「吉原御免状 」の続編。
<これが遂に覚者になれなかった男の、成れの果ての姿か>
今作から登場する荒木又右衛門の哀切の念。相手と自分の命をやりとりする中で、積み重ねてしまう愚行。
人物として一種爽やかなだけに、余計にその悲しみが迫ってくる。
荒木又右衛門と幻斎の死に様。
作中の人物以上につまらぬ愚行を積み重ねている自分は、果たしてどんな死に様を見せるのか。
それでも「無益な行為にも、結着はつけねばならぬ」。
この商品をお持ちですか?
マーケットプレイスに出品する

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません 。詳細はこちら
Kindle Cloud Readerを使い、ブラウザですぐに読むことができます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
かくれさと苦界行 (新潮文庫) 文庫 – 1990/9/27
購入を強化する
徳川家康より与えられた「神君御免状」をめぐる裏柳生との争いに勝ち、松永誠一郎は色里・吉原の惣名主となった。だが、一度は敗れながら、なお執拗に御免状を狙う裏柳生の総帥・柳生義仙の邪剣が再び誠一郎に迫る。加えて吉原を潰すべく岡場所が各所に乱立し、さらに柳生の守護神・荒木又右衛門も江戸に現れた。ついに吉原と裏柳生全面対決の時が――。圧倒的迫力で描く時代長編。
- 本の長さ544ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1990/9/27
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-10410117413X
- ISBN-13978-4101174136
この商品を買った人はこんな商品も買っています
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
出版社より
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
|
---|---|---|---|---|---|
影武者徳川家康〔上〕 | 影武者徳川家康〔中〕 | 影武者徳川家康〔下〕 | 死ぬことと見つけたり〔上〕 | 死ぬことと見つけたり〔下〕 | |
家康は関ヶ原で暗殺された!余儀なく家康として生きた男と権力に憑かれた秀忠の、風魔衆、裏柳生を交えた凄絶な暗闘が始まった。 | 武士道とは死ぬことと見つけたり──常住坐臥、死と隣合せに生きる葉隠武士たち。鍋島藩の威信をかけ、老中松平信綱の策謀に挑む! |
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
徳川家康より与えられた「神君御免状」をめぐる裏柳生との争いに勝ち、松永誠一郎は色里・吉原の惣名主となった。だが、一度は敗れながら、なお執拗に御免状を狙う裏柳生の総帥・柳生養仙の邪剣が再び誠一郎に迫る。加えて吉原を潰すべく岡場所が各所に乱立し、さらに柳生の守護神・荒木又右衛門も江戸に現れた。ついに吉原と裏柳生全面対決の時が―。圧倒的迫力で描く時代長編。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
隆/慶一郎
1923‐1989。東京生れ。東大文学部仏文科卒。在学中、辰野隆、小林秀雄に師事する。編集者を経て、大学で仏語教師を勤める。中央大学助教授を辞任後、本名・池田一朗名で脚本家として活躍。映画「にあんちゃん」の脚本でシナリオ作家協会賞受賞。’84年、『吉原御免状』で作家デビュー。’89年には『一夢庵風流記』で柴田錬三郎賞を受賞。時代小説界に一時代を画すが、わずか5年の作家活動で急逝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1923‐1989。東京生れ。東大文学部仏文科卒。在学中、辰野隆、小林秀雄に師事する。編集者を経て、大学で仏語教師を勤める。中央大学助教授を辞任後、本名・池田一朗名で脚本家として活躍。映画「にあんちゃん」の脚本でシナリオ作家協会賞受賞。’84年、『吉原御免状』で作家デビュー。’89年には『一夢庵風流記』で柴田錬三郎賞を受賞。時代小説界に一時代を画すが、わずか5年の作家活動で急逝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1990/9/27)
- 発売日 : 1990/9/27
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 544ページ
- ISBN-10 : 410117413X
- ISBN-13 : 978-4101174136
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 255,627位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 3,596位歴史・時代小説 (本)
- - 4,808位新潮文庫
- - 8,548位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

(1923-1989)東京生れ。東大文学部仏文科卒。在学中、辰野隆、小林秀雄に師事する。編集者を経て、大学で仏語教師を勤める。中央大学助教授を辞任後、本名・池田一朗名で脚本家として活躍。映画「にあんちゃん」の脚本でシナリオ作家協会賞受賞。1984年、『吉原御免状』で作家デビュー。1989年には『一夢庵風流記』で柴田錬三郎賞を受賞。時代小説界に一時代を画すが、わずか5年の作家活動で急逝。
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.3
星5つ中の4.3
60 件のグローバル評価
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2005年11月3日に日本でレビュー済み
違反を報告する
Amazonで購入
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2013年11月25日に日本でレビュー済み
「吉原御免状」の続編。前作では青年だった松永誠一郎だったが、今作では青年期に終わりを告げ、壮年へとさしかかる姿が描かれる。
前作同様、予想できないストーリーで楽しめる。前作から引き続き、庄司甚右衛門、柳生義仙などが活躍するが、今作には荒木又右衛門が登場する。その人物造形、異能とも言える戦闘力、人格はまさに圧巻。圧倒的な存在感がある。
「吉原御免状」で隆慶一郎の世界に魅了された人には、ぜひとも読んでおきたい本だと思う。
このシリーズは「かくれさと苦界行」で終わってしまった。壮年期に入った誠一郎がどうなるか、傀儡の砦・吉原がこのあとどうなるのか、隆氏のファンなら興味は尽きないだろう。作者のあまりにも早すぎる死が惜しまれる。
「吉原御免状」「かくれさと苦界行」で興味深く思ったことがある。松永誠一郎が二作とも戦を通じて強い精神的なショックを受け、深く傷つくこと。そして傷ついたときの描写だ。人なら誰しも、愛情を持った人間が死ねばショックを受け、激しく落ち込むだろう。誠一郎のように純粋な人間にはさらにその衝撃は大きいはずだ。隆氏はその状態を荒野にも例えた。その描写は、悲しく淋しい。あまりにも荒涼としていて、読む側に訴えかける。この描写を読んで、作者の隆慶一郎氏も、こうした経験があったのだろうか、と思った。
前作同様、予想できないストーリーで楽しめる。前作から引き続き、庄司甚右衛門、柳生義仙などが活躍するが、今作には荒木又右衛門が登場する。その人物造形、異能とも言える戦闘力、人格はまさに圧巻。圧倒的な存在感がある。
「吉原御免状」で隆慶一郎の世界に魅了された人には、ぜひとも読んでおきたい本だと思う。
このシリーズは「かくれさと苦界行」で終わってしまった。壮年期に入った誠一郎がどうなるか、傀儡の砦・吉原がこのあとどうなるのか、隆氏のファンなら興味は尽きないだろう。作者のあまりにも早すぎる死が惜しまれる。
「吉原御免状」「かくれさと苦界行」で興味深く思ったことがある。松永誠一郎が二作とも戦を通じて強い精神的なショックを受け、深く傷つくこと。そして傷ついたときの描写だ。人なら誰しも、愛情を持った人間が死ねばショックを受け、激しく落ち込むだろう。誠一郎のように純粋な人間にはさらにその衝撃は大きいはずだ。隆氏はその状態を荒野にも例えた。その描写は、悲しく淋しい。あまりにも荒涼としていて、読む側に訴えかける。この描写を読んで、作者の隆慶一郎氏も、こうした経験があったのだろうか、と思った。
2003年10月24日に日本でレビュー済み
後水尾院に落胤と認められ、色里 吉原の惣名主となった松永誠一郎と、『神君御免状』を執拗に狙う幕府老中 酒井忠清との戦いを描いた、「吉原御免状」の続編です。
剣の技に天賦の才を持ち、立場ゆえに人を斬らざるをえない松永誠一郎、前作で修羅の道を生きる覚悟を決めたとはいえ、それでもまだ煮え切らない態度に歯がゆさも覚えますが、「人殺し」と「勝負」を全く別物にとらえ、「勝負」では一切手を抜かず全力で相手を倒しにいく剣士としての生き方は潔く格好がいい。勝負の相手も、すでに死んだと思われていた鎰屋の辻の仇討ちで有名な荒木又右衛門に、片腕を斬られ復讐の鬼と化した元裏柳生の総帥 柳生義仙と錚々たる顔ぶれ。これだけそろっておもしろくないわけがないでしょう。前作同様、吉塊??の隠された真の姿や天皇と流浪の民との関係など各所で問題が提起されていて、深読みすればいくらでもできるのですが、そんな難しいことは措いておいて剣豪小説としても充分に楽しめます。
「吉原御免状」から登場していた主要人物が次々と死んでいき、一つの時代の終わりと新しい時代の到来を感じさせる本作、解説によると作者はこのシリーズを四部作にするつもりだったそうで、第三部の構想もほぼ固まっていたとのこと。作者の急逝が全くもって悔やまれます。
剣の技に天賦の才を持ち、立場ゆえに人を斬らざるをえない松永誠一郎、前作で修羅の道を生きる覚悟を決めたとはいえ、それでもまだ煮え切らない態度に歯がゆさも覚えますが、「人殺し」と「勝負」を全く別物にとらえ、「勝負」では一切手を抜かず全力で相手を倒しにいく剣士としての生き方は潔く格好がいい。勝負の相手も、すでに死んだと思われていた鎰屋の辻の仇討ちで有名な荒木又右衛門に、片腕を斬られ復讐の鬼と化した元裏柳生の総帥 柳生義仙と錚々たる顔ぶれ。これだけそろっておもしろくないわけがないでしょう。前作同様、吉塊??の隠された真の姿や天皇と流浪の民との関係など各所で問題が提起されていて、深読みすればいくらでもできるのですが、そんな難しいことは措いておいて剣豪小説としても充分に楽しめます。
「吉原御免状」から登場していた主要人物が次々と死んでいき、一つの時代の終わりと新しい時代の到来を感じさせる本作、解説によると作者はこのシリーズを四部作にするつもりだったそうで、第三部の構想もほぼ固まっていたとのこと。作者の急逝が全くもって悔やまれます。
VINEメンバー
「吉原御免状」の続編。この巻に至ってその正体が明かされる。ネタバレするとつまらないので他のレビューは読まないほうがいいと思うのだが・・・
ポーの「盗まれた手紙」ではないが、世の中には内容がわからないゆえにより効力を発揮する書状というものがある。脅迫、というのもそれと同じで、実際に脅しの内容を実行してしまうと、もう恐ろしいものはなくなってしまうということだ。そして、この吉原御免状は神君徳川家康から吉原の創設者庄司甚左衛門に下された書状なのだが、まさしくそういった性質を持つものなのだ。
この書状を苦心惨憺して入手した時の権力者、酒井忠清は、その内容を見たことが原因で狂死してしまう。さて、果たしてその内容は何だったのか。あとは本作を読んでのオタノシミです ^^
ポーの「盗まれた手紙」ではないが、世の中には内容がわからないゆえにより効力を発揮する書状というものがある。脅迫、というのもそれと同じで、実際に脅しの内容を実行してしまうと、もう恐ろしいものはなくなってしまうということだ。そして、この吉原御免状は神君徳川家康から吉原の創設者庄司甚左衛門に下された書状なのだが、まさしくそういった性質を持つものなのだ。
この書状を苦心惨憺して入手した時の権力者、酒井忠清は、その内容を見たことが原因で狂死してしまう。さて、果たしてその内容は何だったのか。あとは本作を読んでのオタノシミです ^^
ベスト1000レビュアーVINEメンバー
吉原御免状の続編で、吉原御免状の結末が中途半端となっていた、宿敵の柳生義仙との決着、吉原御免状を巡る老中酒井忠清との顛末などが描かれて、物語が見事に完結する。
ストーリーも面白いが本書の魅力は登場人物のキャラクターの豊かさである。
主人公の松永誠一郎は宮本武蔵野直弟子である上に、柳生宗冬から柳生新陰流の伝授も受けた天才的な剣士であるが、人間的には素朴かつ純真であり、それ故に柳生一族との本意でない争いに巻き込まれて人を斬る苦しみは計り知れないものになる。その他の登場人物も悪役である柳生一族でさせも、各々が苦しみを抱えながら生きていることが鮮やかに描かれている。
もう一つの魅力は詳細かつ真に迫った決闘場面である。剣に関して全く無知な人間が読んでも柳生新陰流の技や秘術が目に浮かぶように鮮やかに描写されており、息を呑むような迫力がある。
以上のように色々な角度から楽しむことができる傑作だと思う。
ストーリーも面白いが本書の魅力は登場人物のキャラクターの豊かさである。
主人公の松永誠一郎は宮本武蔵野直弟子である上に、柳生宗冬から柳生新陰流の伝授も受けた天才的な剣士であるが、人間的には素朴かつ純真であり、それ故に柳生一族との本意でない争いに巻き込まれて人を斬る苦しみは計り知れないものになる。その他の登場人物も悪役である柳生一族でさせも、各々が苦しみを抱えながら生きていることが鮮やかに描かれている。
もう一つの魅力は詳細かつ真に迫った決闘場面である。剣に関して全く無知な人間が読んでも柳生新陰流の技や秘術が目に浮かぶように鮮やかに描写されており、息を呑むような迫力がある。
以上のように色々な角度から楽しむことができる傑作だと思う。