カスタマーレビュー

2017年8月31日に日本でレビュー済み
43人もの新入部生の加入で一気に大所帯になった北宇治。人が集まれば軋轢が生まれます。それを解消するには、どんな形であれ相手を見定め、評価し、新たな関係性を構築するか、いっそ関わらないかしかありません。新任講師だった滝と部員たち、結子と麗奈、みぞれと希美、そしてあすか先輩と久美子、それこそ立華の梓と芹菜も。今までの「ユーフォニアム」シリーズは吹奏楽部ならではのエピソードを重ねることで、わかりあえなかった人と人が互いを認め、その関係を音楽へと昇華し、恍惚感さえ覚える演奏描写で終結する、ハートウォーミングだけど決して甘くはない人間ドラマでした。

新たに低音パートに入った4人の1年生。ツンツンな悩める美少年、求。無邪気な笑顔をふりまき、実は相手のことがぜんぜんわかっていないさつき。演奏技術の巧拙にのみ拘泥し、他人とうまくやっていけない美玲、そして腹黒策士な奏。おどおどしてるけど、実はコミュ力お化けである久美子ですら手を焼く面々でした。一巻目最後で、もうクライマックスでもいいんでね、というくらい盛り上がりますが、彼らがどんな風に互いを認め合い、新たな自由曲『リズと青い鳥』を演じてくれるのでしょうか。『三日月の舞』のような、強く美しい旋律を望みます。

ただ、大きな問題があります。ネタばれにならないと判断して書きますが、挿入される童話『リズと青い鳥』のストーリーは、単独で見るとどう考えても破綻しています。青髪の少女は自ら寄り添っているだけで、リズが彼女を「拘束」する記述がありません。唐突に「かご」が出てきて、存在もしなかった「鍵」にリズは苦悩します。編集者と校閲者が気づくべき誤りです。後編のメインを張るだろう2人に関わる伏線なだけに、うまいことカバーしてもらいたいものです。
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