カスタマーレビュー

2008年5月3日に日本でレビュー済み
 本書によれば、「アジャイル」という名前が付けられた開発手法は、2001年2月に発表された「アジャイルマニフェスト」に端を発している。よりよいソフトウェア開発方法を解明しようとして議論した結果、次のような価値観が根底に据えられたのである。
 - プロセスやツールよりも、人と人との交流を(重視する)
 - 包括的なドキュメントよりも、動作するソフトウェアを(重視する)
 - 契約上の交渉よりも、顧客との協調を(重視する)
 - 計画に従うことよりも、変化に対応することを(重視する)

 この「アジャイルマニフェスト」を実現するための具体的手法を、本書は9つの章立てで述べている。
 それぞれ章はいくつかの節に分かれているが、その節の構成がおもしろい。
 まず最初に「悪魔のささやき」が登場し、アジャイルでない方向へ読者を誘い込もうとする。悪魔に負けない解説文を駆使してアジャイルの方向に読者を向けたあと、正反対の結論をこんどは「天使」が高らかに宣言するというベタな展開。秀逸なのがその後の「こんな気分」というセクションで、2〜3行でアジャイルな考え方を的確にまとめてくれる。最後に必ず「バランスが肝心」というセクションで行き過ぎにブレーキをかけているのが、いかにも「アジャイル」だ。

 ドキッとさせられたり、感心したりする指摘が多かった中で、特に身につまされたのが、第6章の次の一節。

 呼び出す側が、呼び出されるオブジェクトの状態に基づいて判断して、呼び出される側のオブジェクトの状態を変更すべきではない。(中略)オブジェクトの外側での判断や状態変更を許してしまうと、オブジェクトのカプセル化を破ることになる。これはバグの温床になりかねない。

 今担当しているプログラムがしっちゃかめっちゃかになってきたのは、そういうことだったのか!! なあ〜るほど。
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