辟易するほど長かったアジアカップがようやく終了。これでようやくETUの話になるのかーと思って久々に買ったけど正直、この漫画自体もういいかなあ、と思ってしまった。「もうすぐ始まるW杯予選」…まさか描く気じゃないよな…。この巻を読んで色々考えるともう期待しても仕方のないような気がしたし、否定的な意見が無いほうが作品にとっても他の読者にとってもいいだろう。というわけでこの巻で離脱しようと思う。最後なので問題点を記してみる。全部、否定意見で必要以上に長いので別に読まなくてもいいです。
1.ジャイキリの読者がサッカーファンとは限らない
言うまでも無いことなのだが、失念しているひとが多い気がするので。スラムダンクの読者が現実のバスケファンとは限らない、名探偵コナンのファンがミステリファンとは限らない。ジャイキリも同様である。サッカーが好きだからジャイキリを読んでいるというひとも当然いるし、そうでないひとも当然居る。自分は後者である。
そんな人間には「代表の背負う責任」が何なのかわからない。「絶対に負けられない戦いがそこにはある」などと言われても、何故絶対負けられないのかよくわからんし、負けたけど特になんかあったっけ?としか思えない。
現実の代表に対してすらこうなので、掘り下げのない本作の代表には一層感情移入出来ない。「花森は持田を待ちながらずっと一人で背負っていたんだ、俺達は花森ひとりに背負わせてしまったんだ」と言われても「何を?」としか言いようがない。
説得力のある「責任」なら本作で幾つか描かれている。ETUを一人で牽引し必要以上の責任を背負っていた村越はその荷を降ろし「代表に返り咲く」と決意する、かつての怠慢なプレースタイルが変化し、低迷期のETUで孤軍奮闘していたジーノに芽生えつつある責任。…夏木が代表に選出されたときの2人の微妙な表情は何を物語るのか。だから代表なんかいいからETUの物語を描いてくれと言っていたのだ。後述するように代表を描いても面白くならないことは最初からわかっていたのだから。当面の目標はETUのリーグ制覇だったでしょ。代表なんてただの寄り道で、たまにちょっと描くくらいでよかったんだよ。ブランのサッカーも別に面白くなかったし。なんか、独特の戦術とかあったっけ?目立ってたのは彼のドヤ顔だけ。
2.現代で代表をエンタメにする難しさ
このようなサッカーファンでない人間に訴求する国を背負う代表のドラマを今の時代に作るのはとても難しいと思う。何時だったか忘れたが、現実の代表の重要な試合の敗戦後インタビューで「次に向けた調整の時間はまだある」と語っていた選手を見た記憶がある。その調整の結果を出すのが今このときじゃないのか。「自分たちのサッカーが出来ない」とか言ってる選手も居た記憶がある。中学生じゃないんだから。
現実の代表がこの調子なので代表の試合を観ようという気が起こらない。90年代の代表には比較的解りやすいドラマがあった。ドーハの悲劇とジョホールバルの歓喜である。前者はJリーグが発足し、サッカーがかつて無いほどの盛り上がりを見ていたなかでのあと一歩で届かなかった悲劇のドラマとして、後者は4年後の雪辱と悲願のドラマ、そしてそこに間に合わなかった者達のドラマとして。この当時連載されていた代表サッカー漫画はこれらとリンクしたストーリーなので読者も感情移入しやすい。
では現代の代表に於けるドラマとはなにがあるのだろうか。「国を背負う責任」…現実の選手からして先に述べたとおりだし、この漫画の代表がどんな歴史を辿ってきたか描かれてないから繰り返しその重さが理解できない。「ハイレベルなサッカー」…戦術論が具体性を欠くのでどこがどうハイレベルなのかよくわからない。「椿の成長」…にしても時間を割きすぎ。それ以外になにがあるのだろう。サッカーファンでないのでよくわからない。海外組もまったく魅力が無かった。何度か書いたけど花森、代表始まる前まで名前も出てこないんだもん。日本サッカー界の中心人物なのに、おかしいでしょ。持田との関係も後付けっぽいし。てか、持田の命を削るようなストイックなプレースタイルが単に「花森の隣に行きたいよ」だとわかってなんかダサくなっちゃったんだよね…。友だちは大事だけどさ、持田に求めてたのはそうじゃないっていうか…。それにW杯予選ならまだしもアジアカップってそんなに重要なものなの?サッカーって今でも欧州や南米のほうが上なんでしょ。アジアでドヤってるブランが井の中の蛙にしか見えない。よって、この巻にて椿がこのような結果を迎えても「別にそんな気にしなくてもよくね?」くらいにしか思えないのだが。椿がSNSでエゴサするシーンがあるが、褒めてる意見もたくさんあったんじゃないのかなあ。マスコミもなんでそんな叩くんだろう。別にいいじゃんたかがアジアカップくらい。
3.代表漫画かくあるべしという例
村枝賢一「俺たちのフィールド」という個人的サッカー漫画ベスト2の一角で説明したい。本作に伊武という選手が登場する。選手の立ち位置としてのモデルはカズ。Jリーグ黎明期の象徴的存在であり、ドーハの悲劇の当事者の一人である。彼はなんとしても98年のフランス大会でW杯に出場しなければならないという強い決意がある。既に2002年の日韓共催が決定しており、ここを逃すと「弱小国の日本は金の力でW杯出場した」という国辱を一生背負う事になる。日本選手の代表者たる彼はそれを避けねばならないという責任と使命がある。ので、W杯予選で骨折しつつもハットトリックを決める姿に読者が胸をうたれる訳である。
この漫画の主人公・高杉は高校卒業後、単身…実際はもうひとり居るが…アルゼンチンに渡って南米のサッカーに触れ、そこで一定の評価を得るが、遠い異国で祖国のサッカー界に想いを馳せるのだった…というのはブラジルに渡ったカズを参照にしていると思われる。
98年W杯予選ではドーハ組と若い世代の分断があり、それを煽る一部ジャーナリスト…こいつの名前だけは一生忘れないと思う…も居たわけで、カズ落選はその結実の感もあったが、俺フィーはドーハ組と若い世代、それぞれにカズを投影させることでその世代間の分断を繋いだ、とも言える。
主人公・高杉の父親はJリーグ発足以前のサッカー選手であり、亡くなった父の遺志を継ぐかたちで彼はサッカーの道を歩んでいるので、最初から間に合わなかった世代の想いを背負った人物であり、だからこそ分断に至らなかったと言える。その父親は子どもをトラックに轢かれるのを守って亡くなるが、その子どもが後の代表のGKになる。遺志は息子だけでなく第三者にも継がれているのだ。
予選にて負傷した伊武はその後、怪我から回復し、万全とは言えない状態であるがW杯のピッチに立つのである。ピッチに立った彼の前にはドーハの悲劇にうなだれる過去の自分の幻影が浮かび、「待たせたな」というとその過去の幻影が救済されて成仏するわけである。W杯にカズは間に合わなかったが、彼を投影させた伊武は間に合ったのである。イヤー、感動しましたよ。漫画が現実を超えたと思った瞬間ですわ。これに比べりゃ本作の代表なんてねえ。
4.現代の代表をエンタメとして成功させた例
では前述のような現実の90年代にあった代表のドラマとリンクできない現代ではどのように描くのか。塀内夏子「コラソン」というのがある。得点力不足に悩む代表に点取り屋の一匹狼FW・戌亥が招集される。彼を呼んだのは新任した外国人の監督。サッカー界のお偉方は代表の窮地に危機感ゼロ、解任された前監督は責任はない、仕事はちゃんとやったとシレッと言い放ち、結果を出していないFWは軽薄なキャラとして描かれ、言うまでも無いが彼らを排除し、監督と戌亥が中心となって代表が息を吹き返すという、いかにもな勧善懲悪である。
そんな代表の中心人物で2人、過去の敗戦をトラウマのように引きずる選手がいる。自分が点を取りさえできれば他はどうでもいい、と考える戌亥に2人がこのトラウマを語って聞かせる。彼からすればどうでもいい話のはずだが、試合を決定づけるPKのときに、このときの話がフラッシュバックして、外れたことのないPKを外れさせる。個としてピッチに立っていたつもりの戌亥に2人のトラウマが伝播していたのである。気付かないうちに、国を背負っていたのだ。自分のような代表に興味のない人間からすればどうでもいい敗戦を長く引きずる選手は、過去から繋がれた代表の歴史を受け継いでいる。代表の歴史とはドーハ組や、それ以前のプロ化前の選手たちの間に合わなかったと想いを受け継ぐのと同じであり、代表のユニフォームに袖を通すのはそれを背負うのと同じに等しく、だからこそ戌亥はPKを外したのであり、そのあとで彼は個人の結果ではなくチームとして勝ちたいと言う。それは強烈な個が集団に取り込まれて弱体化するのでなく、周囲の支えを受けてより強固な個になるという事である。だからそれを背負えない選手やお偉方なんぞはじき出しても構わない、勧善懲悪の構造もそう考えれば納得がいく。これをただの精神論だと言うのは簡単だが、「代表としてのドラマ」を作ることには成功している。本作にはそれがない。この漫画の代表で描いているのは「ただのサッカー」である。だから、いくら長く描いても詰まらないのである。
5.椿
正直、最近の椿はチートが過ぎて魅力を感じない。ある時期までの原石が磨かれて輝いていく描写は素晴らしかったが、今ではこの宝石綺麗でしょ?高価ですよ?これからもっと値打ちがあがりますよ?って言われ続けてるみたい。ETUに話が戻っても椿椿…。もういいよ。と言いたくなる。それより他のETUの選手を掘り下げてくれと。新キャプテンの杉江、名古屋戦で覚醒したはずの湯沢、全然見せ場無いじゃん。椿がチート化した今、彼に劣る赤崎のふてぶてしさもなんだかなあ、って見えちゃうし。ETUが「椿と愉快な仲間たち」になりそう。過去の達海で個人に依存したチームはよくないと描いていたのに作者が椿を贔屓してりゃ世話ない。どうせこのあとはいろんな人から「お前のサッカーにかける想いはその程度だったのか」とかなんとか色々言われて再起して夜にひとりで練習してたらそこに達海が来るんでしょ?過去のレビューでも書いた気がするけど、ジーノが自分に要求も出来ないチームの習性を嘆くべきと言った次の試合で椿がジーノに要求、代表とクラブリーグと全得点に絡む持田はあからさまな負傷フラグ、伏線の張り方が安易だから先の展開読めちゃうんだよね。
6.誰だっけ?
この巻の後半で見慣れないETUの選手たちがたくさん出てくる。誰だっけこの人達。過去に登場したっけ?試合で使ってもらえなかった選手達らしいけど、練習風景に出てきたりしてたっけ。出ていたのかも知れないけど、まったく記憶にない。記憶にないのは彼らが作中で掘り下げられていないから。描写の少ない選手達に「実は裏で人知れず苦悩していました」と言われてもどう反応すればいいのかわからない。せめて作中で、ひとりだけでもいいから、達海の元で成長し、今更のようにサッカーが好きになり、それでもスタメンより伸びしろがなかった選手に作中で重要な役割を与えて掘り下げてくれたらよかったんだけども。代表を描いてる暇があるならそういうことを描いて欲しい。自分はETUのドラマを見たいだけだったんだよ。
7.戦術的な面白さがない
ある時期まではあったサッカーの戦術的な面白さが全然感じられない。最初の方で書いたようにブランのサッカーがどんなもんか全然解らんし、達海も東京ダービーで「モチベーションを上げろ」「石神のトリックスターぶりに期待している」「持田の退場に戸惑っている相手につけ込んだ(笠井談・ただし具体的に何をどうしたかはよく解らん)」…こんな感じで具体性を欠いており完全にアオアシにお株を奪われてしまっている。ETU自体がリーグの上位で固定している今、番狂わせという元々の楽しさはもう出来ないのだが、それに代わるものを用意できたか甚だ疑問。
8.それ以外
原理主義のスカルズ、一旦応援をやめたオッサンたち、子ども等、バラバラだったサポーターがひとつになったら普通の応援団になりました、って感じに見える。これが理想的なサポーター、でもないというか、どこのチームもこんな感じなんじゃない?っていう。マイナスだったのがプラマイゼロになっただけ、というか。様々な立場からひとつのチームを多面的に描くという作品の持ち味もなくなってしまった感じ。監督、フロント、選手、サポーター、マスコミ…それらの間にある問題を解決していったら普通のサッカー漫画になりました、と。この先、鹿島戦以外で盛り上がるところがあるのだろうか。自分にはあるとは思えない。というわけで、先に述べたとおり、長く読んできましたがこの巻までにしようかなと思います。
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アジアカップ準決勝、日本とオーストラリアの一戦は、4対3と日本が一点リードして、最終盤へ。絶好調の椿と窪田の五輪代表コンビだったが、窪田がヒザを負傷し、途中退場。その光景を目の当たりにした椿は動揺を隠せない。一方、相手の主将サリバンは相手の混乱をよそに、勝負どころを見極めるとチームを引き締め直す。花森、夏木ら攻撃陣が前線からボールを追いかけ、越後、江田ら守備陣が身体を張ってオーストラリアの攻撃を阻止するが、互いに死力を尽くしたゲームの行方は・・・。果たして日本は決勝へと駒を進めることが出来るか――。
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2020年9月23日に日本でレビュー済み
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64人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2020年9月25日に日本でレビュー済み
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いつまで椿のメンタルの話してんだよ。。。技術はさもごりっぱなんでしょうけどこんな気弱な奴、仮にどんな世界でどれだけ素晴らしい才能を有していてもどこの世界でもやっていけないだろ。なので感情移入もまるでできない。そもそも楽しんで読めない。それ以外が面白かったから今まで読めてたけど、またこの繰り返しかよ。5巻くらいの名古屋戦の精神からまるで成長してないってこと??いい加減にしろ。さすがにもう嫌になってきたわ。いつも椿のくだりになると急につまらなくなる。なんでこいつだけこんなに作者に愛されてるんだ?ほかの読者さんもそんなに椿が好きなの??漫画だからってなっちゃうとなんでもいえちゃうけど、ここまで気持ちの弱いやつ、とても応援できないよ。。。ほかの選手をほんと応援したくなる。なので、この巻にはがっかりでした。
ベスト100レビュアー
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47巻から延々と続いてきたアジアカップ編が「暗転」で終了。ここでこうやって落とすためにこれだけ引っ張ってきたのかと見ると、無難に勝ち進むよりは説得力があるといえるが、物語の構成として単行本10冊はやはり長いのではないか?そう考えると、本作品はあるシーズンの達海監督と椿選手の「物語」ではなく、彼らに関わる諸々を淡々と眺めるという風情なのかもしれない。そう考えると「関わる諸々」として「天宮杯」徳島戦は「彼らに関わる諸々」と考えるととても理解しやすく、本作品らしさを味わえる。連載開始当初はここまでの「大作」(特に一試合の描写の長さ)になるとは思わなかったが、いつまでも20世紀的な「物語の流儀」に囚われている必要もないわけで、ここまできたら行くところまで行ってもらいたい。
2020年11月23日に日本でレビュー済み
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連休に1巻から一気読みしてしまいました。
サッカーはワールドカップとオリンピックを楽しむくらいですが、別のスポーツでジュニアから応援していた選手が治らない怪我をして早くに引退してしまった悲しい出来事があったので、そんな主人公の達海が監督として地元クラブと共にジャイアントキリングしていく物語に、地元商店街のサポーターのような気持ちで夢中になっていました。
だから地元クラブから世界に羽ばたいた、親戚の子供のように応援している椿君が戦犯呼ばわりされる展開には漫画とはいえ、かなり意気消沈してしまった。達海、持田と繰り返され、今また若い選手の大怪我という悲劇と、その現場に居合わせてしまった友人に残るトラウマ。これは傷跡の残る心の怪我だと思う。椿君と窪田選手、花森選手と持田選手のこれからがどうなっていくのか、早く続きを読ませて欲しい。『大人になってから出来る友達』という希少で大切なものの価値も身につまされる。
地元クラブの面々が優しかった事と、8ヶ月ものリハビリを経て代表で輝くことが出来た夏木の存在が救いでした。
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