カスタマーレビュー

2021年5月17日に日本でレビュー済み
古今吸血鬼と化した人間の死因は、多く自殺であると言う。
元人間の彼らが身も心も不死の化物と成る過程で、何故、永劫の生を捨て自死へ向かうのか。

前半では彼らが死に至る、その思考過程が描かれている。
そうして、過去にやはり自死したキスショットの眷属と(恐らくは)同様の思索と結論に、現在の眷属である主人公も辿り着いてしまう。

一人の少年が人として奈落へ落ちようとする、誇り高くも暗い内容である。

そして後半は、おっぱいである。いやここでは敢えて胸。と表記しよう。
それだけのテーマでもって話は進み、そのまま次巻へと続く。

前半とは一転、生の躍動(比喩表現)が様々な漫画的技法でぽよんぽよんと表現され、絶望に満ち自死へ向かうだけだった主人公に光が射す様は、もはや一編の宗教寓話のようだ。

死から生への急転直下、この前後半のギャップの描き方。

絢爛なる純文学の、かつての煌きにも見劣りしない。

漫画にしかできない、漫画特有の表現力だろう。

一読後、良いものを拝ませてもらいました、と手を合わせたくなる。色々な意味で。

話がほぼ進んでいないのはご愛嬌。
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商品の詳細

5つ星のうち4.6
星5つ中の4.6
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