カスタマーレビュー

2017年3月20日に日本でレビュー済み
嫌いな作品にあえてレビューを書くことはないのかもしれませんが、この本を、ビジネスマン又は教養ある人間ならば読んでおくべき本として、他人に勧める(年配の)方がいるので、低評価をつけさせていただきました。
私も10年以上前に読みました。当時この作品はすでに「不動の名作」でした。
心理描写が優れている、苦難の中努力する姿がすばらしい、文章が美しい…それは確かにその通りだと思います。
ただ、あまりにも現代の価値観とは、かけ離れすぎてしまったと思います。
古い作品にも、「半七捕物帳」など、時代による価値観の移り変わりを気にしないで読めるものもたくさんあります。
しかし山岡荘八の「徳川家康」を、私はもう読めません。
まず、歴史ものであることを差し引いても、ドン引きのジェンダー観です。女性は男性から値踏みされるために生きているんじゃないし、
性描写のための道具でもないよ、と思います。
当時この作品がウケたのは、人々(=男性かつ終身雇用の会社員)が、「今は平社員でもそのうち我慢していれば…」という思いを、人質の下積みが長かった家康が頑張ってサクセスするストーリーに投影することができたからだと思われます。
男女の別なく働き、非正規雇用にあえぎ、教養を身につけるという行為が一部の階層だけがするぜいたくになっているいっぽう、SNS等を通じて性別、職業、国籍を問わずつながり、それがリアルの社会までにも影響を与えていく、そんな社会では、この作品の価値観は、もう古すぎるのです。
昔読んでいて、好きだったので手元に置いておきたいという方は、印刷が汚いとか、そういうわけではないので、ご購入されればよろしいかと思います。
まだ読んだことがなくて、新たに読んでみよう、という方は、やめておいたほうがいいと思います。
家康モノなら、松本清張の徳川家康(講談社火の鳥文庫)か、隆慶一郎の影武者徳川家康のほうが面白いです。
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5つ星のうち4.3
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