するとなんだかこの終わり方がすっと受け入れられた。逆に私は作者にどこまで描いて欲しかったのだろうと自問した。星の子の少年少女達のそれぞれの素敵な将来が約束されるまで、なんて描けるわけはないのだ。
 この作品の素晴らしさを多くのレビュアーの方たちが伝えているので、私はそれ以外の箇所を取り上げたい。
 春男と静が脱走する場面だ。
 安達はじめ施設の大人達は読者からみれば、とても良い大人達だ。よってこの施設が子供達にとって良い場所なのではないかと(親と暮らせないならばという大前提付きだが)思ってしまう。
 なのに春男と静は逃げる。「安達さんの身になってやれよ」と思ってしまう。
 しかしそれが出来ないのが、リアルな子供なのかと思い知らされる。
 その後春男は施設を変る。その別れの場面は描かれていない。安達と春男のなにかしらのやりとりはあったはずだ。
 そこをわざと描かない作者に、改めて何か深みを感じてしまう。余韻の深さがすごい。
 アニメ化や映画化はいらない。
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商品の詳細

5つ星のうち4.8
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66 件のグローバル評価
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