早くから脱手塚治虫を計り、本格的なデッサンを訓練した桑田次郎の絵柄は、彼独特の感覚も加わり実に見応えがあると共に、「8マン」の時代から、彼の描く切れ長の眼と切なげな表情の女性は海外でも人気があったと聞く。当然ながら、アダルト漫画では、この女性の美しさはより輝く。また、クセのある悪そうな男も実に良い感じである。
「8マン」の東八郎とさち子さんがそのまま老けたような人物が登場する「1発で殺して」(1964)は、顛末が顛末だけに実に可笑しい。
より細かい絵柄の「痴女の宴」(1975)では、姉が2人の男と情交する現場を見てしまう美しい女子高校生の描写が非常に良いと感じた。この女子高生の本質が後に展開されるだけに尚更である。
そして、絵だけではなく、桑田次郎らしいシュールな発想は如何なく発揮され、アダルトという興味だけでなく実に素晴らしい作品揃いであると思う。
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