寄生獣の面白さは説明しやすかった。新一とミギーのバディもの、新一チート化のカタルシス、当時としては斬新なメッセージ性やインパクトのあるグロ描写等、読み手にとってのフクとなる部分が多々あった。一方でこの漫画はそれがし難い。やっている事が派手だというわけでも無いし、ストーリーの進行は遅めでこの巻でも新しい伏線が色々出てくるがそのひとつひとつが訴求力を持つかと言うと微妙であるし、この時代の歴史がそれ程多くの読者にとって馴染みのあるものかという点についても同様だ(少なくとも自分はほぼ全く知らない)。画力に関しても正直、高い方ではないだろう。しかしなんでかわからないけど読んでみると今回もまた滅茶苦茶面白いのである。何がどうそんなに面白いのかと聞かれても上手い回答が何も浮かばないのだけど、この作者にしか導き出せない黄金比によってもたらされる説明不能の”漫画力”が宿っているとしか言いようがない。多分、同じ内容でも岩明氏以外が描いていたらこの漫画は面白くないんじゃないか、そんな気がする。他の作品ではまず味わうことの出来ない、そんな稀有な読書体験を味あわせてくれる漫画である。…内容について何も書いていないが別に語る必要も無いだろう。黙って読みゃ良いのだ。
唯一の難点は新刊が出るまでの期間だけだが原作を手掛けたレイリの最終巻後書きによると全力で描いてこのペースだそうなのでこれ以上は望むまい。作者の思い描く結末まで見届けさえ出来ればそれでいい。
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ヒストリエ(11) (アフタヌーンコミックス) Kindle版
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言語日本語
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出版社講談社
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発売日2019/7/23
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ファイルサイズ111315 KB
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商品の説明
著者について
岩明 均
1960年東京都生まれ。
1985年『ゴミの海』が「モーニングオープン増刊」に掲載され、デビュー。1993年「アフタヌーン」に連載の『寄生獣』で第17回講談社漫画賞受賞。代表作に『寄生獣』『七夕の国』『ヘウレーカ』等がある。
現在は「アフタヌーン」に『ヒストリエ』を連載中。 --このテキストは、comic版に関連付けられています。
1960年東京都生まれ。
1985年『ゴミの海』が「モーニングオープン増刊」に掲載され、デビュー。1993年「アフタヌーン」に連載の『寄生獣』で第17回講談社漫画賞受賞。代表作に『寄生獣』『七夕の国』『ヘウレーカ』等がある。
現在は「アフタヌーン」に『ヒストリエ』を連載中。 --このテキストは、comic版に関連付けられています。
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カスタマーレビュー
5つ星のうち4.7
星5つ中の4.7
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年7月23日に日本でレビュー済み
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ベスト50レビュアー
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主人公が才能を遺憾なく発揮し出世していく順風満帆なマケドニア編にあって、前巻では主人公が惚れた女を殿様にとられ波乱が兆し始めた。11巻では新興国家としてのマケドニアの内部事情・もろさが描かれながら、新しいキャラキターが出現。主人公と惚れていた相手と殿様の三角関係はじりじりと描かれつつ、白雪姫の継母のような若様(アレクサンドロス)の母親がついに動きだす。ようやくマケドニア編はほのぼのとした展開を脱し風雲急を告げる形となった。それにしても主人公は惚れた女といい仲になると、必ず「権力」に邪魔されてしまう。
こう書き出してみると本作品は心情的には湿度と粘性が高くて殺伐とした物語なのだが、作者らしい感情表出に関して抑制の効いた人物描写のおかげで、酷薄な内容に拘泥せずに読み進めることができる。それに加えて、どう見ても本作品はアレクサンドロス没後のディアドコイ戦争に向けて伏線を張っており、そういう意味ではこの先もっと情緒的な湿度と粘性は高まっていかざるを得ないだろう。しかし2003年の連載開始から16年かかってここまで来て、これから一波乱を収めて東方大遠征があって、それから…と考えると、果たして筆者はこの物語のエンディングを目にすることができるのだろうか?
と心配で仕方がない。
こう書き出してみると本作品は心情的には湿度と粘性が高くて殺伐とした物語なのだが、作者らしい感情表出に関して抑制の効いた人物描写のおかげで、酷薄な内容に拘泥せずに読み進めることができる。それに加えて、どう見ても本作品はアレクサンドロス没後のディアドコイ戦争に向けて伏線を張っており、そういう意味ではこの先もっと情緒的な湿度と粘性は高まっていかざるを得ないだろう。しかし2003年の連載開始から16年かかってここまで来て、これから一波乱を収めて東方大遠征があって、それから…と考えると、果たして筆者はこの物語のエンディングを目にすることができるのだろうか?
と心配で仕方がない。
ベスト1000レビュアー
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随分と久しぶりの気がする、2年ぶりの最新刊。
前巻では、フィリッポス率いるマケドニアがギリシャの覇権を握った。
本巻はその後、次の激動へのつなぎとなっている。
主人公エウメネスの影はびっくりするほど薄い。
アレクサンドロスによる王位継承のキーマン、パウサニアスが登場し、
その生い立ちから政争に巻き込まれるまでの経緯が、
1巻のほぼ全てを使ってじっくりと描かれる。
これだけしっかり扱われているのは、王位継承をただの通過点とはせず、
一大クライマックスとして盛り上げる伏線なのだろう。楽しみだ。
一見わき道にそれているようでもあるけれど、
フィリッポスの事績や王宮内の権力闘争とスムーズにつながっているので、
引き延ばし感はない。
相変わらずの淡々とした筆致で、不憫な境遇や凄惨な陰謀、むごたらしい虐殺が、
こともなげに描かれている。
現実の命の軽さが投影されているようで、味気ないのがかえって不気味で良い。
前巻では、フィリッポス率いるマケドニアがギリシャの覇権を握った。
本巻はその後、次の激動へのつなぎとなっている。
主人公エウメネスの影はびっくりするほど薄い。
アレクサンドロスによる王位継承のキーマン、パウサニアスが登場し、
その生い立ちから政争に巻き込まれるまでの経緯が、
1巻のほぼ全てを使ってじっくりと描かれる。
これだけしっかり扱われているのは、王位継承をただの通過点とはせず、
一大クライマックスとして盛り上げる伏線なのだろう。楽しみだ。
一見わき道にそれているようでもあるけれど、
フィリッポスの事績や王宮内の権力闘争とスムーズにつながっているので、
引き延ばし感はない。
相変わらずの淡々とした筆致で、不憫な境遇や凄惨な陰謀、むごたらしい虐殺が、
こともなげに描かれている。
現実の命の軽さが投影されているようで、味気ないのがかえって不気味で良い。
ベスト500レビュアー
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10巻から、待つこと2年4カ月。
待望の今作は、パウサニアスの巻です。
アレクサンドロスと酷似した顔を持つ彼の幼少から、王宮護衛兵になり、
そして暗殺者としてオリュンピアス妃と出会うまでが丁寧に描かれています。
冷血で、心のないパウサニアス。
彼が、史実どおりに描かれていくのか。岩明さん独自の創作があるのか。注目です。
とは言え、また2-3年待つのですよね。
(以下は史実的なネタバレ。ご注意ください)
フィリッポス王が、ギリシアの覇権を唱えた後、ペルシア遠征を目指しますが、
娘クレオパトラの祝宴の席で、暗殺されます。護衛のパウサニアスに。
暗殺の黒幕には、オリュンピアスという説、アレクサンドロス自身が関与した説等があり、
はっきりとした結論は出ていません。
フィリッポス王の後を継いでペルシア遠征を果たすのは、もちろんアレキサンドロスです。
待望の今作は、パウサニアスの巻です。
アレクサンドロスと酷似した顔を持つ彼の幼少から、王宮護衛兵になり、
そして暗殺者としてオリュンピアス妃と出会うまでが丁寧に描かれています。
冷血で、心のないパウサニアス。
彼が、史実どおりに描かれていくのか。岩明さん独自の創作があるのか。注目です。
とは言え、また2-3年待つのですよね。
(以下は史実的なネタバレ。ご注意ください)
フィリッポス王が、ギリシアの覇権を唱えた後、ペルシア遠征を目指しますが、
娘クレオパトラの祝宴の席で、暗殺されます。護衛のパウサニアスに。
暗殺の黒幕には、オリュンピアスという説、アレクサンドロス自身が関与した説等があり、
はっきりとした結論は出ていません。
フィリッポス王の後を継いでペルシア遠征を果たすのは、もちろんアレキサンドロスです。
2019年7月25日に日本でレビュー済み
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全体的な盛り上がりに欠けますが相変わらず面白いです。
内容的には戦よりも王宮の内輪もめみたいなものがメインですので、
スカッとする内容ではないです。
毒殺に関するネタが非常に面白かったです。実に巧妙。
作者は昔から冷徹な人物を描くのが上手いですね。
心が無いように描かれている人物にほんの少しの人間性を与えて人間臭さを感じさせてくれる。
さて次巻は何年後かなぁ。
この巻でちょっと作者が疲れているように感じました。
心配です。
内容的には戦よりも王宮の内輪もめみたいなものがメインですので、
スカッとする内容ではないです。
毒殺に関するネタが非常に面白かったです。実に巧妙。
作者は昔から冷徹な人物を描くのが上手いですね。
心が無いように描かれている人物にほんの少しの人間性を与えて人間臭さを感じさせてくれる。
さて次巻は何年後かなぁ。
この巻でちょっと作者が疲れているように感じました。
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