近年はやりの学習漫画ですが、それらは教科書的な内容を初学者向けに分かりやすく解説しているものがほとんどです。本書はそれらと一線を画す本格的な学習漫画になっています。重力および万有引力が発見されるまでの歩みを紐解き、現在の量子物理学の根幹をなす相対性理論にいたるまでの過程・歴史を学ぶ学習漫画です。アリストテレス・プラトンの時代からマクスウェル・アインシュタインの時代まで、その時代ごとに試行錯誤されてきた過程や事項がよくわかります。それゆえ内容はそれなりにハイレベルでやや難しく分量もかなり多いです。もちろんですが、物理学(量子物理・宇宙物理を含む)に秀でた方にいわせればあくまでも学習漫画に域を出ていないのかもしれませんが、中高校生や一般社会人が読み解き学ぶにはそれなりにハイレベルと言えます。高校物理の知識があればサクサクと読み進めることも可能でしょうが、そうでなければ読み進めるにはかなり骨が折れることでしょう。その点では韓国発で日本語訳されているサバイバーシリーズと大きく違います。
対象のメイン大学生や社会人で、意欲的な高校生や中学生も含まれるといったところでしょう。一時は物理を専門に学びたいと思った時期もある私にとってはとても興味深く読み解くことができました。韓国発の日本語訳とは書きましたが、かなりしっかりとした翻訳がなされている様で日本語としても違和感なく読めました。
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マンガで学ぶ 重力 ~グラヴィティ・エクスプレス~ (サイエンスコミックシリーズ) 単行本(ソフトカバー) – 2020/6/19
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重力発見の旅へ出かけよう!
〈重力〉の実体に迫る人類2500年分の歴史へ。
サイエンス・コミックで旅立ちます!
広大な宇宙空間、太古のビッグ・バン、ブラック・ホール、燃える巨大な恒星……直接行くこともできず触れることもできないのに何を根拠として確信を持って語ることができるのだろうか?この質問に対する解答の核心は「重力(グラヴィティ)」にあります。現在わたしたちが知っている宇宙の姿は、人類が解明した重力についての知識と想像力をベースに描き出されたものです。好奇心に満ちた才気あふれる、洞察力と想像力に秀でた科学の偉人たちによって重力は発見され、わたしたちは今日の宇宙の姿と、どのように変化してきたのかを語ることができるのです。
科学者らの対話を横で聞き、かれらの頭の中の想像の世界に入ることができたなら、...を実現するのが本書"グラヴィティ・エクスプレス"です。かれらの思想を忠実に反映しようと努力していますが、読者の理解を助けるために作り出した科学者たちの会話や議論も多く含まれていますので、「科学小説」を読むように読んでいくのもおもしろいことでしょう。
重力とは何か、古代から現代にいたるまで時々刻々変化していく人類の宇宙観に対しての理解をこの本で深めることができます。
〈重力〉の実体に迫る人類2500年分の歴史へ。
サイエンス・コミックで旅立ちます!
広大な宇宙空間、太古のビッグ・バン、ブラック・ホール、燃える巨大な恒星……直接行くこともできず触れることもできないのに何を根拠として確信を持って語ることができるのだろうか?この質問に対する解答の核心は「重力(グラヴィティ)」にあります。現在わたしたちが知っている宇宙の姿は、人類が解明した重力についての知識と想像力をベースに描き出されたものです。好奇心に満ちた才気あふれる、洞察力と想像力に秀でた科学の偉人たちによって重力は発見され、わたしたちは今日の宇宙の姿と、どのように変化してきたのかを語ることができるのです。
科学者らの対話を横で聞き、かれらの頭の中の想像の世界に入ることができたなら、...を実現するのが本書"グラヴィティ・エクスプレス"です。かれらの思想を忠実に反映しようと努力していますが、読者の理解を助けるために作り出した科学者たちの会話や議論も多く含まれていますので、「科学小説」を読むように読んでいくのもおもしろいことでしょう。
重力とは何か、古代から現代にいたるまで時々刻々変化していく人類の宇宙観に対しての理解をこの本で深めることができます。
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社マイナビ出版
- 発売日2020/6/19
- ISBN-104839970483
- ISBN-13978-4839970482
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商品の説明
出版社からのコメント
重力発見の旅へ出かけよう!
〈重力〉の実体に迫る人類2500年分の歴史へ。
サイエンス・コミックで旅立ちます!
広大な宇宙空間、太古のビッグ・バン、ブラック・ホール、燃える巨大な恒星……直接行くこともできず触れることもできないのに何を根拠として確信を持って語ることができるのだろうか?この質問に対する解答の核心は「重力(グラヴィティ)」にあります。現在わたしたちが知っている宇宙の姿は、人類が解明した重力についての知識と想像力をベースに描き出されたものです。好奇心に満ちた才気あふれる、洞察力と想像力に秀でた科学の偉人たちによって重力は発見され、わたしたちは今日の宇宙の姿と、どのように変化してきたのかを語ることができるのです。
科学者らの対話を横で聞き、かれらの頭の中の想像の世界に入ることができたなら、...を実現するのが本書"グラヴィティ・エクスプレス"です。かれらの思想を忠実に反映しようと努力していますが、読者の理解を助けるために作り出した科学者たちの会話や議論も多く含まれていますので、「科学小説」を読むように読んでいくのもおもしろいことでしょう。
重力とは何か、古代から現代にいたるまで時々刻々変化していく人類の宇宙観に対しての理解をこの本で深めることができます。
〈重力〉の実体に迫る人類2500年分の歴史へ。
サイエンス・コミックで旅立ちます!
広大な宇宙空間、太古のビッグ・バン、ブラック・ホール、燃える巨大な恒星……直接行くこともできず触れることもできないのに何を根拠として確信を持って語ることができるのだろうか?この質問に対する解答の核心は「重力(グラヴィティ)」にあります。現在わたしたちが知っている宇宙の姿は、人類が解明した重力についての知識と想像力をベースに描き出されたものです。好奇心に満ちた才気あふれる、洞察力と想像力に秀でた科学の偉人たちによって重力は発見され、わたしたちは今日の宇宙の姿と、どのように変化してきたのかを語ることができるのです。
科学者らの対話を横で聞き、かれらの頭の中の想像の世界に入ることができたなら、...を実現するのが本書"グラヴィティ・エクスプレス"です。かれらの思想を忠実に反映しようと努力していますが、読者の理解を助けるために作り出した科学者たちの会話や議論も多く含まれていますので、「科学小説」を読むように読んでいくのもおもしろいことでしょう。
重力とは何か、古代から現代にいたるまで時々刻々変化していく人類の宇宙観に対しての理解をこの本で深めることができます。
内容(「BOOK」データベースより)
“重力”の実体に迫る人類2500年分の歴史へ。サイエンス・コミックで旅立ちます!
著者について
チョ・ジンホ:ソウル大学校生物教育学科卒業後、大学院で理科教育を専攻。ソウル大学主催の「教育用ソフト開発コンテスト」で最優秀賞を受賞したことをきっかけに、コンテンツ制作に強い関心を持ち、コンピュータゲーム会社を設立。8年間エキサイティングなゲームの開発に専念した。幼少期より《スターウォーズ》 やカール・セーガンの《Cosmos(コスモス)》など科学的想像力を刺激する映画に没頭し、マンガを描く力と物語を構成する力を自然と身につけ、数々の科学書を読み本物の科学の面白さに触れ文学と同様に想像力を刺激する科学の本を著述したいという夢を持つようになる。2010年から2017年まで国立の高等学校の生物の教員を務め、平日は生徒とコミュニケーションをとり週末にはカフェにてマンガを描き作家への夢を膨らませていった。
2012年11月に重力をめぐる科学の歴史を紹介した本書《グラヴィティ・エクスプレス》(初版タイトル:アメージング・グラヴィティ)を発表し、2013年文化体育観光部の最優秀教養図書、第54回韓国出版文化賞教養部門を受賞。
[訳]金重明:1956年、東京生。1997年『算学武芸帳』(朝日新聞社)で朝日新人文学賞を受賞。2005年『抗蒙の丘―三別抄耽羅戦記』(新人物往来社)で歴史文学賞を受賞。2014年『13歳の娘に語るガロアの数学』(岩波書店)で日本数学会出版賞を受賞。著書に『13歳の娘に語るアルキメデスの無限小』(岩波書店)、『方程式のガロア群』(講談社ブルーバックス)など多数。
2012年11月に重力をめぐる科学の歴史を紹介した本書《グラヴィティ・エクスプレス》(初版タイトル:アメージング・グラヴィティ)を発表し、2013年文化体育観光部の最優秀教養図書、第54回韓国出版文化賞教養部門を受賞。
[訳]金重明:1956年、東京生。1997年『算学武芸帳』(朝日新聞社)で朝日新人文学賞を受賞。2005年『抗蒙の丘―三別抄耽羅戦記』(新人物往来社)で歴史文学賞を受賞。2014年『13歳の娘に語るガロアの数学』(岩波書店)で日本数学会出版賞を受賞。著書に『13歳の娘に語るアルキメデスの無限小』(岩波書店)、『方程式のガロア群』(講談社ブルーバックス)など多数。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
チョ/ジンホ
ソウル大学校生物教育学科卒業後、大学院で理科教育を専攻。ソウル大学主催の「教育用ソフト開発コンテスト」で最優秀賞を受賞したことをきっかけに、コンテンツ制作に強い関心を持ち、コンピュータゲーム会社を設立。8年間エキサイティングなゲームの開発に専念した。大学を卒業してビジネスで成功した後、2010年から2017年まで国立の高等学校の生物の教員を務め、平日は生徒とコミュニケーションをとり週末にはカフェにてマンガを描き作家への夢を膨らませていった。2012年11月には重力をめぐる科学の歴史を紹介した教養マンガ『グラヴィティ・エクスプレス』を発表し“韓国でもなかなか出てこないイラストの描ける科学者の誕生”と賛辞を受け、2013年文化体育観光部の最優秀教養図書、第54回韓国出版文化賞教養部門を受賞した
金/重明
1956年、東京生。1997年『算学武芸帳』(朝日新聞社)で朝日新人文学賞を受賞。2005年『抗蒙の丘―三別抄耽羅戦記』(新人物往来社)で歴史文学賞を受賞。2014年『13歳の娘に語るガロアの数学』(岩波書店)で日本数学会出版賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
ソウル大学校生物教育学科卒業後、大学院で理科教育を専攻。ソウル大学主催の「教育用ソフト開発コンテスト」で最優秀賞を受賞したことをきっかけに、コンテンツ制作に強い関心を持ち、コンピュータゲーム会社を設立。8年間エキサイティングなゲームの開発に専念した。大学を卒業してビジネスで成功した後、2010年から2017年まで国立の高等学校の生物の教員を務め、平日は生徒とコミュニケーションをとり週末にはカフェにてマンガを描き作家への夢を膨らませていった。2012年11月には重力をめぐる科学の歴史を紹介した教養マンガ『グラヴィティ・エクスプレス』を発表し“韓国でもなかなか出てこないイラストの描ける科学者の誕生”と賛辞を受け、2013年文化体育観光部の最優秀教養図書、第54回韓国出版文化賞教養部門を受賞した
金/重明
1956年、東京生。1997年『算学武芸帳』(朝日新聞社)で朝日新人文学賞を受賞。2005年『抗蒙の丘―三別抄耽羅戦記』(新人物往来社)で歴史文学賞を受賞。2014年『13歳の娘に語るガロアの数学』(岩波書店)で日本数学会出版賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
著者について
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ベスト1000レビュアーVINEメンバー
いろいろな
力はありますが、その中でも重力というのは特殊だと昔から思っていました。
一般的なものは遮るということができますが、重力だけはどうやっても遮ることが出来ない。
以前東大卒で大企業に勤める知人のお兄さんが無重力装置を開発すると会社を退職されましたが、完成したとは聞いていません。
この本のタイトルで見てわかりやすく子供向けにマンガで重力を解説しているだろうと軽く思っていましたが、大きく期待を裏切ってくれました。
ものすごい読み応え!!
古代の宇宙観の話から始まり、これがどう重力の話につながるんだ?!って思ったけど、ただただなるほど!と感心することしきり(^_^;)
本当に素晴らしい!
日本がマンガ大国だとは思っていましたが、韓国も(おそらく中国も)マンガの表現やいままで以上の可能性を切り開いて行こうとしていることが伺えます。
科学に少しでも興味がある人なら、老若男女問わず本当に幅広い人たちに読んでほしいと思う本でした。
この作者の他の本も読もうと思っています。
力はありますが、その中でも重力というのは特殊だと昔から思っていました。
一般的なものは遮るということができますが、重力だけはどうやっても遮ることが出来ない。
以前東大卒で大企業に勤める知人のお兄さんが無重力装置を開発すると会社を退職されましたが、完成したとは聞いていません。
この本のタイトルで見てわかりやすく子供向けにマンガで重力を解説しているだろうと軽く思っていましたが、大きく期待を裏切ってくれました。
ものすごい読み応え!!
古代の宇宙観の話から始まり、これがどう重力の話につながるんだ?!って思ったけど、ただただなるほど!と感心することしきり(^_^;)
本当に素晴らしい!
日本がマンガ大国だとは思っていましたが、韓国も(おそらく中国も)マンガの表現やいままで以上の可能性を切り開いて行こうとしていることが伺えます。
科学に少しでも興味がある人なら、老若男女問わず本当に幅広い人たちに読んでほしいと思う本でした。
この作者の他の本も読もうと思っています。
殿堂入りNo1レビュアーベスト10レビュアーVINEメンバー
「マンガで学ぶ 重力」とありましたが、とても本格的な科学史の流れを、初学者でも分かるように噛み砕いた表現と漫画によって平易に説明してある書籍でした。
本書は、物理を学んでいる高校生や教養課程の文系の大学生、そして社会人の方の学びなおしに相応しい内容でした。漫画が親しみやすさを醸し出し、重力の解明に向けて多くの哲学者や科学者の努力や発想、生み出した論理を浮き彫りにしていました。
100ページのアルキメデスの「重さの相対性」の原理も「重さの相対的な比較と、支点からの相対的な距離がわかれば、何が起こるか予測できるのである」という重さのつり合う原理が明確にイラストを交えて解説してありました。高校で習った物理の基本原理が苦もなく頭に入るようになっています。
57ページのエラトステネスの地球の全周の測定でも、アレクサンドリアとシエネでの影の角度を計測して、ここから地球の大きさを計測した方法を図式化(56p)して見せてくれます。誤差(10%未満だそうですが)はあるにせよ、一目瞭然でその考え方を学べるようになっていました。
コペルニクスの太陽中心の宇宙論、ティコ・ブラーエの天文観察資料の蓄積などにより、科学の発達段階が伺え、ガリレオ・ガリレイ(本書でも随所に登場します)が、さらに地動説を強力に推し進めた過程も漫画で記されています。
高校の地学で習ったことや大学での科学史の授業を彷彿とするわけですが、これぐらい平易に魅力的に漫画で描いてもらうと理系に興味を覚える初学者が増えると評価できる内容でした。
地学、物理は元より、科学史のフィールド全体を網羅した漫画による入門書の誕生は幅広い読者層に受けるでしょうし、朗報だと思いました。
本書は、物理を学んでいる高校生や教養課程の文系の大学生、そして社会人の方の学びなおしに相応しい内容でした。漫画が親しみやすさを醸し出し、重力の解明に向けて多くの哲学者や科学者の努力や発想、生み出した論理を浮き彫りにしていました。
100ページのアルキメデスの「重さの相対性」の原理も「重さの相対的な比較と、支点からの相対的な距離がわかれば、何が起こるか予測できるのである」という重さのつり合う原理が明確にイラストを交えて解説してありました。高校で習った物理の基本原理が苦もなく頭に入るようになっています。
57ページのエラトステネスの地球の全周の測定でも、アレクサンドリアとシエネでの影の角度を計測して、ここから地球の大きさを計測した方法を図式化(56p)して見せてくれます。誤差(10%未満だそうですが)はあるにせよ、一目瞭然でその考え方を学べるようになっていました。
コペルニクスの太陽中心の宇宙論、ティコ・ブラーエの天文観察資料の蓄積などにより、科学の発達段階が伺え、ガリレオ・ガリレイ(本書でも随所に登場します)が、さらに地動説を強力に推し進めた過程も漫画で記されています。
高校の地学で習ったことや大学での科学史の授業を彷彿とするわけですが、これぐらい平易に魅力的に漫画で描いてもらうと理系に興味を覚える初学者が増えると評価できる内容でした。
地学、物理は元より、科学史のフィールド全体を網羅した漫画による入門書の誕生は幅広い読者層に受けるでしょうし、朗報だと思いました。
2020年8月3日に日本でレビュー済み
まず書籍体裁は、フルカラー300頁余りの大判コミックで、書名にある「重力」だけで無く、その根源に挑んだ哲学者達の生き様も描いています。
その書面構成は、左開き&横書きの「3段組み漫画」で、作風はデジタル作画を用いた「新聞の風刺画」に近く、顎が角張ったり&鼻がデカかったりと、デフォルメ調似顔絵を彷彿させられます。
一方、著者の本業は漫画家では無く、教壇に立って 「生物」 を教える教員で、本書でも生物進化論から入り、ほぼ全編に渡って偉人達の哲学披露で埋め尽くされて、漫画としての面白さはやや乏しいです。
それでも、取り上げられている理論は、千年以上に渡って「天動説&地動説」の様に世論の影響も受けて、二転三転しており、その矛盾点は「ボケ&ツコッミ」と言う形で表現されて、一応は漫画としての体裁を維持しています。
総じて、流石に小学校低学年のお子様が読むには辛い内容で、その事は出版側も意識しているらしく、漢字にはフリガナが振られていませんので、実質中高生向けの学習漫画です。
そして、単純な重力の現状見解を示すだけで無く、今日までに悩み続けて来た哲学者達の生き様も詳細に描かれ、科学だけで無く歴史も学べる1冊に仕上げっており、娯楽性が乏しい点を差し引いても、高評価出来ると感じます。
その書面構成は、左開き&横書きの「3段組み漫画」で、作風はデジタル作画を用いた「新聞の風刺画」に近く、顎が角張ったり&鼻がデカかったりと、デフォルメ調似顔絵を彷彿させられます。
一方、著者の本業は漫画家では無く、教壇に立って 「生物」 を教える教員で、本書でも生物進化論から入り、ほぼ全編に渡って偉人達の哲学披露で埋め尽くされて、漫画としての面白さはやや乏しいです。
それでも、取り上げられている理論は、千年以上に渡って「天動説&地動説」の様に世論の影響も受けて、二転三転しており、その矛盾点は「ボケ&ツコッミ」と言う形で表現されて、一応は漫画としての体裁を維持しています。
総じて、流石に小学校低学年のお子様が読むには辛い内容で、その事は出版側も意識しているらしく、漢字にはフリガナが振られていませんので、実質中高生向けの学習漫画です。
そして、単純な重力の現状見解を示すだけで無く、今日までに悩み続けて来た哲学者達の生き様も詳細に描かれ、科学だけで無く歴史も学べる1冊に仕上げっており、娯楽性が乏しい点を差し引いても、高評価出来ると感じます。
ベスト500レビュアーVINEメンバー
現代人なら誰でも知ってる「万有引力」の法則。これが正に世紀の大発見だったわけだけど、なんでこれが「大発見」だったのか・・・という事を、当時の人の観点から見つめてみるという本。
地球が丸いなら、なぜ下の方にいる人は落ちないのか? モノがすべて地球の中心に向かって落ちるなら、なぜ星は落ちてこないのか? 今から考えると「そんなの当たり前じゃん」てなものだけど、そこに至るまでに当時最高の頭脳がいかに頭を悩ませたか・・・をつぶさに知ると、科学とは科学者の血で舗装されている・・・てのが良く分かる。
古代ギリシャ時代の哲学者の悩みは現代の一般人でも分かりやすいけど、ニュートンの時代の話になってくると、かなり物理的な理屈が好きな人でないと読み進めるのが苦痛になるだろう・・・てぐらいに理屈っぽい。
それでも、そのテーマに悩んだ人々の思いがイキイキとマンガになっているから「ついてこれる人にはたまらなく面白い」。
マンガだから誰でも楽しいという訳ではないという見本みたいな本かな。
地球が丸いなら、なぜ下の方にいる人は落ちないのか? モノがすべて地球の中心に向かって落ちるなら、なぜ星は落ちてこないのか? 今から考えると「そんなの当たり前じゃん」てなものだけど、そこに至るまでに当時最高の頭脳がいかに頭を悩ませたか・・・をつぶさに知ると、科学とは科学者の血で舗装されている・・・てのが良く分かる。
古代ギリシャ時代の哲学者の悩みは現代の一般人でも分かりやすいけど、ニュートンの時代の話になってくると、かなり物理的な理屈が好きな人でないと読み進めるのが苦痛になるだろう・・・てぐらいに理屈っぽい。
それでも、そのテーマに悩んだ人々の思いがイキイキとマンガになっているから「ついてこれる人にはたまらなく面白い」。
マンガだから誰でも楽しいという訳ではないという見本みたいな本かな。
ベスト500レビュアーVINEメンバー
科学に興味がある文系の40代です。
子供に読ませようと軽い気持ちで手にした本書でしたが、実際は「重力」をテーマにしながら、人類の「知」そのものの歴史を鳥瞰する、実に内容の濃い一冊でした。
韓国の生物学を専門とする作者が物理学の解説に臨んでいる点もたいへん興味深く、世界的にもっと評価されて然るべきだと感じる一方で、あえて狙ったものか、キリスト教の存在を控えめにした展開がやや特異と言えるかもしれませんが、減点には至りません。
確かに「マンガ」なのですが、いわゆる漫画調に話が進んでゆくというよりも、本文のイメージを具象化したイラストという感じで(これがまたわかりやすい)、ちょっとしたジョークも機知に富み、楽しく読み進めることができました。わたしは、読破するまでに4時間かかりました。
個人的な意見として、せっかくの大書ですので、もう少し表紙周りのデザインに作り込みがあると良かったと思います。これではもったいない。
子供に読ませようと軽い気持ちで手にした本書でしたが、実際は「重力」をテーマにしながら、人類の「知」そのものの歴史を鳥瞰する、実に内容の濃い一冊でした。
韓国の生物学を専門とする作者が物理学の解説に臨んでいる点もたいへん興味深く、世界的にもっと評価されて然るべきだと感じる一方で、あえて狙ったものか、キリスト教の存在を控えめにした展開がやや特異と言えるかもしれませんが、減点には至りません。
確かに「マンガ」なのですが、いわゆる漫画調に話が進んでゆくというよりも、本文のイメージを具象化したイラストという感じで(これがまたわかりやすい)、ちょっとしたジョークも機知に富み、楽しく読み進めることができました。わたしは、読破するまでに4時間かかりました。
個人的な意見として、せっかくの大書ですので、もう少し表紙周りのデザインに作り込みがあると良かったと思います。これではもったいない。
ベスト50レビュアーVINEメンバー
ガリレオ・ガリレイやニュートンが「重力」を探求していくさまを描くとともに、それは人類の「叡智」の旅でもある。
重力そのものは物理や数学の分野ですが、叡智の部分は、理系も文系も関係ありません。万有引力の公式や数式が出てきますが、書かれている数式を理解できなくても、人類がたどった叡智の旅の歴史物語として最後まで読むことができます。
もちろん、内容そのものの難しさはあります。この本と同じシリーズの『ゲノム』と同じです。日本語訳の漢字にルビが振ってありませんから小学生には難しいですし、内容的には大学生レベルです。
重力について完全には理解できなくとも、ケプラーやアインシュタインらが歩んできた思考の歴史のプロセスを学ぶことができます。
重力そのものは物理や数学の分野ですが、叡智の部分は、理系も文系も関係ありません。万有引力の公式や数式が出てきますが、書かれている数式を理解できなくても、人類がたどった叡智の旅の歴史物語として最後まで読むことができます。
もちろん、内容そのものの難しさはあります。この本と同じシリーズの『ゲノム』と同じです。日本語訳の漢字にルビが振ってありませんから小学生には難しいですし、内容的には大学生レベルです。
重力について完全には理解できなくとも、ケプラーやアインシュタインらが歩んできた思考の歴史のプロセスを学ぶことができます。
2020年7月31日に日本でレビュー済み
古代ギリシャの時代から物が落下する重力の原因を探そうとする哲学者、科学者の思考過程の歴史は有益で役に立ちます。本格的には、コペルニクス、ケプラー、ガリレイ、ニュートン、アインシュタインたちにより今日の重力の理論が確立されましたが。しかし、アインシュタインは空間の曲がりが重力であるとの重力の現象は説明しましたが、古代ギリシャの時代からコペルニクス、ケプラー、ガリレイ、ニュートンたちが重視した「重力という力」の解釈は「抵抗力」の容易な概念に妥協して、ほとんど物がなぜ移動するのかという重力の力については検討不足ということがわかりました。一般相対性理論は重力の現象論はよく説明されていますが、重力の成因については空間の曲がりだけで、曲がるとなぜ物が移動し落下するのかという説明は皆無で、今後の進展の余地が残されていますね。これが分かっただけで本書は優れた内容です。