カスタマーレビュー

2012年8月22日に日本でレビュー済み
本書で言う 「Simple」 とは,我々一般的な認識とは少し異なるかもしれません.「Simple」とは概念であって,必ずしも個々の製品を指しているわけではなく,アップルの製品がそれだと言っているわけでもありません.その概念を製品化した形が iPhone でもあり,iPad, iPod でもあると考えるべきだと思います.

この 「Simlpe」 はアイディアにも製品にも,インスピレーションやプロセスにもなり得ると言うことで,この概念こそがアップルの様々な成功の基盤となっている訳です.また,「Simple」を実践することは当たり前の事を当たり前としてやることでもあるのですが,これがなかなかできないのが事実,結果として顧客の視点を組み入れることが出来ないが故に失敗したビジネス,製品,戦略は数えきれません.つまり,それほどまでに我々社会全般が複雑であることに一般的になっていると言うことでしょう.実に興味深い指摘だと思いました.

筆者はスティーブ・ジョブスがシンプルさのモニュメントに気づいたことに対して最大の賞賛を与えています.製品(凄いには間違いありませんが)はその一つの形に過ぎません.

 アップルは作れると言うだけの新製品を作る誘惑には強く抵抗する.

 顧客は選択肢を求め,それがあることを評価するが,多すぎると逆効果.

 複雑になることは簡単だ.シンプルになるのはかなり骨の折れる作業だ.
  シンプルさには擁護者が必要なのだ.

 シンプルさを求めるこの世界において,商品名は善し悪しがもっとも現れるところだ.
  → 「i 」の命名 iMac は当初 MacMan だった.

本書を読むにあたって,スティーブ・ジョブス(I)(II) (Walter Isaacson 著 / 講談社)と併せて読むことをお勧めします.アップルとスティーブ・ジョブスの事が多面的な視点から良く理解できます.書き手の視点が伝記であるWalter Isaacsonの書き方(物語調)と,アップルとスティーブ・ジョブスを事例とした事例研究的なKen Segallの書き方では,同じ事を見ていても感じ方(考察の仕方)が違うような印象です.読み物としてはどちらも非常に興味深いのですが,ビジネス的には本書の方が参考になる点が多いように感じました.

  いずれにせよ,必読の1冊だと思いました!
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