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2012年2月6日に日本でレビュー済み
 このタイミングで昔話に入りたいという気持ちはわかるし、入るタイミングではあります。また、当時歌舞伎座のような大きな小屋で独演会をやることが非常にチャレンジングな試みだったこともわかります。

 でもね、歌舞伎座(時期からいって、先年取り壊されたあれ)のような大きな舞台の場合、落語家はマイクを使うんです。役者じゃないので、あのサイズの範囲まで聞こえるように声をはる人はいない。その場合、袖のいびきなんかは客席に聞こえません。
 それ以上に、落語が好きでちゃんと聞いていたなら、圓朝作の「鰍沢」のような緊張感のある噺がかかっている時に、寝られるものじゃありません。あの噺が一番、いびきが入るとまずいとはわかります。が、寝ることにも、いびきが聞こえることにも無理がある。
 もっと寝ちゃうことに説得力のある理由(大舞台前に準備に念を入れすぎて疲労困憊)とか、いびきが聞こえそうな小屋を選ばなくちゃ。

 こういうまずいことになったのは、視点人物与太郎のキャラクターがはっきり定まっていないことが原因です。
 彼は落語が好きなのか、ただほかに職がないから居座るのか。誰を目指すのか、尊敬するのか。真面目なのか、不真面目なのか。神経質なのか、おおまかなのか。そういった部分が、ご都合主義にぐらぐら揺れているせいです。
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