カスタマーレビュー

2014年2月3日に日本でレビュー済み
この作品が以前に発売された、『 ドラマCD α「哀心迷図のバベル」ダイバージェンス0.571046% 』のコミカライズ版である事は、一巻のレビュー等で他の方々が書かれている通りです。
しかし私は改めて、この物語がゲーム本編の後に作られた、最も古く且つ最も重要な物語であった事を主張したい。

「哀心迷図のバベル」は、ゲーム本編クリア後も、謎のまま残されていたいくつもの疑問、その解答編の先駆けともいえる作品でした。
1.2000年にジョン・タイターが現れていないα世界線で、ドクター中鉢はどんな理論をもって、タイムマシン記者会見に臨んだのか。
2.1975年に跳び、IBN5100を入手した後の鈴羽は何をしていたのか。
3.フェイリスの父、秋葉幸高が恩人から預かったというIBN5100は、鈴羽の残したものだったのか。
4.幸高と鈴羽の関係は?
(2〜4は、アニメ版では一部が語られていますが、ゲーム版では不明のままでした)

この物語をもって、本編ではただの悪役だった中鉢が一転して、苦悩と悲哀を背負った愛すべきキャラクターになりました。
愛すべきラボメンたちだけでなく、Steins;Gateという作品に於いては、根っからの悪役など居なかったのだと。
(β世界線の中鉢は、本当にただの悪役かもしれませんがw)

コミカライズ版では、CDドラマ版の物語に様々なシーンが加筆され、より感慨深いものになったものと思われます。
2巻〜3巻で描かれた、両親を介しての紅莉栖と留未穂の出会いと交流。
劇場版を経て、3巻内で描かれた、未来への希望。
また、この3巻のハイライトは、幸高の葬儀の場における章一の嘆きと誓いのシーンでありましょう。
紅莉栖の物語のはずなのに、章一がばんばん読者を魅了してくるのは、これで本当にいいんだろうか?とさえ思ってしまいますw
ゲーム版やテレビ版のみの視聴で、本作を未読の方は勿論の事、ドラマCD版を聴いた事のある方にも、これまでの様々な物語を経て、より素晴らしい物語へと改められたこのコミカライズ版を是非読んで頂きたい。

ドラマCD版では、岡部がエンターキーを押し、紅莉栖が駆け付けたところで終わっていますが、コミカライズ版では、主人公を岡部に切り替えて、物語がβ世界線に続きます。
3巻の後半から4巻にかけては、「哀心迷図のバベル」ではなく、いわゆる本編の最終章にあたるわけですが、ここまで盛り上げて頂いたのですから、この最終章もただ単にコミカライズしただけに終わらない、バベルなりの+αを期待したいものですね。

最後に、シュタゲ作品の中で、何を読むべきか?という方で、ファンディスク的な番外世界線ではなく、物語の主軸となった、α世界線、β世界線の物語を読みたい、という方に対して、個人的には、
「哀心迷図のバベル」の他に、
恩讐のブラウニアンモーション
(ミスターブラウンこと天王寺が主人公。橋田鈴さんとの出会いや、綯の母となる女性との交流を描いている)
閉時曲線のエピグラフ 」( ドラマCD β「無限遠点のアークライト」 とセットだと尚良し)
(β世界線に於いて、紅莉栖を救うのに失敗した後の岡部の物語。絶望の後、如何にして2025年の執念オカリンに辿り着くのかという話。ダルの嫁となる阿万音由季も登場しています)
をお薦めしておきたいところです。

ゲーム作品にはなりますが、「
線形拘束のフェノグラム 」では、(Steins;Gateのメインライターである林直孝氏の脚本ではありませんが)α世界線の補完エピソードもいくつか含まれており、こちらもそれなりに楽しめますね。
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