カスタマーレビュー

2016年4月19日に日本でレビュー済み
これは「電子部品」という特定の業界を切り口にした正統な戦略指南書である。だから対象読者は電子部品に興味がある人に限らない。乱暴に言えば、「戦略」に興味がるビジネスマンなら誰が読んでも示唆を得られるのではないか。「戦略」の定義を「戦う場所を決めること」とするならば、同書はまさに日本企業の戦う場所、勝ちやすい場所の「絞りと集中」について説かれた書だと言える。それが平易な語り口によって書かれており、大変読みやすい。全体を通しての抜群の読みやすさに加え、紹介事例の圧倒的な「数」と、豊富なファクト、著者が自分の足で得た取材に裏打ちされた分析、その分析視点の多様さ・柔軟さ。これはそのままMBAの教科書になって良いんじゃないか、難しい理論を深堀りするよりこういう「生の現場で活きる知恵」こそが本当の「戦略」なのではいか、いやMBAだけじゃなくててビジネスマンこそが目指すべきところではないか。特に嬉しかったのがマブチモーターの「復活」のパート。本書でも言及がある「ストーリーとしての競争戦略(楠木建)」で絶賛されている同社だが、丁度同書が発刊された頃(2010年)には低迷期にあり、歯切れの悪い記述と思った。詳細は本書をあたって欲しいが、まさに「ストーリー***」の後日談として読んでも面白い。こういうビビッドな著作が出るのは嬉しい。
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