一巻完結形式をとっているので、この二巻目から読んでも全く問題はありません。というより、第一巻が各個人の体験記をバラバラに収録していただけなのに対して、この二巻は原作者の一連の旅の物語になっているので、全てが繋がっていてかなり分かりやすいです。
前巻同様、射撃姿勢などしっかり描けていて、ただ絵が上手いだけではなく表情や体の動きを描くのが巧みです。作者の他の作品は知りませんが、この作画担当だからこそ、ここまで素晴らしい作品になったのでしょう。良い仕事です。
動物の本能として人間は人間を殺せないようにできているのですが、その本能をどうやって抑えつけ、必要な殺人を行なわなければならないのか、というエピソードもきちんとあり素晴らしい。
戦場でしか生まれ得ない絆。家族や夫婦よりも強い絆、使命感も語られている。
悲惨な話や恋の話、面白い話や勇敢な話、笑える話や苦労した話。平時でも戦時でも、人間の基本的な行動は変わらないのだなと思う。
一番面白かったのは、体験者が語る内容は「こうあるべき」という価値観に強く修正されてしまうという部分。日本の戦時下に生きた者も、戦争は悲惨でなければならないというマスコミの変な価値観に歪められて、それしか話さない。それしか言わせてもらえない。それしか伝えられない。
祖国を讃えるのに役立つ勇敢なエピソードだけを抽出してほしいと言う語り部本人と出版社の意向も、日本とは本当に真逆の思想で考えさせられる。非常に面白いです。
それと前巻同様に、「人殺しはもちろん嫌だけれど、祖国に敵が侵攻している以上は、家族や子孫を守るために老若男女関係なく立ち上がらなくてはならない」という想いは全員に共通している考えで、やはりこれが人類全体の普通の感情なのだなと安心できる。
日本ではこの当たり前の考えを否定する者や、他の思想と混ぜこぜにしてしまう者が多くいるという惨状の中、この本の意義は素晴らしく大きい。
様々な部分で第一巻の内容を超えているので、一巻を読んだ方はもちろん、このシリーズを読んだことがない方も、ぜひ最初の1冊として第二巻を読んでみてください。
この娘の目を見張る美しさを記憶せよ。
防水布の担架で運び出された乙女の・・・。
*注意*
この本を巡って偏った思想を持つ人たちが無意味な論争をしていますが、それでこの本を読むのをためらうのは本当にもったいないです。
この本はあくまでも戦争中にあった話を聞き取り、それを書いているだけです。戦争を賛美しているわけでも、反対しているわけでもなく、ただ歴史的な事象を書いているに過ぎません。
それに対して、戦争を賛美するとか、「反戦の思い」だとかを読み取ること自体が異常と言わざるを得ないでしょう。
そもそも日本人は戦争を取り扱った作品を見るときに、「戦争に賛成しているか・反対しているか」を分けたがりますが、ほとんどの作品の作者はそんな浅い考えで戦争という題材を選んでいるわけではありません。
メディアで戦争を美しく描こうが、残酷に描こうが意味はありません。
なぜなら、戦争というものは「善・悪」「美・醜」「カッコイイ・カッコ悪い」「意義が有るか、無いか」で、やるか・やらないかが決まるものではなく、
「やる必要があるか、やる必要がないか」で、やる・やらないが決定するものだからです。
どんなに戦争というものが残酷であろうとも、行う必要があればやるし、
どんなに戦争というものが美しくあろうとも、行う必要がなければやりません。
それだけのことです。
国民が戦争のことを美しく思っていようと、残酷だと思っていようと関係はありません。
だからこそ「反戦作品」というものは本質的に無意味で、これは反戦作品でも好戦作品でもないがゆえに意味があります。
ぜひ、「オレはこの作品から反戦の主張を読み取らなければいけないんだぁぁ!」とか無意味なことを考えず、純粋に元軍人から聞き取った話を描くこの漫画をお楽しみください。
それとレビューの中には、「洗脳されていたから女の子たちは戦ったんだ」という偏った意見も多いですが、これは日本人の極一部の集団しか抱かない特殊な感想です。仕事柄、外国の方とも話しますが、さすがにこんな変な考えを普通の社会人が持っているのは日本だけです。
実際に作中でも、これが洗脳だったかどうかなんて作者も元女性兵士たちも議論すらしていません。なのにこれを洗脳と言ってしまうのは、偏りすぎた日本の学校教育の「洗脳」の結果だとしか思えません。
巻末解説でも言及されていますが、女の子たちは洗脳されていたと言うより、「未来を守るために、私は戦おう」と自分で考えて行動しただけのことです。普通、これを洗脳とは言わないでしょう? これを洗脳と言ってしまうと、日本の平和教育はもちろん、すべての教育と大衆作品が洗脳になってしまいます。
第一巻でも語られていますが、彼女たちは「国に従順ではなかった」から、戦地に駆けつけたのです。国の言うことを聞かず、自分の頭で考え、自分の意見を国家に逆らってまで押し通したから戦場にいるのです。
もし、彼女たちが洗脳されて従順な民衆にされていたのなら、この物語は始まっていません。女の子たちが、国家の「戦場に行くな」という命令や社会的な風潮に反逆するところから物語は始まります。
それなのに彼女たちは国家に従順だったと読み取ってしまうのは、読み手がそういう先入観で読んでいるから。
つまり、これこそ洗脳ですね。
良いか悪いかはともかくとして「自分たちの国を自分たちで守る」ことは世界では当たり前です。そうでなければ、「ここは私たちが主権を持つ、私たちの国だ」と言えなくなります。これは日本でも同様で、憲法が変わろうが変わるまいが同じはずです。
右にも左にも偏っていないのなら、作中の女の子たちと同じ人類普遍の行動がとれなければおかしいのですが、日本人にはその常識がありません。
たとえば、今の日本が突然戦争をしかけられ、問答無用で外国の軍隊が領域に侵攻しているという状況になったとします。外交も、国際法も、平和憲法も、言葉も通じません。有無を言わさず、こっちに向かって来ます。この作品の中と同じ状況です。このままでは全てが失われるかもしれないですね。
はたして、私を含めた今の日本の大人たちは、作中の女の子たちのように自ら志願して戦おうとするでしょうか?
反戦洗脳・反日教育を受けて育った大人たちは使い物にならないから、自分たちが代わりに戦いますと幼い学生たちは名乗りをあげるでしょうか?
作中の女の子たちのように、国の役所に「私たちにも召集令状を出してくれ!」と訴えに行き、門前払いをくらい、さらに大きな役所に「なんとか軍を手伝わせてくれ!」と訴えて断られ、最終的に軍のトラックに忍び込んで無理やり戦地に駆けつけられる? 大勢の幼い女の子にはできたことが?
私は歴史学を学んだだけで、右翼でも左翼でもなければ、特に思想があるわけでもないので、「もし作中の出来事が実現したらどうするのかな?」と考えることくらいしかできません。
どう行動すべきかは、もちろん各々が自由に考えれば良いと思います。
ですが、良いか悪いかは別として、少なくとも今の日本人は作中の女の子たちと同じ行動がとれますか?
逆に、世界の人々、たとえばアメリカ人や中国人やロシア人やドイツ人は作中の女の子たちと違う行動をとると思いますか?
ならば、私を含めて洗脳されているのは、はたしてどちらですか?
人類の常識から外れた考えを持っているのは、「作中の女の子たち」と「今の日本人」、どちらですか?
「作中の女の子たちは洗脳を受けていたから戦ったんだ!」と言う方々に問います。
幼い頃から洗脳を受けていたのは、もしかしたら我々ではありませんか?
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戦争は女の顔をしていない 2 (単行本コミックス) Kindle版
小梅 けいと (著) 著者の作品一覧、著者略歴や口コミなどをご覧いただけます この著者の 検索結果 を表示 |
500人以上の従軍女性を取材し、その内容から出版を拒否され続けた、ノーベル文学賞受賞作家の主著。『狼と香辛料』小梅けいとによるコミカライズ、第2巻が登場。
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2020/12/26
- ファイルサイズ124457 KB
この本はファイルサイズが大きいため、ダウンロードに時間がかかる場合があります。Kindle端末では、この本を3G接続でダウンロードすることができませんので、Wi-Fiネットワークをご利用ください。
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登録情報
- ASIN : B08Q3DCFGB
- 出版社 : KADOKAWA (2020/12/26)
- 発売日 : 2020/12/26
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 124457 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効になっていません。
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 199ページ
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カスタマーレビュー
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上位レビュー、対象国: 日本
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2020年12月27日に日本でレビュー済み
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219人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2020年12月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ノーベル賞作家スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチが第二次世界大戦を戦った旧ソ連の女性兵士たちを相手に膨大なインタビューを繰り返した記録を小梅けいとの手によってコミカライズした人気シリーズ・第二巻だが、今回も基本的にはインタビュー集という点では第一巻と変わらない。ただ読み終えると「面白いけど、第一巻とは随分毛色が違うなあ」というのが第一印象として残った。
表紙のど真ん中にアレクシェーヴィチ女史の姿が、それもどこか憂鬱そうな姿が描かれている点に象徴される様に、前巻では単純に読者に「視点」を提供する立場だった女史自身がカメラに写り込む点が何よりの違いかと。前巻では目の前のインタビュアーが訪ねて来た女史の問い掛けに対して語り始め、回想される第二次大戦中のソ連へと場面が切り替わるというのが基本の流れであまり女史自身の姿は映らなかったし、インタビュアーとして胸を過ぎる想いが語られる場面もそう多くは無かった。
しかし第二巻となる本作は第一話からして必死で繰り返した女性兵士へのインタビューを出版しようとして、あちこちの出版社から「生々し過ぎる」「共産党のリーダーシップが描かれてない」といった理由から断られ続けた女史の経験が語られる話から始まる……つまりこれまでは司会者役であった女史が舞台中央で主役を演じるのである。これは前巻と同じノリを期待するとかなり面食らう。
無論、第二話からは前巻でも語られていた女性兵士たちの話に戻るのでそこはご安心。「前線に出なくてはいけない」という想いに駆られた「愛国少女」たちが共産青年同盟委員会に訴え出て、終いにはモスクワにまで乗り込む話であったり、体格の小ささから徴兵を断られたにも関わらず無理やり部隊に潜り込んでしまった戦車大隊衛生指導員の「わんぱくさ」には戦争の悲惨さは別にして理想に胸を焦がす少女たちの実に活き活きとしたエネルギッシュさを感じさせてくれる。
それこそ、兵士としてまともな教育も受けずに潜り込んでしまった女性兵士の話などは「両手にバケツを運んでいる途中で前から士官が二人もやってきた、どうしよう?」という問題に対して必死で出した「エメリウム光線」に腹を抱えて笑わせて貰った。やってる事は間違いなく戦争なんだけど、どこかしら漏れてしまうユルさというのがロシアの民の朴訥さを感じさせてくれて実に良いのである。
ただ、そんな個人としては朴訥なロシアの民との間に誠実なインタビュアーである女史が作り上げた関係でも間に一度「ソ連」という社会が入り込んでしまえばそこには冷たい隙間風が吹くのだという事を教えてくれるのもこの巻の特徴。どこかユーモラスな戦争の一幕を文章に纏めて文通を続けていた女性兵士に送った女史が当の相手から「ふざけるな、自分は必死で戦った祖国の英雄だ」と言わんばかりの冷たい返事を受け取る場面には何とも言えない遣る瀬無さばかりが漂う。
「恐ろしい事は偉大な事になり、人間の内にある理解しがたい暗い物がたちどころに説明のつく事になってしまった」
「私は誇り高くとりつくしまのない記念碑ばかりが立っている輝く表面に覆われた砂漠に身を置く事になる」
「いつも私は驚かされた、もっとも人間的な素朴な事に対する不信感と現実を理想や実物大の模型に、ありふれた温かみを冷たい輝きにすり替えたいという願望に」
インタビュアーとして突き付けられる「模範的ソ連人民」と「台所で一対一で語り合い、時には抱き合って涙した相手」との違いに何度も苦虫を嚙み潰さざるを得なかった女史の押し殺せない想いがコマとコマの間から立ち上ってくる……そんなビターな味わいが深く印象に残ったシリーズ第二巻であった。
表紙のど真ん中にアレクシェーヴィチ女史の姿が、それもどこか憂鬱そうな姿が描かれている点に象徴される様に、前巻では単純に読者に「視点」を提供する立場だった女史自身がカメラに写り込む点が何よりの違いかと。前巻では目の前のインタビュアーが訪ねて来た女史の問い掛けに対して語り始め、回想される第二次大戦中のソ連へと場面が切り替わるというのが基本の流れであまり女史自身の姿は映らなかったし、インタビュアーとして胸を過ぎる想いが語られる場面もそう多くは無かった。
しかし第二巻となる本作は第一話からして必死で繰り返した女性兵士へのインタビューを出版しようとして、あちこちの出版社から「生々し過ぎる」「共産党のリーダーシップが描かれてない」といった理由から断られ続けた女史の経験が語られる話から始まる……つまりこれまでは司会者役であった女史が舞台中央で主役を演じるのである。これは前巻と同じノリを期待するとかなり面食らう。
無論、第二話からは前巻でも語られていた女性兵士たちの話に戻るのでそこはご安心。「前線に出なくてはいけない」という想いに駆られた「愛国少女」たちが共産青年同盟委員会に訴え出て、終いにはモスクワにまで乗り込む話であったり、体格の小ささから徴兵を断られたにも関わらず無理やり部隊に潜り込んでしまった戦車大隊衛生指導員の「わんぱくさ」には戦争の悲惨さは別にして理想に胸を焦がす少女たちの実に活き活きとしたエネルギッシュさを感じさせてくれる。
それこそ、兵士としてまともな教育も受けずに潜り込んでしまった女性兵士の話などは「両手にバケツを運んでいる途中で前から士官が二人もやってきた、どうしよう?」という問題に対して必死で出した「エメリウム光線」に腹を抱えて笑わせて貰った。やってる事は間違いなく戦争なんだけど、どこかしら漏れてしまうユルさというのがロシアの民の朴訥さを感じさせてくれて実に良いのである。
ただ、そんな個人としては朴訥なロシアの民との間に誠実なインタビュアーである女史が作り上げた関係でも間に一度「ソ連」という社会が入り込んでしまえばそこには冷たい隙間風が吹くのだという事を教えてくれるのもこの巻の特徴。どこかユーモラスな戦争の一幕を文章に纏めて文通を続けていた女性兵士に送った女史が当の相手から「ふざけるな、自分は必死で戦った祖国の英雄だ」と言わんばかりの冷たい返事を受け取る場面には何とも言えない遣る瀬無さばかりが漂う。
「恐ろしい事は偉大な事になり、人間の内にある理解しがたい暗い物がたちどころに説明のつく事になってしまった」
「私は誇り高くとりつくしまのない記念碑ばかりが立っている輝く表面に覆われた砂漠に身を置く事になる」
「いつも私は驚かされた、もっとも人間的な素朴な事に対する不信感と現実を理想や実物大の模型に、ありふれた温かみを冷たい輝きにすり替えたいという願望に」
インタビュアーとして突き付けられる「模範的ソ連人民」と「台所で一対一で語り合い、時には抱き合って涙した相手」との違いに何度も苦虫を嚙み潰さざるを得なかった女史の押し殺せない想いがコマとコマの間から立ち上ってくる……そんなビターな味わいが深く印象に残ったシリーズ第二巻であった。
2020年12月28日に日本でレビュー済み
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他のレビュアーの方も書いていますが、
2巻では原作者スヴェトラーナさんが、本を書き上げる動機や困難などに
多くのページが割かれおり、1巻も含めて本書のエピソードを読むうえで
重要な要素だと感じました。
話は個人の戦争体験談なのですが、原作者は極限状態で人間はどのような
行動を起こすのか戦争物という枠を超えた「人間」の物語を残したかった
のだと思いました。
1巻だけでは、原作者の思いや動機にあまり触れられていないため、個人的
に2巻より読まれることをお勧めします。
2巻では原作者スヴェトラーナさんが、本を書き上げる動機や困難などに
多くのページが割かれおり、1巻も含めて本書のエピソードを読むうえで
重要な要素だと感じました。
話は個人の戦争体験談なのですが、原作者は極限状態で人間はどのような
行動を起こすのか戦争物という枠を超えた「人間」の物語を残したかった
のだと思いました。
1巻だけでは、原作者の思いや動機にあまり触れられていないため、個人的
に2巻より読まれることをお勧めします。
2021年1月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2021.12月追記
コミニケーション能力は、一般的に女性のほうが高い、という、ネット等でも散見できる点から、
感じるに、
その時の感情を、 かっこいい言葉や、おさまりのいい言葉に逃げず、
ちゃんと伝わるように、表現するのは、女性の方が上手なのかとあらためて思います。
女性の視点、というよりも、その時の気持ちや精神状態の、もっとも写実的な、インタビューでつづられる、男女関係なく、命がけで戦う、究極の男女平等の実話だと、
だからこそ、何度読んでも、新しい理解と、深い解釈と、そして感動が生まれます。
一回手に取ると、大体二周読む、それに耐える深みは、やはりノンフィクションがもとにあるからで、
何度も読み返しながら、3巻の発売を心待ちにしています。
以下は最初に書いた感想です。
生き抜くを営む
そこに生まれてそこで生きる、それを続ける、それを営む、
最後の話の、ああ大変ああ大変、と思いながら荷物を頭に乗せて運ぶお母さんの一コマ、
これが一番印象的。
多分、人を撃ち殺すときの気持ちの目覚めとか、
自分が幼稚なので、想像することすらできないからかもしれません。
ロシア女性は中年になるとたくましくなる、ような話をネットで散見した気もしますが、
たくましくならないと、続けていけなかったんだろう、と感じる。
帰ってきた人も、
待ち続けた人も、
帰ってきた人の苦しみを受け止めてきた人も、
そう思うと、たくましい女性が、本当に魅力的に見える。
コミニケーション能力は、一般的に女性のほうが高い、という、ネット等でも散見できる点から、
感じるに、
その時の感情を、 かっこいい言葉や、おさまりのいい言葉に逃げず、
ちゃんと伝わるように、表現するのは、女性の方が上手なのかとあらためて思います。
女性の視点、というよりも、その時の気持ちや精神状態の、もっとも写実的な、インタビューでつづられる、男女関係なく、命がけで戦う、究極の男女平等の実話だと、
だからこそ、何度読んでも、新しい理解と、深い解釈と、そして感動が生まれます。
一回手に取ると、大体二周読む、それに耐える深みは、やはりノンフィクションがもとにあるからで、
何度も読み返しながら、3巻の発売を心待ちにしています。
以下は最初に書いた感想です。
生き抜くを営む
そこに生まれてそこで生きる、それを続ける、それを営む、
最後の話の、ああ大変ああ大変、と思いながら荷物を頭に乗せて運ぶお母さんの一コマ、
これが一番印象的。
多分、人を撃ち殺すときの気持ちの目覚めとか、
自分が幼稚なので、想像することすらできないからかもしれません。
ロシア女性は中年になるとたくましくなる、ような話をネットで散見した気もしますが、
たくましくならないと、続けていけなかったんだろう、と感じる。
帰ってきた人も、
待ち続けた人も、
帰ってきた人の苦しみを受け止めてきた人も、
そう思うと、たくましい女性が、本当に魅力的に見える。
2021年1月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
可愛い絵柄からは想像できないほど、ヘビーな話が続きます。戦争の理不尽や、プロパガンダのもたらす純粋な少女達の洗脳、残酷なシーンまでもが淡々と、粛々と描かれています。
戦場でのちょっとしたコミカルなシーンが時々ふと息抜きをさせてくれますが、あっという間にあっさりと人が死んでいく。物語の主人公になり得た人たちが、虫けらよりも簡単に死んでしまってはい終わり。
生き残った人から話を聞いて回るというコンセプトなので、語り手は決して死なないのがわかっていますが、戦後永く経っているのに彼女達の中では戦争は終わっておらず、1日に何度も、魂が戦場に戻るのだなと感じました。
戦場でのちょっとしたコミカルなシーンが時々ふと息抜きをさせてくれますが、あっという間にあっさりと人が死んでいく。物語の主人公になり得た人たちが、虫けらよりも簡単に死んでしまってはい終わり。
生き残った人から話を聞いて回るというコンセプトなので、語り手は決して死なないのがわかっていますが、戦後永く経っているのに彼女達の中では戦争は終わっておらず、1日に何度も、魂が戦場に戻るのだなと感じました。