吉田戦車の作品群には、『伝染』以外、あまり好意をもっていないが、
珍しく本作は気に入った。
１８編の「人面レトロ機械群」のハタ迷惑な活躍ぶりに、どうしようもないペットに似た愛着をおぼえずにいられない。
もちろん、当たり外れはある。
どちらかというと、シモネタに傾きかけているほうが面白いかも。
セキュリティ関係の機械（自動改札機、ウソ発見器）などは、ややツマラナイか……。
なぜなら、結局、もとの性格（管理的・強権的・高圧的）が強くあらわれるだけだから。
もともと未来志向の「マシン」たちに、レトロな感情（思いやり、性欲など）を埋め込むことで、滑稽な風味が香り立ち始める。
私はこれを面白がるのだった。
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