一見地味な作品です。
一穂作品独特の雰囲気も薄め。
だけど、エロさを何気ない会話で作り出す表現は素晴らしい!
自分と相反するものに惹かれて行く心情も染み入ってきて。すごく心に残りました。
ヤリチンだけど根はいい奴×年上天文大好き天文員という、言わば性格も相反する2人。
最初は反発しながらも自然と接近していく自然体そのものの2人がよかったです。
相反するが故に、どこか惹かれて、相手をさらに知って、またちょびっと惹かれる。
そんなちょこっとずつ「いいところ」を見つけ出してく姿も自然体で微笑ましかったです。
そしてこの本のオススメ読みどころは「会話」
一穂作品、結構文章よりも会話で雰囲気を表現することが多いのではと感じていますが、この作品も何気ないけど雰囲気をがぼっと作り出す会話が多い。
短い一言なのに、行間に溜めて言わなかったもう一言が隠れている、みたいな。
その言わなかった一言が読んでると雰囲気で伝わってくるところが、また凄い。
会話を読ませる作品、って感じでした。
竹下けい子さんのイラストも、この本のストーリーや雰囲気にぴったりでした。
あと、あとがきにも何も書かれていませんでしたが、既刊本「オールトの雲」と少しと繋がっています。
スピンオフの位置づけと考えることもできますが、そこまで既刊本の主人公たちが出てくることはないので、別に「オールトの雲」を読んでいなくてもまったく問題はありません。
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