カスタマーレビュー

2014年12月29日に日本でレビュー済み
全巻の内容を簡単に要約すると、ある日突然、小学生が学校ごと砂漠化した未来の世界に飛ばされ、
学校内にある限られた資源を使って、小学生が知恵を出し合いながら懸命に生き抜こうとする話です。
この漫画の凄い所は、現代社会の仕組みや、過去に起きた実例を小学生を使って表現できており、危機的状況の大半を小学校で習う学問のみで解決していく所です。
現代社会の仕組みや過去に起きた実例を元に描かれているシーンの一部を紹介します。

・限られた食料を一部の人が武力で占拠し、食料を巡って殺し合いが起きる。
・食料が尽きた終盤では、人間(小学生徒)を食べるために殺し合いが起きる。
→これは、太平洋戦争(大東亜戦争)中期以降のニューギニア戦線において、戦後ニューギニアに取り残された兵隊の実話を元に作られています。

混乱している小学生を統制するために、小学校内で権力者を決める選挙が行われ、武力で脅して物事を決めようとする独裁主義者と、皆で協力して生きていこうとする社会主義者が対立し、独裁主義者は自身が有利になるよう選挙中に社会主義者の悪いデマを広め、それに子供達が騙されるシーンがあります。
→これは、大衆を統制するためには権力者が必要である事、政治思想の独裁主義と社会民主主義の違い、デマを広めるシーンは、現代社会で行われている政治的なプロパガンダに騙されている大衆を表現しているのだと思います。

低学年の子供達が迷信を信じて屋上から飛び降り自殺をする
→これは、宗教の迷信を信じ、来世を信じて自殺を遂げている人達を表現しているのだと思います。

水を確保するために、雨乞いの生贄(小学生徒)を捧げる
→これは過去に人類が行っていた事で、無知な人間は不安な状況に追い込まれると、迷信を信じて人の命をも簡単に奪う事を表現しているのだと思います。

一部の大人が武力で子供を洗脳し、洗脳した子供を使って戦わせるシーン
→これは、無知な人間を恐怖で洗脳し、兵隊にして利用している人間社会を表現しているのだと思います。

つい先程まで仲間だった人達が、一瞬にして殺しの対象となる人間心理を上手く表現しています。
この本を読む事で、現代社会の仕組み・極限状況下での人間心理(団結・友情・愛情・裏切り・洗脳など)・読み手の興味を惹くストーリーの構成を学ぶ事ができます。
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