カスタマーレビュー

2020年9月7日に日本でレビュー済み
2巻はお金を払って読みました。まあ、165円ですが…。この漫画は食文化が著しく劣る異世界にやってきた日本の料理人・サブローがわりと普通の料理を拵えて、異世界の人たちがな…なんだこの美味さは…みたいに驚くという話です。文化的にそれなりに成熟している人たちが何故”食”にだけはろくに頓着しないのかは”理由”は全くわかりませんが、”でなければ主人公の料理が無双できないから”という作家側の”都合”から考えれば即腑に落ちます。それは現実のふつうで相手を見下す無自覚マウントという差別意識に依るものなのですが、とりあえず置いておきましょう。

2巻を読みつつ思ったのは、ネーミングがもうちょっとなんとかならんかったのか、ということです。
馬=ウーマ
羊=メーメー
男爵いも=ダンシャック
葡萄=グレープル
葱=ネーギー
トマト=トメトン
…これってさ、名前が違うだけで全部現実と同じ食材なんだよね…というかこの世界、”塩”が普通にあるんだね…だったら普通に美味しいメシ作れるんじゃ…肉に塩振って焼くだけでいいじゃん…。で、”パン”とか”チーズ”とか加工したものは現実と同じ名前で呼ぶもんで…。まあ、そこも置いておきましょう。

そんな世界でサブローが”おいしい”料理を拵えて諸問題を解決していきます。犬のような種族の名前がワンワン族…この漫画って小学生低学年向けなのかな?というのは兎も角、「命の水」が作れない、という問題も無事解決し、老齢で柔らかいものしか食べれない種族の長の為に料理を作るサブロー。1巻の無自覚見下しからようやく他人を慮る料理人へと立ち位置を変えつつあります。元から見下してねえだろと思う人も居るでしょうが”無自覚”なのがキモなのです。その後、新しい登場人物から、現実への帰還の手がかりを手に入れられそうだ…という話になってきます。

3巻を読んでも次第にマウントが取れなくなっていきますがこれは当り前の話でサブローが作るのは誰でも簡単に作れるような飯ばっかなので、飯以外の文化がそれなりに成熟している異世界なら模倣も簡単に決まってるからです。漫画の2巻までしか読んでませんが某居酒屋だって便乗した店がすぐに出てくるはずなのです。最初から賞味期限の短いマウントだったと言えるでしょう。じゃあ難しい料理を作れば良いのかと言えばそれは出来ません。何故なら読んでる人が作れないから笑。あくまでも「ふつうでマウント取る」のがミソ。

読んで思ったのはやっぱり異世界独自の食材があったほうがいいよね。肉とか塩とか乳とか野菜があるなら普通に美味しい料理作れるでしょって。だから美味しい料理を思いつけない現地人が頭が悪いだけにしかみえないんですね。先に述べた”無自覚”というのはこれの為だね。異世界にはそこにしかない食材しかなく、現地人の知恵ではどうやってもマズくしかならない、それを主人公の料理人の技術や知恵で美味しい料理にもっていく、という。それだと問題なかったと思う。
あるいは、異世界の現地人は味覚が現実と異なる、そこで主人公が現実から逸脱した創意工夫で現地人の味覚にあった料理を作る、という展開。これなら異世界の文化へのリスペクトになりますわな。

ただ、上に述べたように、この漫画は小学生向けと捉えるべき内容なので、子どもがこのような細かいニュアンスを読み取れるとは思わないから細かい事気にせずに楽しめばいいじゃん漫画は娯楽だし、という事になると思います。

それと、この漫画は本当に画力が高い。作画、構成など何処をとっても申し分なく、本作のエンタメとしての品質を高めているのはこの作画に依る部分が大きいと思われます。間違いなく異世界もののなかでナンバーワンの画力だし、少年漫画全体でも相当上位のほうにいるでしょう。
異世界漫画はバトルシーンがアレなものが多いですが、巻末のエルフ対モヒカンタイガーのオマケ漫画などはオマケとは思えないほどバトルシーンが良く出来ていて、料理漫画だけでなくバトルも本編に組み込んでいけば良いのでは、と思いました。主人公は料理が達者なだけで異世界にありがちなチートでもないので、食材ゲット等、問題解決の過程で入るバトルでは他のキャラが活躍するとか。そうすれば主人公凄い!してるだけのサブキャラたちももっと魅力が出るんじゃないかな。児童向け作品のつもりでないなら、シナリオライターは作画担当者の実力に応られえるようにもっと頑張ってほしいかな。
それが出来ないなら作画担当者にはワンピやフェアリーテイルみたいな王道ファンタジー描かせたほうがいいですよ。勿体ないですよこの画力でこんなの描いてるの。作画担当者も異世界から現実に帰るようにあるべき場所に戻りたくないですか?余計なお世話だけど!
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