キャプテン翼は名作だった無印以降、シリーズを重ねる度にファンを失望させている残念な作品なのですが、このシリーズに関しては比較的マシです。要因は何と言っても翼の出番がほとんど無い事。このおかげで、もはや最近ではお約束となりつつある
「あらゆる選手が翼の引き立て役にすぎない」
「どうせ翼が何とかして最後には勝つ」
という見飽きた図式がありません。このシリーズのメインであるアジア予選に挑む日本代表メンバーには翼はおろか、日向や葵もいないので、もはや食傷気味のつまらない日本戦ではなく、比較的満遍なく様々な選手の活躍が見られる展開となっています。新田などはこのシリーズでようやく、ミスターゴールポストの汚名を返上できたんじゃないでしょうか。
個人的に素晴らしかったのはシリーズ佳境、日本の切り札として出した選手が佐野だった事です。この場面で安易に日向や葵を参戦させず、今までほとんどスポットが当たらなかった佐野に活躍の場を与えているのは、今の作者からは考えられない英断だと思います。
また若林を早々に日本に合流させて先発させるも、かつてのように無敵ではなくちゃんと失点させているのも意外な点。ですがこれも結果が見えてる翼マンセー若林マンセーより遥かに面白いと思います。
また立花兄弟のファイナルスカイラブハリケーンは、無印から見てきたファンなら泣けるシーンかもしれません。キャプ翼を象徴する技の最後の輝き、未見の無印ファンには是非見届けてほしいです。
粗ももちろんあり、ここにきて日本の新キャラを大量投入していますがどのキャラもイマイチ弱い点。フットサルコンビはやはり畑違い感が拭えず、曽我はあれだけ切り札的書かれ方をしながらひっそり合流しひっそり出場し全く活躍しない。井川はまだマシですがキャプ翼界ではまるで目立たないDFというポジションで、やはり存在感が無い。こんなにキャラを飽和させるくらいなら、RJ7の弓倉や岡野、浦辺らを混ぜて立ててやった方がマシだった気がします。
このシリーズ以降は再び翼とブラジル勢が中心の退屈な話に逆戻りし、特に現行のライジングサンでは一切擁護できない塩試合(ドイツ対ブラジル)を展開し、失望する無印ファンが続出しています。でもこのシリーズに限っては、ワールドユース編以降では一番マシだと思います。
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