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皆殺し映画通信 冥府魔道 Kindle版
- Kindle版 (電子書籍)
¥0 Kindle Unlimited 会員は、このタイトルを追加料金なし(¥0)で読み放題 ¥1,584 Kindle 価格 獲得ポイント: 16pt - 単行本(ソフトカバー)
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いったい誰がこんな映画作ったんだよ!!
行くも修羅、下がるも修羅!!
刺客、柳下毅一郎、涙隠して映画を斬る!!
激辛映画評論家・柳下毅一郎がとことんメッタ斬り!!
日本映画50本、タブーなき殺しのレビュー!!
世界に映画はあふれている。
一般社団法人日本映画製作者連盟の調査によれば
2015年に公開された映画は邦画581本、洋画555本の合計1136本。
毎日三本の映画が公開された勘定だ。
もちろんこれを全部見ている人はいないだろう。
日本映画をすべて見て、その全貌を語れる人間などどこにもいない。(中略)
映画というのはあなたが考えているようなものではない。
それはもっと深く不思議な世界なのである。
映画を見ていれば、こっちの浅知恵をひっくり返すような出会いが
かならずどこかに存在する。思ってもみなかったような映画が存在するのだ。(本書序章より)
【収録作品】
『寄生獣』
映画より先に原作コミックを読んではいけない
『さよなら歌舞伎町』
お遊戯感のただよう少女漫画レベルのメルヘン歌舞伎町ロマン
『ジョーカー・ゲーム』
あのさあ、オレもう「さあゲームのはじまりです」禁止って言ったよね? 何度も何度も言ったよね?
『娚の一生』
エロにも暴力にもトヨエツ一人勝ち。みんなこれを見てトヨエツの恐ろしさを知るといいよ!
『予告犯』
泣かせに入ったとたんに物語が停滞してしまう、日本映画の宿痾。いい話にしようとか考えちゃダメ
『バケモノの子』
すべてを説明しつくしてやる! 最初から最後まで登場人物が自分の心情と行動をすべてをセリフで説明する史上最悪の副音声映画
『図書館戦争 THE LAST MISSION』
ああ、おままごと。「図書隊」はもちろん馬鹿、お話は輪をかけて白痴。馬鹿に完全に包囲された図書館
『劇場版MOZU』
ストーリーはほぼ不明。悪役という悪役が笑う。ヒャハハハ、キャッハー、ウヒャヒャ。ほぼ全員が「中学生が考えた悪党」
『きみと見る風景』
こちらは制作総指揮が市長! 無理矢理合併した市には寄って立つべきアイデンティティなど存在しない。ならば映画だ!
……等々、殺しのレビュー50本掲載!!
【特別企画】
皆殺し映画放談 2015日本映画をメッタ斬り!
柳下毅一郎(映画評論家)×モルモット吉田 (映画評論家、ライター)
物議を醸す「皆殺し映画大賞2015」を大発表!!!
行くも修羅、下がるも修羅!!
刺客、柳下毅一郎、涙隠して映画を斬る!!
激辛映画評論家・柳下毅一郎がとことんメッタ斬り!!
日本映画50本、タブーなき殺しのレビュー!!
世界に映画はあふれている。
一般社団法人日本映画製作者連盟の調査によれば
2015年に公開された映画は邦画581本、洋画555本の合計1136本。
毎日三本の映画が公開された勘定だ。
もちろんこれを全部見ている人はいないだろう。
日本映画をすべて見て、その全貌を語れる人間などどこにもいない。(中略)
映画というのはあなたが考えているようなものではない。
それはもっと深く不思議な世界なのである。
映画を見ていれば、こっちの浅知恵をひっくり返すような出会いが
かならずどこかに存在する。思ってもみなかったような映画が存在するのだ。(本書序章より)
【収録作品】
『寄生獣』
映画より先に原作コミックを読んではいけない
『さよなら歌舞伎町』
お遊戯感のただよう少女漫画レベルのメルヘン歌舞伎町ロマン
『ジョーカー・ゲーム』
あのさあ、オレもう「さあゲームのはじまりです」禁止って言ったよね? 何度も何度も言ったよね?
『娚の一生』
エロにも暴力にもトヨエツ一人勝ち。みんなこれを見てトヨエツの恐ろしさを知るといいよ!
『予告犯』
泣かせに入ったとたんに物語が停滞してしまう、日本映画の宿痾。いい話にしようとか考えちゃダメ
『バケモノの子』
すべてを説明しつくしてやる! 最初から最後まで登場人物が自分の心情と行動をすべてをセリフで説明する史上最悪の副音声映画
『図書館戦争 THE LAST MISSION』
ああ、おままごと。「図書隊」はもちろん馬鹿、お話は輪をかけて白痴。馬鹿に完全に包囲された図書館
『劇場版MOZU』
ストーリーはほぼ不明。悪役という悪役が笑う。ヒャハハハ、キャッハー、ウヒャヒャ。ほぼ全員が「中学生が考えた悪党」
『きみと見る風景』
こちらは制作総指揮が市長! 無理矢理合併した市には寄って立つべきアイデンティティなど存在しない。ならば映画だ!
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皆殺し映画放談 2015日本映画をメッタ斬り!
柳下毅一郎(映画評論家)×モルモット吉田 (映画評論家、ライター)
物議を醸す「皆殺し映画大賞2015」を大発表!!!
- 言語日本語
- 出版社カンゼン
- 発売日2016/6/13
- ファイルサイズ3913 KB
-
このシリーズの次の3巻
¥ 4,867
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このシリーズの次の5巻
¥ 8,233
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シリーズをまとめ買い (9巻)
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商品の説明
著者について
柳下毅一郎(やなした・きいちろう)
1963年大阪生まれ。映画評論家・翻訳家。多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科非常勤講師。
雑誌『宝島』の編集者を経てフリー。ガース柳下の筆名で
『ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判』(洋泉社/文春文庫)を町山智浩と共著している。
著書『興行師たちの映画史 エクスプロイテーション・フィルム全史』(青土社)、
『新世紀読書大全 書評1990-2010』(洋泉社)など多数。訳書にR・A・ラファティ『第四の館』(国書刊行会)など。 --このテキストは、tankobon_softcover版に関連付けられています。
1963年大阪生まれ。映画評論家・翻訳家。多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科非常勤講師。
雑誌『宝島』の編集者を経てフリー。ガース柳下の筆名で
『ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判』(洋泉社/文春文庫)を町山智浩と共著している。
著書『興行師たちの映画史 エクスプロイテーション・フィルム全史』(青土社)、
『新世紀読書大全 書評1990-2010』(洋泉社)など多数。訳書にR・A・ラファティ『第四の館』(国書刊行会)など。 --このテキストは、tankobon_softcover版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B06WRS42TV
- 出版社 : カンゼン (2016/6/13)
- 発売日 : 2016/6/13
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 3913 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 388ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 24,649位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
- - 45位映画 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1963年大阪府生まれ。東京大学工学部卒。雑誌編集者を経て英米文学翻訳家、映画評論家。特殊翻訳家として人のあまり手がけない本の翻訳に注力する。主訳書にアラン・ムーア、エディ・キャンベル『フロム・ヘル』(みすず書房)、ジーン・ウルフ『ケルベロス第五の首』(国書刊行会)、J・G・バラード『クラッシュ』(東京創元社)など。
映画評論家としては〈映画秘宝〉などで執筆。『興行師たちの映画史』(青土社)など。欧米の殺人事件に精通し、洋泉社ムック〈Murder Watcher〉シリーズの責任編集をつとめる。その他サブカル全般。
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カスタマーレビュー
5つ星のうち4.4
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上位レビュー、対象国: 日本
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2017年5月3日に日本でレビュー済み
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地方の町起こし映画とか一回くらい取り上げるのは、その構造や儲かるからくりなど一回くらい取り上げるのは面白いが、そんなのばっかりの印象。やはり面白いのはメジャー作品の論評。それもロジカルに語れた時が秀逸なわけで、巻末の対談もなかなかよかった。シンゴジラの予想の微妙な当たり方など、批評家の腕は信頼しているので、メジャー作品と戦い続けて欲しい。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2016年8月14日に日本でレビュー済み
日本映画界のハートロッカー・柳下毅一郎氏による『皆殺し映画通信』第3弾!
コアな映画ファンの映画ファンによる映画ファンのための映画雑誌『映画秘宝』における「HIHOはくさい映画賞」や現在(いま)や当代随一の人気映画評論家である町山智浩氏との映画放談『ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判』、映画秘宝ライターである江戸木純、クマちゃんと共に『バッド・ムービー・アミーゴスの日本映画最終戦争!』、…といったこれまでに数々の媒体でダメな映画を見識とユーモアたっぷりに語って作品を紹介し続けた映画評論家・柳下毅一郎!
現在も公開作品の中からダメな映画を厳選して批評されており(最初から酷評目的で観ているワケではない)、メジャーな映画から誰も(映画評論家さえ)知らない単館上映作品まで(特にコチラの比率が多い)紹介し続けるまさに日本映画界のハートロッカーとしての役割を示している。
今回もメジャーやインディーズを問わず作品を酷評しまくる(注:著者自身も酷評目的で見ているワケではない)ワケだが、前回同様、「何故このような映画を作ろうと思ったのか!?」作り手たちの企画意図と作品に対する想いが観客に全く伝わってこない作品が多数紹介されている(これでも昨年(2015年)に公開された邦画581本のうちのホンの一部に過ぎないのだが……)。
メジャー作品でいえば『寄生獣』『ジョーカー・ゲーム』『予告犯』『ストレイヤーズ・クロニクル』『図書館戦争-THE LAST MISSION-』『ギャラクシー街道』『劇場版MOZU』『グラスホッパー』が取り上げられている。
『 ギャラクシー街道 』は企画と予告編を観た段階での地雷臭の漂い具合から2015年度の最有力候補であったが、ライムスター宇多丸さんもその年のワースト一位に選んでいた『 エイプリルフールズ 』や藤原竜也主演『 MONSTERZ モンスターズ 』(注:2014年公開の作品だが明らかに皆殺し物件だ!)が入っていないというのも納得できないモノがあるのだが…。
本書を読んでいくと堤幸彦監督『悼む人』『イニシエーション・ラブ』、山崎貴監督『寄生獣』『寄生獣 完結編』、渡辺雄介脚本『ジョーカー・ゲーム』『MONSTERZ モンスターズ』『進撃の巨人』はクレジット名を見た瞬間にその作品が事故物件の可能性の高さを物語っているのが見えており、あまり偏見で見てはいけないのだが、堤幸彦、山崎貴、渡辺雄介(ココには入っていない映画監督・本広克行『踊る大捜査線』)……といった名前を見ただけで食指が動かなくなっているのも事実だ(彼らの作品を私が敬愛する町山智浩、ライムスター宇多丸、春日太一の三氏や著者が絶賛されれば別なのだが……)。
本書で印象に残ったなかでは『 ジョーカー・ゲーム 』(予告編を観ても全くそそられなかったが)だが、「さあゲームのはじまりです」というフレーズも陳腐以外なにものでもないし、拷問シーンでスパイである亀梨和也が上半身裸で同じくスパイの深田恭子は服の上から鞭打ちという本来戦時下でのスパイに対しての人権を守られていない状況ならば普通は逆だろうという著者の御意見は至極全うで面白いのだが、そこは現在の日本映画の限界でもあるのだ(余談だがテレビドラマ『サラリーマン金太郎2』でもヤクザにさらわれた青田典子が何故か服の上から鞭打ちされるシーンを見て納得できなかったし、せめて下着で見えそうな状態にまで追い詰められないとダメだと思う。1970年代の東映や五社英雄作品だったら出来たかもしれないのだが…)。
他にも『 劇場版MOZU 』における近年の日本映画によく登場する「殺人鬼「キャハハ」問題」だ。
本書で取り上げられた作品で『バケモノの子』を除いて唯一(もちろんDVDで)見た作品であるが(見た理由もテレビドラマからの付き合いとして惰性で見ていた)、冒頭からテロリストのリーダーである松坂桃李が「キャハハ」テンションで殺戮を行なおうとする時点で頭を抱えてしまった。
『脳男』とかいろんなところで見かけた(もしくは見飽きた)キャラクター設定だし、しかも本作の準レギュラーともいえる「オメラス長谷川」こと長谷川博己(もう役名も忘れた!)とキャラテンションがかぶっていて見ていて非常に痛々しく、本作の最大のウリであるはずの「ダルマ」ことビートたけしも見せ場がほとんどなく、あまり意味をなしていなかったし、お話自体もワケのワカランまま終わってしまった。
また、山崎貴演出『 寄生獣 』における問題点にも触れており、『ALWAYS 三丁目の夕日』『STAND BY ME ドラえもん』でも散々云われていたが、演出におけるBGMの大音量(悲しい場面で感動的な音楽を最大限に放出する)は先の作品を見ていて気になったし、音楽の力でその場面の良さげを現している山崎演出はまさにライムスター宇多丸さんの指摘する「味のないモノにやたらと砂糖や塩をぶっかけて客に提供している」というのがよくわかります。BGMを消してそのシーンのお芝居だけを見ればそれほど感動するモノでもないのがよくわかるのだが…。
気になったのが、昨年のワースト候補ダントツだった『 進撃の巨人 』が取り上げられておらず、当初は親友である町山智浩さんが脚本で参加されているので気兼ねして遠慮したのかと思ったが(だとしたら読者として納得できないモノがあったが)、あとがきで『映画秘宝』で町山さんと『進撃』について語り合っているのであえてココでは語らなかったそうだ。
あと個人的に納得できなかったのが『 バケモノの子 』だ。
今回、本書のなかで取り上げられた作品のなかで唯一劇場で観た作品であり、本書では全部自分の心情と行動を登場人物に言葉で説明させている「史上最悪の副音声映画」として酷評していたが、自分の中では前作同様、今回も細田ワールド全開で十分に楽しめて堪能できて好印象だった(『バケモノ』を取り上げるくらいなら先の『エイプリル』『モンスターズ』を取り上げろと思ってしまう)。
また、特に今回も気になったのが誰も知らない地方発信のご当地(町おこし)映画がこんなに作られている(これでもあくまでもホンの一部だという…)のに驚かされる。それ以外にも『 神様はバリにいる 』『 振り子 』といったテレビやインターネットなどで話題になったモノをそのまま安易に企画して映画化して結果的に誰も得しないという空回り状態が日本映画界の暗部(ダークサイド)を表しているようで志しなき作品は見ている者には伝わらないというのが明確に表している。それでも今でも多く量産されているのだから困ったモノではあるのだが…。
以前はテレビドラマの映画化や懐かしのアニメや漫画の実写化、人気コミックの実写化といった安易な企画が問題となっていたが(今も問題となっているが)、一方でテレビやインターネットで話題になったモノにすぐに飛びつき、映画化しようとする風潮にも日本映画の問題点が露呈されているように思える。
それでも今年に限っていえば、『アイアムアヒーロー』『ディストラクション・ベイビーズ』『ヒメアノ~ル』『クリーピー 偽りの隣人』『日本で一番悪い奴ら』『葛城事件』、そして今年最大の話題作『シン・ゴジラ』…といった骨太な作品(傑作!)が量産されており、低迷する日本映画界にも一光の日差しが見えたような気がしますのでこうした作り手たちが今後の日本映画界を逞しくけん引して活況を呈することを期待したい。
追伸……あとがきにある『秘宝』の映画ライターとしてお馴染みのモルモット吉田さんとの対談は面白かったし、特に315頁の柳下さんの発言は必読です。あと本書で唯一好評だったキンキンこと愛川欣也の遺作『満州の紅い陽』が気になりました。
コアな映画ファンの映画ファンによる映画ファンのための映画雑誌『映画秘宝』における「HIHOはくさい映画賞」や現在(いま)や当代随一の人気映画評論家である町山智浩氏との映画放談『ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判』、映画秘宝ライターである江戸木純、クマちゃんと共に『バッド・ムービー・アミーゴスの日本映画最終戦争!』、…といったこれまでに数々の媒体でダメな映画を見識とユーモアたっぷりに語って作品を紹介し続けた映画評論家・柳下毅一郎!
現在も公開作品の中からダメな映画を厳選して批評されており(最初から酷評目的で観ているワケではない)、メジャーな映画から誰も(映画評論家さえ)知らない単館上映作品まで(特にコチラの比率が多い)紹介し続けるまさに日本映画界のハートロッカーとしての役割を示している。
今回もメジャーやインディーズを問わず作品を酷評しまくる(注:著者自身も酷評目的で見ているワケではない)ワケだが、前回同様、「何故このような映画を作ろうと思ったのか!?」作り手たちの企画意図と作品に対する想いが観客に全く伝わってこない作品が多数紹介されている(これでも昨年(2015年)に公開された邦画581本のうちのホンの一部に過ぎないのだが……)。
メジャー作品でいえば『寄生獣』『ジョーカー・ゲーム』『予告犯』『ストレイヤーズ・クロニクル』『図書館戦争-THE LAST MISSION-』『ギャラクシー街道』『劇場版MOZU』『グラスホッパー』が取り上げられている。
『 ギャラクシー街道 』は企画と予告編を観た段階での地雷臭の漂い具合から2015年度の最有力候補であったが、ライムスター宇多丸さんもその年のワースト一位に選んでいた『 エイプリルフールズ 』や藤原竜也主演『 MONSTERZ モンスターズ 』(注:2014年公開の作品だが明らかに皆殺し物件だ!)が入っていないというのも納得できないモノがあるのだが…。
本書を読んでいくと堤幸彦監督『悼む人』『イニシエーション・ラブ』、山崎貴監督『寄生獣』『寄生獣 完結編』、渡辺雄介脚本『ジョーカー・ゲーム』『MONSTERZ モンスターズ』『進撃の巨人』はクレジット名を見た瞬間にその作品が事故物件の可能性の高さを物語っているのが見えており、あまり偏見で見てはいけないのだが、堤幸彦、山崎貴、渡辺雄介(ココには入っていない映画監督・本広克行『踊る大捜査線』)……といった名前を見ただけで食指が動かなくなっているのも事実だ(彼らの作品を私が敬愛する町山智浩、ライムスター宇多丸、春日太一の三氏や著者が絶賛されれば別なのだが……)。
本書で印象に残ったなかでは『 ジョーカー・ゲーム 』(予告編を観ても全くそそられなかったが)だが、「さあゲームのはじまりです」というフレーズも陳腐以外なにものでもないし、拷問シーンでスパイである亀梨和也が上半身裸で同じくスパイの深田恭子は服の上から鞭打ちという本来戦時下でのスパイに対しての人権を守られていない状況ならば普通は逆だろうという著者の御意見は至極全うで面白いのだが、そこは現在の日本映画の限界でもあるのだ(余談だがテレビドラマ『サラリーマン金太郎2』でもヤクザにさらわれた青田典子が何故か服の上から鞭打ちされるシーンを見て納得できなかったし、せめて下着で見えそうな状態にまで追い詰められないとダメだと思う。1970年代の東映や五社英雄作品だったら出来たかもしれないのだが…)。
他にも『 劇場版MOZU 』における近年の日本映画によく登場する「殺人鬼「キャハハ」問題」だ。
本書で取り上げられた作品で『バケモノの子』を除いて唯一(もちろんDVDで)見た作品であるが(見た理由もテレビドラマからの付き合いとして惰性で見ていた)、冒頭からテロリストのリーダーである松坂桃李が「キャハハ」テンションで殺戮を行なおうとする時点で頭を抱えてしまった。
『脳男』とかいろんなところで見かけた(もしくは見飽きた)キャラクター設定だし、しかも本作の準レギュラーともいえる「オメラス長谷川」こと長谷川博己(もう役名も忘れた!)とキャラテンションがかぶっていて見ていて非常に痛々しく、本作の最大のウリであるはずの「ダルマ」ことビートたけしも見せ場がほとんどなく、あまり意味をなしていなかったし、お話自体もワケのワカランまま終わってしまった。
また、山崎貴演出『 寄生獣 』における問題点にも触れており、『ALWAYS 三丁目の夕日』『STAND BY ME ドラえもん』でも散々云われていたが、演出におけるBGMの大音量(悲しい場面で感動的な音楽を最大限に放出する)は先の作品を見ていて気になったし、音楽の力でその場面の良さげを現している山崎演出はまさにライムスター宇多丸さんの指摘する「味のないモノにやたらと砂糖や塩をぶっかけて客に提供している」というのがよくわかります。BGMを消してそのシーンのお芝居だけを見ればそれほど感動するモノでもないのがよくわかるのだが…。
気になったのが、昨年のワースト候補ダントツだった『 進撃の巨人 』が取り上げられておらず、当初は親友である町山智浩さんが脚本で参加されているので気兼ねして遠慮したのかと思ったが(だとしたら読者として納得できないモノがあったが)、あとがきで『映画秘宝』で町山さんと『進撃』について語り合っているのであえてココでは語らなかったそうだ。
あと個人的に納得できなかったのが『 バケモノの子 』だ。
今回、本書のなかで取り上げられた作品のなかで唯一劇場で観た作品であり、本書では全部自分の心情と行動を登場人物に言葉で説明させている「史上最悪の副音声映画」として酷評していたが、自分の中では前作同様、今回も細田ワールド全開で十分に楽しめて堪能できて好印象だった(『バケモノ』を取り上げるくらいなら先の『エイプリル』『モンスターズ』を取り上げろと思ってしまう)。
また、特に今回も気になったのが誰も知らない地方発信のご当地(町おこし)映画がこんなに作られている(これでもあくまでもホンの一部だという…)のに驚かされる。それ以外にも『 神様はバリにいる 』『 振り子 』といったテレビやインターネットなどで話題になったモノをそのまま安易に企画して映画化して結果的に誰も得しないという空回り状態が日本映画界の暗部(ダークサイド)を表しているようで志しなき作品は見ている者には伝わらないというのが明確に表している。それでも今でも多く量産されているのだから困ったモノではあるのだが…。
以前はテレビドラマの映画化や懐かしのアニメや漫画の実写化、人気コミックの実写化といった安易な企画が問題となっていたが(今も問題となっているが)、一方でテレビやインターネットで話題になったモノにすぐに飛びつき、映画化しようとする風潮にも日本映画の問題点が露呈されているように思える。
それでも今年に限っていえば、『アイアムアヒーロー』『ディストラクション・ベイビーズ』『ヒメアノ~ル』『クリーピー 偽りの隣人』『日本で一番悪い奴ら』『葛城事件』、そして今年最大の話題作『シン・ゴジラ』…といった骨太な作品(傑作!)が量産されており、低迷する日本映画界にも一光の日差しが見えたような気がしますのでこうした作り手たちが今後の日本映画界を逞しくけん引して活況を呈することを期待したい。
追伸……あとがきにある『秘宝』の映画ライターとしてお馴染みのモルモット吉田さんとの対談は面白かったし、特に315頁の柳下さんの発言は必読です。あと本書で唯一好評だったキンキンこと愛川欣也の遺作『満州の紅い陽』が気になりました。