この食漫画が終焉を描こうとしている時代に逆行するかのような”食”をメインにした物語。
勇午の赤名修といえば、ハードな政治活劇と、声にならない慟哭、そして、すかっとした逆転劇ですが、さて、本作はといえば、あの絵柄のままで、1話目がレトルトと政治活劇、2話目は声（ボーカル）を取り戻すための説得、そして3話目はガム制作と愛憎劇です？（3話目は2巻へ続く）。
内容的には、1話目は勇午寄り。
”寄せない”絵柄ではあっても、あぁ、あの事件が元なのね、という大体分かるお話で、勇午を知る人には、ちょっと展開に“なるほど”となるかもしれません。
ただ、2話目、3話目になってくると、クールな絵柄で冷徹なキャラクターが持ち味だけに、逆にあたたかい”食”漫画である事に違和感を覚えてくることもしばしば。
そして、アイドルのヒロインは、のほほんと単に偶像（賑やかし）として店にいるだけとなっていて、その子と主人公の関係性がまだわからず、必要性が今のところはなさそうな立ち位置で行動する為、唐突に現れる必然性を感じないお色気ゴマが鼻に付く人も出てくるのではないでしょうか。
また、ロストフードは面白い着眼点だと思うのに、味の再現だけ（※見た目の再現ではありません）では”漫画”という媒体である以上、その凄さが共感できず、”ふーん”としか感想が出ないのが残念。（知らないと特に伝わらない）
レトルトなら箱と開けるときのわくわく感や、レストランであればその場所自体も、それぞれのロストフードの一部であると思うので、そのあたりの状況も合わせて再現して欲しい所でした。
ただ、今後、警察方面や官僚系の人との絡みは面白そうなので、その部分では期待したい。
ヒロインには是非代わりに料理をするぐらいの意気込みが欲しい所。
あと、”ジョルト・コーラ”とか出るだろうか？なぜかよく覚えてるんだが。
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