これは凄まじい。島津くん家の問題が一応は収束する。が、その過程で怒涛の勢いで受験の歪みや親の葛藤、塾講師の苦しい立場、そして兼ねてから気になっていたクロッキーの過去も明らかになる。
塾講師の立場を逸脱して島津くんを救おうと行動する黒木先生。それを厳しく追求する桂先生。でも桂先生が冷たいわけでは決してないのだ。だって彼らは塾講師だから。子供の人生に責任がない。毎日顔を合わせて、親身になって、行く末を心配して。でもそれも受験が終わるまでの話。受験が終わってしまったら生徒は塾をやめる。そうなると講師と生徒の縁も切れる。あっけなく終わってしまう関係で、親子問題や子供の人生を左右するようなことに口出ししてはいけないのだ。
そう、桂先生は正しい。でも人として黒木先生も正しいと思う。同時に、無責任に口出しして後は放り出す、というのは人として間違っているとも思う。正解がまったく見えてこない。
そんな中、島津くんは答えを出す。自分で考えて受験中止を選択する。生き生きと勉強して、難問にチャレンジして、答えがわかった!と急いで塾に向かって、正解をもらったら笑って、泣きながらもっとチャレンジしたかったという、まだ10年かそこらしか生きていない子供が、家庭環境を考えて自分の可能性を諦めるのだ。
そんな前に差し出される一つの希望。これがまた……今の島津家にその提案はまずい、しかし他に方法がない、時間もない、と言葉が出ない。
この作品は単なる「受験漫画」と切り捨てられない。現代社会が抱える問題もあぶり出されている。それらに対して作品内で答えは出ていない。なぜなら万能に見える黒木先生も見えていることは限られて全能ではないのだ。だから彼も学びながらすべての生徒を救う道を、毎年必ず現れる「島津くん」を救う方法を模索しているのだ。
今回9巻が出るのが異様に早かったが、刊行速度を感じさせないほど濃密な9巻だった。
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二月の勝者 ー絶対合格の教室ー(9) (ビッグコミックス) Kindle版
話題騒然の中学受験ストーリー!
「子どもの人生はその子のもんだ。
親のもんでも俺たちのでもない」
家庭の事情で中学受験断念を決めた島津家。
「3年間も積み重ねてきた本人に諦める気はない。
彼を“船”に乗せたのはあなた方だ。」
黒木の言葉の真意は?
奨学金制度狙いで確実に
中堅校の特待をおさえる戦略、
上位校を目指している生徒は
記述対策ができているので国公立も視野に――?
桜花を辞め勉強から離れた島津君の本心は?
そして彼の受験継続のため
黒木が提示する衝撃の秘策とは――?
ゆれる黒木の心。白柳の叱咤の言葉とは。
中学受験の隠された裏側、合格への戦略を
圧倒的なリアリティーでえぐりだす話題作、第9集!
「子どもの人生はその子のもんだ。
親のもんでも俺たちのでもない」
家庭の事情で中学受験断念を決めた島津家。
「3年間も積み重ねてきた本人に諦める気はない。
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黒木の言葉の真意は?
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ゆれる黒木の心。白柳の叱咤の言葉とは。
中学受験の隠された裏側、合格への戦略を
圧倒的なリアリティーでえぐりだす話題作、第9集!
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2020/8/7
- ファイルサイズ50153 KB
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カスタマーレビュー
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ベスト50レビュアー
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87人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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ベスト1000レビュアー
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この本に出てくる子どもたちが大好きです。みんな幸せになってほしい。本巻は、子供たちへの想いがこもった言葉が多かったです。何度も読み返したくなります。言葉だけでなく表情が素敵でした。
-島津順のおばあちゃんとの会話
島津順「あのさあ…おばあちゃんはさ…昨日 自慢の孫って言ったけど…でも…それって…僕がいい学校に受かりそう…だから…?」
おばあちゃん「そんなの決まってるじゃない。たしかに順は頭がいい子だもの。でもね。それはね。おばあちゃんが好きな順の一部なの。だからね、例えば、それがあってもなくても私が好きな順に変わりはないのよ。」
-黒木と白柳社長の電話
黒木「迷ってます…この仕事を続ける上で…子どもや…家族の人生にどこまで介入したらいいのか(中略)」
白柳社長「もしその子が自分の意思で何かを決めることがあったら、その本人が決めたことが一番じゃねえかな。だって、そうだろ?子どもの人生はその子のもんだ、親のもんでも俺たちのもんでもない。ブレてんじゃねえよ!しっかりしろよ!」
-黒木と島津順の会話
島津順「俺…ママを守りたいんだ…だからやめるって決めた気持ちは嘘じゃない。でも、俺、やっぱり。こんな楽しい問題出す学校、チャレンジしたかったな(涙を流しながら笑顔を作る)」
-黒木と順に母親が加わった面談
島津順の母「…順、もしかして…開成受験したいの?」
島津順「ママ…俺…開成受験したい…!自分の力を試したい!」
子どもたちが本当に大好きです。みんな合格してほしい!でも合格しなくても大丈夫だよ!次巻も応援します!
-島津順のおばあちゃんとの会話
島津順「あのさあ…おばあちゃんはさ…昨日 自慢の孫って言ったけど…でも…それって…僕がいい学校に受かりそう…だから…?」
おばあちゃん「そんなの決まってるじゃない。たしかに順は頭がいい子だもの。でもね。それはね。おばあちゃんが好きな順の一部なの。だからね、例えば、それがあってもなくても私が好きな順に変わりはないのよ。」
-黒木と白柳社長の電話
黒木「迷ってます…この仕事を続ける上で…子どもや…家族の人生にどこまで介入したらいいのか(中略)」
白柳社長「もしその子が自分の意思で何かを決めることがあったら、その本人が決めたことが一番じゃねえかな。だって、そうだろ?子どもの人生はその子のもんだ、親のもんでも俺たちのもんでもない。ブレてんじゃねえよ!しっかりしろよ!」
-黒木と島津順の会話
島津順「俺…ママを守りたいんだ…だからやめるって決めた気持ちは嘘じゃない。でも、俺、やっぱり。こんな楽しい問題出す学校、チャレンジしたかったな(涙を流しながら笑顔を作る)」
-黒木と順に母親が加わった面談
島津順の母「…順、もしかして…開成受験したいの?」
島津順「ママ…俺…開成受験したい…!自分の力を試したい!」
子どもたちが本当に大好きです。みんな合格してほしい!でも合格しなくても大丈夫だよ!次巻も応援します!
2020年8月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
怒涛の島津家にも希望の光が見えてくる中で、黒木先生の「過去」が明らかにされる。
ぜひ読んで、体感して欲しいので、ネタバレはさせられないが、「生徒の家庭事情」に介入しないという塾講師なりの職業倫理と、人間が本来持つ正義感とのせめぎあいが、中学受験という「非常時」を通じて、噴き出てしまうこともあるのだろう。今回の第9巻は、中学受験というある種の「魔物」について、より強く考えさせられる内容になっている。多かれ少なかれ、中学受験を経験する家庭では、親子関係の在り方が問われるものだが、「結果主義」に陥らないことが、最も重要で、ある種の「諦観」も求められる。子供の成長過程を度外視した「結果主義」の横行が、「教育虐待」と生む下地になっていることを痛感する。黒木先生の「告白」後は、まさに秋以降の、受験のクライマックスへの突入を暗示させる終わり方で、次の第10巻からの新たな展開、後半戦開始の号砲が感じさせられた。いつものことながら、次号が待ち遠しい。
ぜひ読んで、体感して欲しいので、ネタバレはさせられないが、「生徒の家庭事情」に介入しないという塾講師なりの職業倫理と、人間が本来持つ正義感とのせめぎあいが、中学受験という「非常時」を通じて、噴き出てしまうこともあるのだろう。今回の第9巻は、中学受験というある種の「魔物」について、より強く考えさせられる内容になっている。多かれ少なかれ、中学受験を経験する家庭では、親子関係の在り方が問われるものだが、「結果主義」に陥らないことが、最も重要で、ある種の「諦観」も求められる。子供の成長過程を度外視した「結果主義」の横行が、「教育虐待」と生む下地になっていることを痛感する。黒木先生の「告白」後は、まさに秋以降の、受験のクライマックスへの突入を暗示させる終わり方で、次の第10巻からの新たな展開、後半戦開始の号砲が感じさせられた。いつものことながら、次号が待ち遠しい。
ベスト1000レビュアー
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こんな受験の話は一年過ぎれば話が完結してしまうもの。予想以上に反響があり、テレビドラマ化も予定されて終わるに終わらなくなりましたね。
内容はともかく、読んでいる方はだんだん期待を裏切られる作品もあるのでこの先どうなるのか。ドラゴンボール、弱虫ペダルあたりならまだしも、テルマエロマエみたいにオリジナリティが薄れてきたら危険です。とはいえ、伏線の回収をしだしたので終わりが見えてきました。
家庭問題への介入については、介入して解決するのが講師の仕事ではないし、本来の業務を犠牲にして他の子に不利益があってもいけない。介入している暇はない。ここまでやるなら覚悟がないといけないね。それに、そこまでやる人もそうはいない。
家族による子供への暴力なんかはたまにいますね。父親から投げ飛ばされるとかボコボコに殴られるとか、子供がよく話してますよ。その子は勉強しないで遊んでばかりいるタイプだから自業自得だと説教もするし、父親が大陸から来た人でそういう民族だから激しいねと思う。
殺されると思ったら児相や警察に相談しろとアドバイスするしかない。退塾させるとかもめるけど、その子を守るためにも続けさせてもらえるよう説得しますよね。家庭に踏み入らず、子供を守るにはそんなことぐらいしかできない。そして、躾をして親を安心させると落ち着いていく。
家に行ってまでドタバタするような話でない。そもそも、個人的な連絡手段を持たない、番号は教えないなど基本的なルールが守られていない話なんですよ。親からの直電が携帯にかかってくるなんてあり得ない。だから家庭の問題に巻き込まれる。
そろそろ時間稼ぎは終わりにして、願書を出すあたりまで進んでください。
内容はともかく、読んでいる方はだんだん期待を裏切られる作品もあるのでこの先どうなるのか。ドラゴンボール、弱虫ペダルあたりならまだしも、テルマエロマエみたいにオリジナリティが薄れてきたら危険です。とはいえ、伏線の回収をしだしたので終わりが見えてきました。
家庭問題への介入については、介入して解決するのが講師の仕事ではないし、本来の業務を犠牲にして他の子に不利益があってもいけない。介入している暇はない。ここまでやるなら覚悟がないといけないね。それに、そこまでやる人もそうはいない。
家族による子供への暴力なんかはたまにいますね。父親から投げ飛ばされるとかボコボコに殴られるとか、子供がよく話してますよ。その子は勉強しないで遊んでばかりいるタイプだから自業自得だと説教もするし、父親が大陸から来た人でそういう民族だから激しいねと思う。
殺されると思ったら児相や警察に相談しろとアドバイスするしかない。退塾させるとかもめるけど、その子を守るためにも続けさせてもらえるよう説得しますよね。家庭に踏み入らず、子供を守るにはそんなことぐらいしかできない。そして、躾をして親を安心させると落ち着いていく。
家に行ってまでドタバタするような話でない。そもそも、個人的な連絡手段を持たない、番号は教えないなど基本的なルールが守られていない話なんですよ。親からの直電が携帯にかかってくるなんてあり得ない。だから家庭の問題に巻き込まれる。
そろそろ時間稼ぎは終わりにして、願書を出すあたりまで進んでください。
2020年8月22日に日本でレビュー済み
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今回も読み込んでしました。この巻では、中学受験における家庭での教育虐待が描かれてます。順の父親とアキラの母親の二人の狂気、身に包まされます。優等生的に言えば、子供の能力にあう子供が行きたい中学に進学するのが一番よいわけですが、単純に割り切れるものではないので考えさせられます。親の立場から一般的に言えば、子供の将来を考えると偏差値の高い学校に行くほど良い学友との出会い、良い大学への進学、良い会社への就職など将来が有望されます。親にも世間体がありますので、二人の狂気を否定するのは簡単ではありません。
アキラの母親をみるとアキラはかなり裕福な家の息子として描かれており、一方、順の家は普通のサラリーマンの家っぽく描かれてます。やっぱりフェニックスに通わせるご家庭はお金持ちが多いんでしょう。家庭教師でもなんでもつけてでも、息子を××中学に!とお金には糸目をつけないのかもしれません。漫画では描かれてないのですがアキラの母親が息子が××中学!とママ友に自慢している様子が目に浮かんでしまいます。「理想の息子になれないなら出ていけ」といった時の母親の顔(目)が怖すぎて、トラウマになりそうです。改心したあとの母親の表情のギャップがすごいです。黒木から諭された順の父親はどう行動するのでしょうか?次巻も楽しみです!
アキラの母親をみるとアキラはかなり裕福な家の息子として描かれており、一方、順の家は普通のサラリーマンの家っぽく描かれてます。やっぱりフェニックスに通わせるご家庭はお金持ちが多いんでしょう。家庭教師でもなんでもつけてでも、息子を××中学に!とお金には糸目をつけないのかもしれません。漫画では描かれてないのですがアキラの母親が息子が××中学!とママ友に自慢している様子が目に浮かんでしまいます。「理想の息子になれないなら出ていけ」といった時の母親の顔(目)が怖すぎて、トラウマになりそうです。改心したあとの母親の表情のギャップがすごいです。黒木から諭された順の父親はどう行動するのでしょうか?次巻も楽しみです!