カスタマーレビュー

2021年5月22日に日本でレビュー済み
失踪した知人の足取りを追うサム/ファルコンと、今は
米国政府の特殊工作員として働くバッキー/ウィンター
ソルジャーは偶然とある対テロ秘密組織に辿り着く。
そして二人をも手玉に取る才能に溢れた青年”ナチュラル”
との出会いを切欠に、彼らは現在空席のヒドラ総統の
座を巡る内輪揉めへと巻き込まれていくこととなるが…

かつてはスティーブ不在の穴を埋めるようにして
それぞれキャプテン・アメリカの名を継承したこと
でも知られる二人のヒーロー、ファルコンとウィンター
ソルジャーのチームアップを描いた冒険活劇の本作品。
近年サブスクの充実と共に実は私個人はディズニー+の
ドラマシリーズを全く追えていないのですが、同名の
実写作品は鑑賞していない視点からのレビューという
ことで参考にしていただければと思います。

さておき、本作はドラマを意識してかしないでか、
次々と現れる新キャラとの複雑な人間関係や様々な
伏線を張り巡らせつつも、テンポと爽快感を重視した
作りになっていて、映画の『ザ・レイド』シリーズや
時には『スノーピアサー』も意識したような、サムと
バッキーが肉弾戦を演じるアクションシーンは
躍動感に溢れ、本書の見どころの一つとなっています。

その最中で期待の新人・ナチュラルと丁々発止の
やりとりを展開させていくことにもなるわけですが、
驚くほどの才能に溢れながらも画期的なまでに
頭カラッポな彼(ナチュラルってそういう…)が
嘯く「キャプテン・アメリカになりたい」という
言葉が本作における一つのキーワード、そして
テーマになっていることは間違いないでしょう。

スティーブに代わりその重責を担ったことのある
サムとバッキーは、だからこそそれが如何に困難な
ことかを心から理解しているし、最早”キャプテン・
アメリカ”を概念のようなものと定義し、スティーブ
自身がそうだったように、二人も未だに各々が心に
秘めた理想のヒーロー像へ少しずつ近づこうと努力
していること、その道半ばにいることを懇切丁寧に
描写していく様はまさにアメコミの醍醐味であり、
深い感慨と共に熱くさせられること請け合い!
あくまで不殺を貫く”光”のファルコンに対し、古来
汚れ仕事専門のバッキー/ウィンターソルジャーが
アンチヒーローとして”闇”の色を少しずつ強めて
いくコントラストでキャラを描き分けているのも○。

オールドスクールなヒーローに対し、新世代の
ヴィランは誇大妄想やイデオロギーを掲げる
わけでもなくスナック感覚で人を殺した挙げ句
なんとなく世界征服に乗り出していく姿勢が
近代的らしいっちゃらしく、その得体の知れなさに
薄ら寒さと薄っぺらさのどちらを覚えるかは
人それぞれかと思いますが、その底抜けに
楽天的で明るい性質は未来に対する奇妙な希望の
光明も見いだせるようで、個人的には好み。

「ヒーローとしてどれだけ正しくあることが
できるか」そして「人生の先輩として若者を
より良い道へ導くことができるか」という
バッキーが背負ったテーマにおいては先の邦訳
『ウィンターソルジャー:セカンド・チャンス』
にも相通じるものがあり、雰囲気の違いを楽しむ
意味でも是非合わせて読んでいただきたいところ。
”バッキーになり損ねた少年”RJと”キャプテン・
アメリカに憧れた青年”ナチュラル、それぞれ
いいキャラしてるし立ち位置的にも今後もっと
掘り下げてくれないかな~なんて妄想も捗ります。

MCUの内容と読み比べる、先の展開を予想する
という点で手に取ることができると思いますし、
コミックにおいては「どうして今に至ったのか」
という点で大長編の名作『シークレット・
エンパイア』を手に取る切欠にも成りうるわけで、
バッキー&翼ファンなら何はともあれご一読を!
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商品の詳細

5つ星のうち4.8
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14 件のグローバル評価
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