2巻はお金を払って読みました。まあ、165円ですが…。この漫画は食文化が著しく劣る異世界にやってきた日本の料理人・サブローがわりと普通の料理を拵えて、異世界の人たちがな…なんだこの美味さは…みたいに驚くという話です。文化的にそれなりに成熟している人たちが何故”食”にだけはろくに頓着しないのかは”理由”は全くわかりませんが、”でなければ主人公の料理が無双できないから”という作家側の”都合”から考えれば即腑に落ちます。それは現実のふつうで相手を見下す無自覚マウントという差別意識に依るものなのですが、とりあえず置いておきましょう。
2巻を読みつつ思ったのは、ネーミングがもうちょっとなんとかならんかったのか、ということです。
馬=ウーマ
羊=メーメー
男爵いも=ダンシャック
葡萄=グレープル
葱=ネーギー
トマト=トメトン
…これってさ、名前が違うだけで全部現実と同じ食材なんだよね…というかこの世界、”塩”が普通にあるんだね…だったら普通に美味しいメシ作れるんじゃ…肉に塩振って焼くだけでいいじゃん…。で、”パン”とか”チーズ”とか加工したものは現実と同じ名前で呼ぶもんで…。まあ、そこも置いておきましょう。
そんな世界でサブローが”おいしい”料理を拵えて諸問題を解決していきます。犬のような種族の名前がワンワン族…この漫画って小学生低学年向けなのかな?というのは兎も角、「命の水」が作れない、という問題も無事解決し、老齢で柔らかいものしか食べれない種族の長の為に料理を作るサブロー。1巻の無自覚見下しからようやく他人を慮る料理人へと立ち位置を変えつつあります。元から見下してねえだろと思う人も居るでしょうが”無自覚”なのがキモなのです。その後、新しい登場人物から、現実への帰還の手がかりを手に入れられそうだ…という話になってきます。
3巻を読んでも次第にマウントが取れなくなっていきますがこれは当り前の話でサブローが作るのは誰でも簡単に作れるような飯ばっかなので、飯以外の文化がそれなりに成熟している異世界なら模倣も簡単に決まってるからです。漫画の2巻までしか読んでませんが某居酒屋だって便乗した店がすぐに出てくるはずなのです。最初から賞味期限の短いマウントだったと言えるでしょう。じゃあ難しい料理を作れば良いのかと言えばそれは出来ません。何故なら読んでる人が作れないから笑。あくまでも「ふつうでマウント取る」のがミソ。
読んで思ったのはやっぱり異世界独自の食材があったほうがいいよね。肉とか塩とか乳とか野菜があるなら普通に美味しい料理作れるでしょって。だから美味しい料理を思いつけない現地人が頭が悪いだけにしかみえないんですね。先に述べた”無自覚”というのはこれの為だね。異世界にはそこにしかない食材しかなく、現地人の知恵ではどうやってもマズくしかならない、それを主人公の料理人の技術や知恵で美味しい料理にもっていく、という。それだと問題なかったと思う。
あるいは、異世界の現地人は味覚が現実と異なる、そこで主人公が現実から逸脱した創意工夫で現地人の味覚にあった料理を作る、という展開。これなら異世界の文化へのリスペクトになりますわな。
ただ、上に述べたように、この漫画は小学生向けと捉えるべき内容なので、子どもがこのような細かいニュアンスを読み取れるとは思わないから細かい事気にせずに楽しめばいいじゃん漫画は娯楽だし、という事になると思います。
それと、この漫画は本当に画力が高い。作画、構成など何処をとっても申し分なく、本作のエンタメとしての品質を高めているのはこの作画に依る部分が大きいと思われます。間違いなく異世界もののなかでナンバーワンの画力だし、少年漫画全体でも相当上位のほうにいるでしょう。
異世界漫画はバトルシーンがアレなものが多いですが、巻末のエルフ対モヒカンタイガーのオマケ漫画などはオマケとは思えないほどバトルシーンが良く出来ていて、料理漫画だけでなくバトルも本編に組み込んでいけば良いのでは、と思いました。主人公は料理が達者なだけで異世界にありがちなチートでもないので、食材ゲット等、問題解決の過程で入るバトルでは他のキャラが活躍するとか。そうすれば主人公凄い!してるだけのサブキャラたちももっと魅力が出るんじゃないかな。児童向け作品のつもりでないなら、シナリオライターは作画担当者の実力に応られえるようにもっと頑張ってほしいかな。
それが出来ないなら作画担当者にはワンピやフェアリーテイルみたいな王道ファンタジー描かせたほうがいいですよ。勿体ないですよこの画力でこんなの描いてるの。作画担当者も異世界から現実に帰るようにあるべき場所に戻りたくないですか?余計なお世話だけど!
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マズ飯エルフと遊牧暮らし(2) (少年マガジンエッジコミックス) Kindle版
エルフたちに“おいしい”ご飯をふるまい、ガッツリ胃袋を掴んだサブロー。しかし、サブローのもとにワンワン族なる獣人がやってきた。彼らは、自分たちの誇りである“命の水”が作れなくなり「金を生む両手」の二つ名をもつサブローを頼ってきたのだった。サブローはポポと共にワンワン族たちの住む森へと旅立つことに!!彼らを救う事はできるのか!?マズ飯に苦しむ全ての人におくる、異世界ご飯改善ストーリー第2弾!!
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2018/8/9
- ファイルサイズ79503 KB
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ヤギの乳から作った発酵飲料が発端で犬のわんわん族の村に行くことになります。そこで作るのはワイン。もともとは米噛み酒のような発酵酒を村の長老が作れなくなったことに端を発する話ですが、干しブドウにつく酵母を使って醸造に成功します。ついでに歯がなくなって固いものが食べられない長老のために、ぶどうの酵母を使った天然イーストでパンも作ります。実際、葡萄酒はぶどうを放っておくと自然に発酵してしまうのでわんわん族が作り方を知らないのはちょっと引っかかるのですが、そこは異世界ということでありでしょう。それよりも長老が巫女として荒地を離れ部族をまとめて今の肥沃な土地を開拓するエピソードは番外とはいえ、感動します。
さて、後半では村に主人公が戻ってきますが、意外な客が待っています。異世界ものでは主人公のほかに地球から来た人がいる場合といない場合がありますが、ここでこの作品が前者であることが明らかになります。お客の求めるもの、それは故郷の料理ですが果たして主人公は要望にこたえられるかというお話。ただ、「マズ飯」度合ではエルフの料理と良い勝負かもしれないあの国の郷土料理なのである意味ではパンやワインよりはるかにハードルが高い。そうこうしつつ一段落ついて客の意外な正体が明らかになります。ここで3巻へ続く、です。
さて、後半では村に主人公が戻ってきますが、意外な客が待っています。異世界ものでは主人公のほかに地球から来た人がいる場合といない場合がありますが、ここでこの作品が前者であることが明らかになります。お客の求めるもの、それは故郷の料理ですが果たして主人公は要望にこたえられるかというお話。ただ、「マズ飯」度合ではエルフの料理と良い勝負かもしれないあの国の郷土料理なのである意味ではパンやワインよりはるかにハードルが高い。そうこうしつつ一段落ついて客の意外な正体が明らかになります。ここで3巻へ続く、です。
2020年12月21日に日本でレビュー済み
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この作品のコンセプトの面白さは、我々にとって当たり前の「メシが美味い」という概念が存在しない世界があったら・・・という「ifもの」だと思う。
1巻では、それが発揮されてて面白かったのだけど、2巻になると「今まで食べたことがない美味いモノ」というだけで「マズ飯」は出て来ない。
いわば、ヨーロッパ人が中華料理食って「あれ、これ、美味いじゃん!」というのと同じで、単に「よその国には、よその国で美味いモノもあるのね」ってだけになって来てる──
まぁ、絵も良いし、エピソード自体は相変わらず面白いので、文句はないのだけど、「もし、食事は単なる生命維持のための行為、という世界があったら」というコンセプトは忘れないで欲しいと思う。
1巻では、それが発揮されてて面白かったのだけど、2巻になると「今まで食べたことがない美味いモノ」というだけで「マズ飯」は出て来ない。
いわば、ヨーロッパ人が中華料理食って「あれ、これ、美味いじゃん!」というのと同じで、単に「よその国には、よその国で美味いモノもあるのね」ってだけになって来てる──
まぁ、絵も良いし、エピソード自体は相変わらず面白いので、文句はないのだけど、「もし、食事は単なる生命維持のための行為、という世界があったら」というコンセプトは忘れないで欲しいと思う。
2020年12月3日に日本でレビュー済み
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古代の人はそんな知恵と工夫もないわけないひ、驚くほど文化あるわーいといいたくなるようなご都合主義、作品にもっと説得力をもたせてほしい。
2019年12月18日に日本でレビュー済み
メシだけが旧石器時代レベルの世界で土の加工や鉄の加工は江戸時代レベルというあまりにもアンバランスな異世界にワープしたという設定。(正確には西洋をベースに柄が作られているっぽいので。古代ギリシア時代だろうか)小麦粉が作られているのであればさすがにあのレベルは有り得ない。食に全く興味がない種族だというのであれば、有り得るが・・・この異世界は主人公が作る料理に感激し、ウマイウマイと言ったり。ウマイものを食わせろなどということから食に対して興味深々なのは間違いない。
異世界だから何をしても構わないのだが、土の加工や鉄の加工はなんのためにそのレベルまで発達したのかとかの説明はなし。部族間の民族衣装も代わり映えがなく、距離があるはずなのに文化にズレがほとんどない。衣装は民族を象徴するアイテムの1つなのにそれが代わり映えしないというのはいささか違和感を覚えてしまう。このように食文化が発達していない異世界に現代食文化を輸入するというアイデアは面白いのだが(設定としてはありがちだが)いかんせん背景がスッカスカで読んでいて????となってしまうことが多く途中で断念。
異世界だから何をしても構わないのだが、土の加工や鉄の加工はなんのためにそのレベルまで発達したのかとかの説明はなし。部族間の民族衣装も代わり映えがなく、距離があるはずなのに文化にズレがほとんどない。衣装は民族を象徴するアイテムの1つなのにそれが代わり映えしないというのはいささか違和感を覚えてしまう。このように食文化が発達していない異世界に現代食文化を輸入するというアイデアは面白いのだが(設定としてはありがちだが)いかんせん背景がスッカスカで読んでいて????となってしまうことが多く途中で断念。