カスタマーレビュー

2014年7月21日に日本でレビュー済み
子供の頃、虫プロのコミックスで、寺田ヒロオの作品(スポーツマン金太郎?)を読んだ記憶がある。
当時「少年ジャンプ」に現在進行形で連載されていた、ちばあきお「キャプテン」と比べると、いかにも古臭く感じたものだ。
手塚と違って人体デッサンもしっかりしているが、そもそも主人公が非日常的だったし、絵柄や構図が客観的過ぎる。
寺田のエッセンスを継承するのは、同じく「トキワ荘マジメ派」であった藤子F不二雄か。

鈴木伸一氏や我孫子(藤子A)氏による「テラさん」像も感慨深いが、それ以上に寺田ヒロオの妹さんの手記に見られる寺田ヒロオ観と兄の思い出は雄弁であり得るところが大きい。できれば、寺田ヒロオ夫人の書いたものも読みたかった。

元来、子供は新しい刺激やまだ知らぬエロの世界の片鱗に強く引き付けられるものだ。だから、善導しようにも限界がある。
それでも寺田ヒロオは己の美学を貫いた。
「人付き合いが苦手」と語る彼は、本当は作品ではなく、行動で己の美学を表現する「くらやみ五段」のようになりたかったのではないか。

同じ話を梶原一騎ならどう書くか?と仮定して比較すると、押し付けがましくはなく、むしろその作風は淡々としているように思う。
寺田の全盛期は昭和30年代だが、巻末の年表によるとその後昭和40年代まで「スポーツマン金太郎」が学年誌に連載されていたようだ。
子供に受けなくなっても、大人達は寺田の稀有な持ち味を理解していた、ということか。
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