山岡荘八は、(徳川家康以外の)男性をチャーミングに書くのが得意ですね。司馬遼太郎より劇画的で、エンターテイメント色が強く、文章に色気があり、変幻自在の表現力のある作家さんです。伊達政宗は長すぎて飽きましたが、こちらは全5巻、終わるのが惜しいちょうど良い長さでした。
それぞれの巻に、信長を盛り立てる副主人公が代わる代わる登場するのも、このシリーズが読む人を飽きさせない理由の一つ。1巻目は斉藤道三と妻の阿濃。こちらは1955年作品。阿濃に「自分の成長が止まれば、ただの扶養家族に堕ちてしまう」と言わせますが、戦国時代の女性らしからぬ革命的な発言。革命児、信長の妻なればこそとは言え、作品発表の1955年当時、相当革命的な発言だったのでは?女性読者を意識した作家さんだったのかな、と思いながら読みました。
2巻は引き続き、阿濃、そして秀吉。秀吉の会話術が軽妙でとにかく面白い。反対に、3巻から登場する明智光秀とは、初対面から不協和音が低く鳴り始める。山岡荘八は、明智光秀謀反の原因に怨恨説を採用。5巻になると、光秀は不安神経症、強迫神経症を患うかのような反応で、常にビクビクした感じがよく書かれています。果たして、そうでしょうか?
一つ、徳川家康、長男信康の切腹は、織田信長による命令ではなく、徳川家の家内権力紛争だと思いますが。少なくとも、山岡荘八の書く織田信長らしからぬ決断だし、読んでいてギクシャクした感じが残りました。
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織田信長(1) 無門三略の巻(山岡荘八歴史文庫 10) 文庫 – 1987/9/8
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吉法師(信長)は、奔放奇抜な振るまいで家中のひんしゅくを買う”うつけ者”。だが、燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らん。手始めは尾張織田の統一だ。美濃の梟雄斎藤道三から娘の濃姫を娶った信長は、アンチ信長派の旗印となっている弟の殺害を決意した。戦国の世に彗星のごとく出現した驕児の若き日々。
吉法師(信長)は、奔放奇抜な振るまいで家中のひんしゅくを買う”うつけ者”だが、燕雀(えんじゃく)いずくんぞ鴻鵠(こうこく)の志を知らん。手始めは尾張織田の統一だ。美濃の梟雄(きょうゆう)斎藤道三から娘の濃姫を娶った信長は、アンチ信長派の旗印となっている弟の殺害を決意した。戦国の世に彗星のごとく出現した驕児の若き日々。
吉法師(信長)は、奔放奇抜な振るまいで家中のひんしゅくを買う”うつけ者”だが、燕雀(えんじゃく)いずくんぞ鴻鵠(こうこく)の志を知らん。手始めは尾張織田の統一だ。美濃の梟雄(きょうゆう)斎藤道三から娘の濃姫を娶った信長は、アンチ信長派の旗印となっている弟の殺害を決意した。戦国の世に彗星のごとく出現した驕児の若き日々。
- 本の長さ446ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1987/9/8
- 寸法10.8 x 1.8 x 14.8 cm
- ISBN-10406195010X
- ISBN-13978-4061950108
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
吉法師(信長)は、奔放奇抜な振るまいで家中のひんしゅくを買う“うつけ者”。だが、燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らん。手始めは尾張織田の統一だ。美濃の梟雄斎藤道三から娘の濃姫を娶った信長は、アンチ信長派の旗印となっている弟の殺害を決意した。戦国の世に彗星のごとく出現した驕児の若き日々。
著者について
明治40年1月11日、新潟県小出町に生まれる。本名・山内庄蔵、のち結婚し藤野姓に。高等小学校を中退して上京、逓信官吏養成所に学んだ。17歳で印刷製本業を始め、昭和8年「大衆倶楽部」を創刊し編集長に。山岡荘八の筆名は同誌に発表した作品からである。13年、時代小説『約束』がサンデー毎日大衆文芸に入選、傾倒していた長谷川伸の新鷹会に加わった。太平洋戦争中は従軍作家として各戦線を転戦。戦後、17年の歳月を費した大河小説『徳川家康』は、空前の″家康ブーム″をまきおこした。以来、歴史小説を中心に幅広い活躍をしめし、53年9月30日没した。
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (1987/9/8)
- 発売日 : 1987/9/8
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 446ページ
- ISBN-10 : 406195010X
- ISBN-13 : 978-4061950108
- 寸法 : 10.8 x 1.8 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 230,056位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1907~1978。新潟県生まれ。十四歳で上京の後、長谷川伸に師事。昭和13年、懸賞小説に入選し文壇デビュー。昭和25年から新聞に『徳川家康』を 連載開始。十八年がかりで完成したこの大河小説は「経営トラの巻」としても幅広い読者を獲得、五千万部突破という戦後、最大のベストセラーとなる。同作品 で「吉川英治文学賞」を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 新装版 豊臣秀吉(4) (ISBN-13: 978-4063706994)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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大変面白かった。応仁の乱から70数年、群雄割拠の戦国乱世、ここ尾張に1人の革命児が育っていた。藁(わら)で束ねた茶筅髪(ちゃせんがみ)に縄の帯、毛ずね丸出しで荒馬を駆る吉法師の織田家でも、骨肉相食(こつにくあいは)む内紛が繰り返されていた。美濃の蝮(まむし)・道三の娘濃姫を正室に迎えても、うつけ振りは改まらない。天文20年(1551)の父信秀の葬儀では香を位牌に叩きつけ、信長廃嫡(はいちゃく)の動きは激化。そんな中、師傅(しふ)・平手政秀の諫死(かんし)に遭う。尾張のうつけで終わるか、天下を取るか、波瀾の生涯のスタート。一般文学通算265作品目の読書完。1987/05/17
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2014年8月12日に日本でレビュー済み
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信長の少年時代から本能寺までを描いた歴史小説です。「革命児」と呼ばれていた信長ですからやることが別次元で、だからこそ面白くて一度読み始めると最後までとまりません。
家族内でも上下関係が厳格のはずの武家社会で、吉法児(信長)の父、信秀に対する人をくったような態度に驚かされます。父はしょせんは大名止まり。自分は天下をとる器だと自負しやりたい放題。「尾張の大うつけ」と呼ばれながらも、父はしっかりその器をみぬいていたのが立派だと思います。
正室の濃姫に子供がさずからないので、妾狩りとばかりに政治的な要素を考えた上で自ら側室を次々と連れてきて、しかも生まれた子供に、奇妙丸(へんな顔してるから)、茶筅丸(髪の毛が茶筅に似てる)、三七丸(3月7日生まれ)と滅茶苦茶な名前をつける。天下を狙う男に伝統やら形式など考えているヒマはないということです。
信長を天下とりへとみちびいた有名な姉川の戦い(対浅井、朝倉)、長篠の戦い(対武田)ももちろんのこと、信長を鬼と思わせる比叡山の焼き討ち、長島の一向一揆の虐殺もじっくりと読ませます。
戦国時代の雄、武田信玄と上杉謙信と織田信長との直接対決が無かったのは残念ですが、彼らがその直前に病死したのは信長への天命を感じさせます。家康が武田信玄の軍とぶつかりあやうく命を落としかけたことがあったのは知りませんでした。
全体を通して、「革命児」の信長が天下を平定したことで「革命」の必要がなくなり、それはすなわち非常識な信長のやり方自体が不要になってきたということで、それに代わる存在としての光秀が浮き彫りにされていくところが非常におもしろかったです。
家族内でも上下関係が厳格のはずの武家社会で、吉法児(信長)の父、信秀に対する人をくったような態度に驚かされます。父はしょせんは大名止まり。自分は天下をとる器だと自負しやりたい放題。「尾張の大うつけ」と呼ばれながらも、父はしっかりその器をみぬいていたのが立派だと思います。
正室の濃姫に子供がさずからないので、妾狩りとばかりに政治的な要素を考えた上で自ら側室を次々と連れてきて、しかも生まれた子供に、奇妙丸(へんな顔してるから)、茶筅丸(髪の毛が茶筅に似てる)、三七丸(3月7日生まれ)と滅茶苦茶な名前をつける。天下を狙う男に伝統やら形式など考えているヒマはないということです。
信長を天下とりへとみちびいた有名な姉川の戦い(対浅井、朝倉)、長篠の戦い(対武田)ももちろんのこと、信長を鬼と思わせる比叡山の焼き討ち、長島の一向一揆の虐殺もじっくりと読ませます。
戦国時代の雄、武田信玄と上杉謙信と織田信長との直接対決が無かったのは残念ですが、彼らがその直前に病死したのは信長への天命を感じさせます。家康が武田信玄の軍とぶつかりあやうく命を落としかけたことがあったのは知りませんでした。
全体を通して、「革命児」の信長が天下を平定したことで「革命」の必要がなくなり、それはすなわち非常識な信長のやり方自体が不要になってきたということで、それに代わる存在としての光秀が浮き彫りにされていくところが非常におもしろかったです。
2011年8月1日に日本でレビュー済み
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同じ織田信長でも、司馬遼太郎の国盗り物語に比べてかなりボリュームがあります。
国盗り物語(全4巻)では1,2巻が斎藤道三メインの話ですが、
この作品は全5巻丸々織田信長伝記。
斎藤道三からの歴史の一連の流れを知りたいなら国盗り物語もありですが、
信長の世界にどっぷり浸りたいなら、こちらの方が断然おすすめです。
セリフが多いのでまるで芝居を見ているような臨場感がありますし、
内容自体もまた素晴らしい。
信長の天下統一を目指す壮大な計画。
そしてその夢を共に目指す者達との人間模様。
濃姫との夫婦愛、家康との絆、光秀の裏切りまでの心情の変化。
どれをとっても一流と言わざるをえない。
是非とも後世に残したい作品の一つです。
国盗り物語(全4巻)では1,2巻が斎藤道三メインの話ですが、
この作品は全5巻丸々織田信長伝記。
斎藤道三からの歴史の一連の流れを知りたいなら国盗り物語もありですが、
信長の世界にどっぷり浸りたいなら、こちらの方が断然おすすめです。
セリフが多いのでまるで芝居を見ているような臨場感がありますし、
内容自体もまた素晴らしい。
信長の天下統一を目指す壮大な計画。
そしてその夢を共に目指す者達との人間模様。
濃姫との夫婦愛、家康との絆、光秀の裏切りまでの心情の変化。
どれをとっても一流と言わざるをえない。
是非とも後世に残したい作品の一つです。