この本が出版されたことに気がつかれていない人も多いかもしれません(2021年6月現在)。この本は、ジェームズ・アレンの妻リリー・L・アレンが、アレンの死後、編集したものですが、妻いわく、「自分の書いた言葉を全て実践した人間」の言葉であるとのことです。ジェームズ・アレンの集大成というべき珠玉の言葉が並んでいます。
365日分の言葉が並んでいます。こういう類の書籍はたくさんあって、好みでない人もおられるとおもいますが、文章量も1日あたり400字原稿用紙1枚程度で、1~2分で読めます。多くなく、少なくなく、充実しています。
エッセンス的なものよりも、本来の著作を読むほうがいいと思いますが、初めてこの本を読まれても、まったく問題はないと思います。日々忙しい人にとっては、日々の文章をゆっくり味わうことで、十分有益だとおもいます。
本著作については、別著である「ジェームズ・アレン全集10 すばらしい人生のはじまりに」で菅靖彦氏によって既に邦訳されています。読み比べてみると、どちらが原文に近いか、分かりかねますが、なんとなく菅訳のほうが原文に忠実な印象を受けます。どちらが良いかは、好みが分かれるところですが、興味のある方は、読み比べてみると、アレンが伝えたかったことが、より浮き彫りになると思います。個人的には、どちらの訳も素晴らしいと思います。
原始仏典や、キリスト教の教えなどが、絶妙に融合され、日々の喧騒で淀んだ心を、清らかにできる素晴らしい書籍だとおもいます。お薦めです。