表紙見返し部分やあとがきのネリマドール通信でも書かれていますが、作者の中山星花さん、この本のエピソード６の後に倒れられたのだそうで。確かにエピソード7の雑誌連載当時、どうしちゃったんだろうと思うほど作画崩壊してた記憶があります（ローラント王の後頭部が潰れてたりシェンドラ妃の顔が1ページごとにまるで別人だったり）。その当時から何かあったのかと心配してましたが、やはりお身体的に不調だったのですね。
このコックス版は、その雑誌掲載時の不調部分、出来るだけ手を入れて下さった様子で、そこに中山星花さんのプロ根性を感じました。
そしてそれを鑑みれば、やはり実は1巻の時から何かと不調だったのでしょうね。主人公アロラの顔が1巻と2巻では全然違いますね。1巻のアロラは顔のラインがあまりにふくよかというか。まだ子どもであるという表現なのかと思っていたのですが、今見ると、あれは手の力がなくて線が上手く描けなかったのかな、と。
どちらにしろ、その不調の時にわざわざ手を入れて直してくれるあたり、作者さんの根性と誠意を感じます。（他の大御所漫画家さんが同様な状況でコミックス発行時手直しなし（私はそれも仕方ないかなと思うのですが）が多い中、中山先生の場合、本当に根性だな、と）
話としては、ようやく序盤が終わり、話の盛り上がりが見えて来たところでしょうか。あとがきで書かれていた、今後の「キラキラ展開」に期待してしまいます。
しかし、このシリーズ、歴史は繰り返すというのを凄く感じます。緑のお師匠エアリアン→ローゼリー→ロビン→アロラ、、皆、最初の魔法では失敗して師匠にフォロー&叱られて、その後年月が経って自身が弟子をとる時分になるとすました顔して叱る側に立ってるのですから。長年のファンとしては微笑ましい構図であり、その歴史の積み重ねににんまりとしてしまいます。
作者の紡ぐ四十年越しのバラッドに感服しております。お身体大切に、出来るだけ長く描き続けて欲しいです。
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